第62回 技能五輪全国大会 レポート
2024年11月23日(土)、第62回技能五輪全国大会が、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場)を会場に開催されました。
「技能五輪全国大会」とは、青年技能者に努力目標を与えること。国民に優れた技能に触れる機会を提供すること。競技を通じ技能の重要性、必要性をアピールし、技能尊重の機運の醸成を図ること。を目的とし、厚生労働省、中央職業能力開発協会と開催都道府県との共催により実施されるコンペティションで、HRSはレストランサービス職種の運営、審査を担当しています。
レストランサービス技能職種の出場選手は、都道府県職業能力開発協会から中央職業能力開発協会に推薦を受けた、日本国籍を有する満年齢23歳以下に限られ、原則2年毎に開催される技能五輪国際大会(WorldSkills Competition)の前年大会は、国際大会への派遣選手選考会をかねていることから、今回の全国大会でも国際大会の課題を意識した、レベルの高い課題を設定しました。(次回の国際大会は2026年9月22日から27日まで中国・上海で開催)
*今大会の出場選手リスト
今回出場の22選手は、会場内に設けられた4つのレストランスペースで実際のレストランさながらの状況で競技を行いました。何れの課題(Module)も日頃の経験と訓練が不可欠で、いかに手際よく、正確に美しいサービスをするかが競技のポイントになり、お客様とのコミュニケーション含め、感動を与えるレストランサービスの高い技能が要求されました。
一日掛かりの厳しい競技日程を終え、花道を通る選手の表情はとても和やかで、コンクールに出場したからこその気付きや手応え、同じ志を持つ仲間との交流を得られたことと思います。
今大会では、沖縄県代表の新里 凪咲氏が金賞・厚生労働大臣賞を受賞し、
東京都代表の原口 奈々来氏が銀賞を受賞。
銅賞には、ともに沖縄県代表の、田中 彩月氏、上地 留菜氏、伊波 このか氏が受賞。
敢闘賞には、宮崎県代表の川口 朱音氏、沖縄県代表の山城 彩夏氏、長野県代表の菊池 蒼衣氏、千葉県代表の阪本 百合奈氏、宮城県代表の小泉 りの氏の5選手が受賞し、合計10選手が主催者の評価を受け表彰されました。
<金賞受賞・厚生労働大表彰 新里 凪咲 氏のコメント>
今大会は、日頃からお世話になっている方々へ『恩返しを』という気持ちで臨みました。切磋琢磨してきた沖縄県選手団の仲間、丁寧にご指導くださった母校の講師の皆様、そして応援してくださった会社の支えがあったからこそ、この栄誉を手にすることができました。一生懸命に励む姿だけでなく、金賞の獲得を通しても皆様に恩返しができたのではないかと嬉しく思っております。
初めての挑戦となった第61回大会、昨年の2月に行われたHRSサービスコンクールでは、どちらの大会でも銀賞と悔しい結果となりました。次こそは絶対に金賞を、とプレッシャーを感じながら本番を迎え、昨年とは違った緊張感の中ではありましたが、日頃の接客、練習の成果が存分に発揮できたと感じております。
今後は、本大会を通して培った技術や知識を今後のゲストサービスに活かしながら、自分の中でとどめるのではなく、次の世代へ継承していけるよう邁進してまいります。
この様な素晴らしい経験をさせて頂きまして、関係者の皆様に心より感謝申し上げます。
出場したどの選手も、都道府県を代表する技術者としてのパフォーマンスを披露して、この大会でしか得られない経験を積むことで、業界の技能の向上をさらに前進させ、後人の若手達に道を示してくれました。
出場選手の皆さんの、次なるステージでのご活躍を期待しています。
今大会では課題で使用するコーヒーマシンとコーヒーをNespressoさんから、ノンアルコールスパークワインをYELLさんから、シロップ他をMONIN(日仏貿易)さんから、料飲業界に係る企業として、競技の実施と課題に取り組む選手達を支えていただきました。この場をお借りして御礼申し上げます。
また、競技中の職種紹介コーナーも、ガイドツアーへの参加者も多く、ギャラリーも溢れるほどの活況で、業界内だけではなく、一般の方からもレストランサービス職種が注目されていることを改めて実感させてくれました。
次回、第63回技能五輪全国大会は、2025年10月に愛知県で開催です。
この大会は、2026年9月に予定されているWorldSkills International(技能五輪国際大会)上海大会の日本代表選手選考会を兼ねています。
そして、2028年のWorldSkills International(技能五輪国際大会)は愛知で開催です!関連料飲業界、団体が一体となり、最善の準備をし最良の結果を求め共に進んで行きましょう!