文章を書く自分を嫌いになった時に読む話
こんにちは、れれれといいます。
好きなことは音楽、そして文章。
私は文章を書く自分を好きでい続けるためにここにいます。
はじめましての挨拶は、長ければ長いほど飛ばしたくなってしまうので控えましょう。私についての色々は、今後の記事で明かしていくことにします。
今日はまず、私と文章との関係についてお話ししたいと思います。
簡単に言うと、文章を書くことを止めようと思った時の話です。
1.自分を隠す母が嫌いだった話
私には外国籍の母がいるのですが、それはもう日本語が上手です。
自分の母を自慢するようですが、本当に、とんでもなく日本語が上手です。
上手とかそういうレベルはとっくにに超越していて、外国籍であることを忘れるくらい。
突然身内の自慢話? と思われそうですが、
私が文章にハマったきっかけの一つがこのバックグラウンドにあるのです。
母が外国籍であるという話を友人にすると、大体の反応はこうです。
「うらやましい!」
「じゃあ二か国語話せるの?」
「だから髪の毛茶色いの?」
見て分かる通り、基本的にはプラスの反応が返ってくることがほとんどです。うれしい~
ちなみにこれらの反応に対する私の所感としては、
「うらやましい!」←お得感はあるよね、褒めてるのは分かる!
「じゃあ二か国語話せるの?」←話せない!勉強中です
「だから髪の毛茶色いの?」←(?)全く関係ないしそこまで茶色くはない
という感じです。
とにかく、こうしたプラスの意見が返ってくることが多い昨今と比べ、
やはり母が日本に来たばかりの頃はヘイトが多かったようです。
外国籍であることを理由にアルバイトを断られたり、
自分の出身を言っただけで仲の良かったママ友が会ってくれなくなったり。
正直、想像もつかないほどの壮絶な体験だったのだと思います。
私の通っていた幼稚園の親睦会後、これまた仲の良かったママ友に
「○○出身って、言わない方がいいかも。」
とアドバイスを受けたことをきっかけに、
母は家に一つのルールを設けました。
それは、「母が外国人であると他人にいってはいけない」
というものです。
母はこのルールを、まだ”外国”がどういう物かもよく分からないうちから言って聞かせていたそうです。
もちろん理由は、「いじめられないように」です。
以来、小学生から中学を卒業するまでの間、友人にそのことを隠し続けていました。
……となれば「言うことをよく聞く良い娘」という感じなのでしょうが、残念ながら私はそこまで良い娘ではなく。
肝心の「なぜ隠さなくてはいけないのか」が全く理解できていなかったので、中学生になる頃にはペラペラと友人に話していました。
私にとってハーフであることは、性別や誕生日と同じくらいの、ただの情報でしかなかったのです。
しかし母はずっとこのルールにこだわっていました。
私は成長と共にその理由(ヘイトを経験したため、など)を理解はしましたが、隠す必要性はやはり分かりませんでした。
別に悪いことをしているわけでもないのに、コソコソとしているようで嫌だったのです。
この嫌悪感はいつしか、ルールを設けた母へと、向くようになりました。
2.文章で生きていこうと思った話
出身を隠す母を嫌いになった私は、そのまま高校生になりました。
そこで出会ったのが文章です。
正確に言えば、文章を書くことに魅せられたのはもっと前です。ただ、バックグラウンドや自分の意見を表現することに文章が有用だと気付いたのは、高校生になってからでした。
文章を書く部活に所属して、小説を書いたり、スピーチ原稿を書いたり。小論文のコンテストとかにも応募していました。
一番時間を割いたのは当然、「外国人への差別」についてです。
私は母へ向けた嫌悪感を、文章を書くエネルギーに換えていました。
在日外国人について調べ、歴史について調べ、今ある差別について調べました。私の中にある差別心を理解しようと時間を費やすことも忘れませんでした。
母の苦労もその頃には理解が出来るようになりましたし、以前のように嫌悪感を抱くこともなくなりました。
例のルールは相変わらず無視していましたが。
そのうち周りに褒められる機会も増え、ちょこちょこと賞もいただき、文章で自己表現をすることに誇りのようなものを持っていたように思います。
文書は、私を強く、賢く、ハッピーにしてくれる。
文章を書くことも、文章を書く自分自身も、大好きでした。
もうこれは、神様が私に「文章で生きろ!」と言っているのでは……?
そんなことを思うようにまでなりました。
でも本当に、文章で生きていけたら最高だな、とぼんやり思っていたのです。
3.文章を書く自分を嫌いになった話
大学生になると、文章を書く機会がめっきり減りました。
サークルなどには入らず、自分でちょろちょろとネットに小説を流す程度。
それでも満足はしていましたが、夏休みになると暇すぎて暇すぎて。
これは文章で一儲けするしかない!
と思い立って、複数のサイトに登録しました。
その中でも特に、自身でサービス内容を設定できるようなサイトをよく使っていました。
今だから正直に書きますが、当時のサービス内容は最悪なものでした。
ターゲットのほとんどは学生のお母さま方。
「夏休みも中盤だというのに、作文の宿題が終わっていないんです。」
「うちの子、作文が苦手で……」
そうしたよくある悩みにつけこんで、夏休みの宿題を代筆していたのです。
依頼数は想像をはるかに超えていました。私が思っている以上に需要があったサービス提案だったとも言えます。
儲けもそこそこに出ていました。
「文章で稼ぐのなんかヨユーじゃん!」
と、めちゃめちゃ調子に乗っていました。
全てが上手くいくと思っていたのですが、やはりそんなわけもなく。
一年経った頃でしょうか、運営側からやんわりとサービスの停止を求められます。
ちょうど、宿題代行サービスが批判を受けていた時のことです。
私も一連の騒動を見て、「それってダメなんだ」と驚いたのを覚えています。
でもこれは、少し考えれば分かることでした。
作文を代筆するということは、子どもたちから文章を書く経験を取り上げることになります。
文章が好きになるきっかけになり得たその機会を奪って、自己表現の場を奪ってしまうような行為でした。
そもそも宿題を代わりにやるなんて、学ぶことの大切さを否定することにもなりかねません。
私は当時教育系のアルバイトをしていて、生徒に物を教える立場にいました。しかし教鞭を執るその一方で、教育に全く相応しくない行為でお金を受け取っていたのです。
それに気づいてからは、最悪の気分でした。
他にもブログの代筆などを請け負っていたのですが、全てのサービスを停止させました。
残っていた依頼も、全く上手くいきませんでした。「こういったテーマは苦手なようですね。」と言われたこともありました。
私の文章、下手なんだ……
最低な文章の使い方をしていただけでなくて、実はそんなに文章が上手くないなんて笑えます。
私なんかが文章を書くべきではないなと思いました。
というか、そんな稼ぎ方をしていた自分が、とても許せなかったのです。
それからというもの、私は文章を終わらせられなくなりました。
書き始めることは出来るのですが、途中で何か怒りのような感情や虚しさみたいなものがこみ上げてきて、やめてしまうのです。
何度もトライしたのですが、なかなか立ち直れなくて。
たまに終わりまで書けたとしても、自分で納得のいく仕上がりとは程遠く、そのまま消してしまうこともありました。
あんなに自分の書く文章に誇りを持っていたのに、
文章を書く自分のことが大嫌いになってしまったのです。
4.「文章を書く私のことは嫌いでも、文章のことは嫌いにならないでください!」
※タイトルは完全にオマージュ、リスペクトです。
文章が思うように書けなくなってから、数年が経ちました。
正直私は今も文章をなかなか終わらせられません。
嬉々として始めたサービスも、取り下げたままです。
小説を投稿していたサイトも、しばらくはそのまま。
何も変わっていません。
でも最近、「また文章を書きたいな」と思うようになりました。
それは完全に、高校時代の先輩がブログを始められたことから刺激を受けたものでした。(先輩大好きめっちゃラヴ……)
やっぱり好きな文章を書きたいし、世の中に訴えたいことも山ほどあるし。
何よりも、嫌いになったのは文章を書く自分なのであって、
文章を書くことそのものではなかったのです。
文章は偉大だなと思います。自分の言いたいことを伝えるツールでもありますし、人を喜ばせたり、傷つけたり、役に立てたりもします。時には学びになりますし、色んな可能性を含んでいます。
私は文章のそんなところが今でも大好きです。
文章が人を傷つけることは、最近のニュースを見ればよく分かります。
文章が人の権利を奪うことも、十分に理解したつもりでいます。
私が文章にのめり込んだきっかけは、「差別を無くしたい」という想いでした。
人が傷つくことを防ぐためであり、人を傷つける気持ちを抑制するためであり、自分に自信を持つためであり、自分の意見をはっきりと世の中に示すためです。
自分よがりなのは分かっていますが、私は過去の自分のその想いは美しいと思っています。
その想いを大事にしたいですし、自分のことが好きだったあの頃の気持ちを取り戻したいです。
これは私にとってそこそこ大きなチャレンジだと思っています。
何度目か分からないくらいのチャレンジです。
文章を書く自分自身をもう一度好きになれるように、私はここにきました。
ブログよりも文章を書いている人同士が近いような気がして、noteであれば続けられるような気もしています。
もちろん上手くいくかは分かりません。
この文章も、3日くらいかけてようやく終わらせられそうな感じなので……。
4,000文字超えって、note的にどうなんですかね。
まとまりがない文章でウッとなってしまうのも、変わっていません。
でも、「文章は基本自己満足」という先輩の助言を胸に、ゆる~くやっていこうとおもいます。
頑張りすぎない程度に頑張りますので、よければ見守ってくださるとありがたいです。
れれれ
サポート後にはぜひ、私のビッグラヴを受け取ってください……!