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【世界で益々の活躍が期待できるCHAIの最新作】アルバムレビュー CHAI 『WINK』


5/21にリリースされた、日本のガールズバンドのchaiのニューアルバムのWINKについての記事です。
※以下のYoutubeでも同じ内容を喋っていますので、こちらも是非ご覧ください。

まえがき

今作のWINKは、USの人気老舗インディ・レーベル SUB POPと新たに契約を交わしてから、初となるアルバムリリースとなります(nirvanaとかも所属していたインディレーベル)。
今作は、これまでの作品同様、自分に対する絶対的な自己肯定や愛を主軸にしていて、題材となっている卓球、ホクロ、そしてドーナツの箱に言及するトラックなどがありますが、その表現がジャンルをまたいだものになっている非常に傑作だと思います!

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これまでのリリース

日本の4人組であるCHAIは、2019年にリリースされた『PUNK』と2017年にリリースされた『PINK』をリリースしています。

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こられは、ポジティブで遊び心にあふれた作品であると同時に、日本の若い女性として常に可愛く見られないといけないというプレッシャーに挑戦した作品でもあります。
ライブでは、アバンギャルドなお揃いの服を着て、ブロックのような振り付けを披露し、その結果、ネオ可愛いというワードを生み出しました。
曲も同じエネルギーを持っていて、例えば非常に高らかに自己を声で肯定したりしていました。

そんな彼女たちでしたがコロナの影響でツアーが中止になり、家にこもっていたCHAIは、音楽活動のペースを落とし、陶芸や犬をテーマにしたインスタグラムのアカウントなどの新しい趣味を取り入れていました。
そして楽曲としてもこれまでのようなアッパーなものでは無く家で楽しむような音楽を作ることにしたそうです。
そういった活動の中で、これまで目立って活動をすることのなかった外部のプロデューサー、今作で参加しているMndsgnやYMCKと共作をすることになりました。
ラップやR&Bをたくさん聴いたとのことで、BLM運動をベースにした『ACTION』などから、その影響は明らかだと思います。

個々の楽曲について

"Donuts Mind If I Do "では、シンセと重ねられたボーカルの靄の中でアルバムが始まります。
この楽曲はシンプルに言うとドーナツに対するラブソングになります。
ドーナツに対する愛をこれまで語った楽曲は無かったのではないでしょうか。
人に対するラブソングじゃなくて溢れるドーナツへの愛を歌にしたってもいいじゃないか!っていう強い感情が伝わってきて、CHAIらしいなって思える楽曲です。

チョコチップかもね、はラッパーのリックウィルソンとコラボした楽曲で。
自分にあるホクロを、クッキーの上のチョコチップだととらえた曲ですが、曲の雰囲気は非常に繊細なシンセサイザーの音色とささやくようなCHAIの歌声でベッドルームポップのような雰囲気。
ホクロっていうのは、このほくろコンプレックスなんだよね、というゆうに邪魔なものとして捉えられがちですが、この曲ではそれをクッキーの中にあるチョコチップのように、必ず必要でとても愛らしいもののように描いています。
リックウィルソンのラップ部分でも、Your moles are what deem you special(ホクロがあるからこそあなたは特別だ) という風に歌っていて、ホクロのような部分も含めて肯定する優しい楽曲になっています。

ピンポンは日本のチップチューンユニットであるYMCKと共作をしたトラックになります。
卓球の中でも浴衣を着て行う温泉卓球にフォーカスしていて、結構ノスタルジックなイメージがありますが、そういった独特の物に美しさや楽しさを見出すのがCHAIは天才だなと思います。

Nobody Knows We Are Funは、2019年公開の映画『ブックスマート』にインスピレーションを受けて作った楽曲です。

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Nobody knows we are fun This is a big issue Nobody knows we are smart
という歌詞は、誰もうちらのことイケてる集団だと思っていないぞやべえやんっていう意味ですが、正にブックスマートの冒頭の流れ。
トラックとしても非常にハウスミュージックのようなパーツが随所にちりばめられていて、とってもセクシーでクール。
誰も彼女たちのことをダサいなんて言う人はいないと思いますね~。

まとめ

前作よりも歌い方がメロー/マイルドになったとはいえ、自己肯定と愛を維持しており、それが一層のこと音楽をとても魅力的なものにしています。PUNKでは、カールした髪、たくさんの友達、ロリポップ、餃子、牛肉を食べることの美徳を讃えていましたが、今作で一貫したテーマになっているのは、食べ物になります。
WINKでは、美、欲望、そして憧れや自信といった抽象的な概念の象徴である食べ物が、彼らの喜びの主要なモチーフとなっています。
コロナウイルスの影響で外食をすることが減った中で、そこにかけがえのなかった喜びを求めると共に、食べることって幸せなんだなと、僕も実感しました。

個人的評価

WINKの雰囲気は、記憶に残るバンガーな曲というよりは一貫して心地よいもので、CHAIの最初の2枚のアルバムのような熱狂的なエネルギーは感じられません。
ただ今作はそういったエネルギッシュな表現方法ではなく、多様なジャンルをミックスさせたトラックリストによってゆるぎない自身の愛情を語っていて、これはCHAIにとって非常に面白い進化だなというように個人的には思いました!!

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Youtubeでもおすすめアルバムのレビューをしています。こちらも何卒宜しくお願いいたします!


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