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HRS設立40周年を迎えて

一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会
会長 森本 昌憲

 一般社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会(HRS)は、2025年1月26日をもちまして、設立40周年を迎えました。当協会の発展を支えていただいた、会員の皆さまをはじめ、関係団体のご支援と諸先輩方の寄与していただいた功績に、改めて感謝申し上げます。

 当協会は、国際観光ホテル整備法が制定された1949年に、ホテルやレストランの有志が集った「日本ウェイター協会」を起源に、東京オリンピック開催前年の1963年には「全日本ホテル・レストランメンクラブ」を発足。そしてそれから4年後、より結束を固めるために「全日本ホテル・レストランメン協会」という任意団体を立ち上げたことがルーツとなります。
その後、ホテルやレストラン業界は活況となり、同業者やサービスパーソン同士の連携を深め、技術と地位の向上を目指し、活動の拡大を図るため、1985年に「社団法人日本ホテル・レストランサービス技能協会」として、接客業務従事者のための全国組織として法人化し、HRSの歴史をスタートさせました。

 協会設立から間もない1986年、当協会は「料飲接遇サービス技能審査」という労働大臣に認定された試験を開始。外食がひとつの文化として根付いた80年代を経て、食の多様化が進み、味や価格だけでなく、外食に付加価値が求められるようになった90年代には、西洋料理に続き、日本料理と中国料理の「食卓作法講師認定」事業も開始しました。2000年代に入り、観光立国の推進が進む中、スキルやホスピタリティの重要性が明確となり、2002年には厚生労働省の指定試験機関として国家検定「レストランサービス技能検定試験」への移行を果たし、さらにはサービスコンクールの主催や技能グランプリ、技能五輪全国大会の運営を受託。2021年には、料飲サービスの基本を身につけるための「ベーシック検定」という認定資格も実施するなど、社会が成長するたびに、サービスパーソンの方々の活躍を「資格制度」と「環境の提供」という形で後押ししてまいりました。

 しかし、この40年間には、1990年のバブル崩壊、2008年のリーマンショック、2011年の東日本大震災、2020年のパンデミックなど、業界全体を揺るがす多くの困難もありました。それらの困難を技術革新などの取り組みを通じて乗り越えてきましたが、私たちはその度に「人」と「人との絆」の重要性を確信してきました。
歴史的に見ても、私たちの業界は不況の影響を最初に受ける一方で、活気が早く戻る業界とも言われています。現在がまさにその時です。私たちは「人」という本質や、レストランサービス技能士をはじめとする、志あるサービスパーソンの皆さまの活躍を誇りに思っています。

 このような状況の中、私たちは一昨年、協会のミッションを「継承と創造」に改めました。そして今回の40周年という節目を迎え、より一層の発展を目指して一歩を踏み出しました。
皆さまとともに、伝統と文化を継承しつつ、設立50周年に続く新たな10年を創り上げることができる喜びに感謝申し上げます。今後も引き続き、ご指導とご鞭撻をいただければ幸いです。


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