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高騰し続けるサッカー放映権料に取り残されるデフレジャパン
少し前の話になりますが、サッカーワールドカップのアジア最終予選は、A組ではイラン・韓国が本大会を決め、B組でもサウジアラビア・日本が半歩抜け出しました。まだ油断が出来るわけではありませんが、オーストラリア戦で引き分ければその次のベトナム戦で負けなければ良いので、序盤の苦戦を考えるとだいぶマシになりました。
この最終予選では日本国内での放映権では色々とあり、高騰しすぎたためにテレビ局が買えず、結果的にはDAZNが直前に購入しました。時間帯的に視聴率を見込めないアウェイ戦については、DAZN独占配信となり、今度の勝てばW杯出場決定というアウェイのオーストラリア戦もDAZNでないと観られません。
その他にも、以下の放映権料がDAZNのものとなりました。
・AFC アジアカップ(2023年大会、2027年大会)※グループステージ2試合独占配信、ラウンド16独占配信、その他は地上波などと並列
・AFC 女子アジアカップ(2022年大会、2026年大会)※独占配信
・AFC 女子オリンピック予選(2024年大会、2028年大会)※地上波などと並列
・AFC U23 アジアカップ(2022~2028年大会)※2022年、2026年 独占配信、2024年、2028年大会は、地上波などと並列
・AFC U20アジアカップ(2023~2027年大会)※独占配信
・AFC U17アジアカップ(2023~2027年大会)※独占配信
・AFC U20 女子アジアカップ(2022~2028年大会)※独占配信
・AFC U17 女子アジアカップ(2022~2028年大会)※独占配信
・AFC フットサル選手権(2022~2028年大会)※独占配信
・AFC ソリダリティーカップ(2024年大会、2028年大会)※独占配信
【クラブ】
・AFC チャンピオンズリーグ(2021~2028年大会)※独占配信
・AFC カップ(2021~2028年大会)※独占配信
・AFC フットサルクラブ選手権(2022~2028年大会)※独占配信
無料のテレビ中継はごく一部となる時代が来たわけですが、このことをもってサッカー人気の凋落を云々するのは無理があります。そもそもは、高騰し続けた放映権料がその原因です。
カタールワールドカップ本大会の日本国内放映権は、これまた従来のテレビ局連合では購入出来ず、AbemaTVが急遽動いて手に入れました。資本関係にあるテレビ朝日の意向があったのか、サイバーエージェントにお願いしたのか分かりませんが、サッカーファンとしてはホッとした方も多いでしょう。
ワールドカップもアジア予選も放映権料の高騰は酷いものですが、その一方で20年間デフレが続いた日本経済も酷いものです。その前の10年間もほぼ成長していなかったのを考えると、世界レベルから見れば30年近く日本は物価が上がっていません。
正常な経済であれば年2%程度の物価上昇があるはずですし、世界経済全体なら年3〜5%で成長しています。30年間を5%複利で計算すると4.3倍になりますし、年2%でも1.8倍にはなります。
まあ放映権料自体は数十倍・数百倍のレベルで上がっているので、異常と言えば異常なのですが、スポーツ観戦にお金を払うというのは、それだけスポーツ観戦が暇つぶしではなく主体的に楽しむ趣味に変わりつつあるとも言えます。
ともかく、どこかでサッカーの放映権料の高騰を止めてもらわないと、今回のDAZNの長期契約が終わった後の次のところで、この4月からの3,000円への値上げがかわいく思えるくらいのDAZNの料金になりかねません。
そもそも、日本経済が成長してくれないとそれ以前の問題ではあるのですが。