お悩み別!リファラル採用の取り組み事例のご紹介|ハーモスラボイベントレポート
今回は、「お悩み別!リファラル採用の取り組み事例のご紹介」をテーマに2022年1月26日に開催された、ハーモスラボMeetupで各企業の課題とそれに対しての実践例共有をした、トークセッションの様子を3社ピックアップして紹介します。
※イベントには5社が登壇しましたが、イベントレポート作成に際し3社をピックアップしています
トークセッション紹介企業 3社
JA三井リース株式会社(加藤さん)
株式会社デジタルフォルン(野川さん)
イグニション・ポイント株式会社(河合さん)
ハーモスラボとは? リファラルラボとは?
司会:オルビス 小畑さん
人事担当者なら誰でも参加できるオンラインコミュニティ「ハーモスラボ」。社会における“人事の価値を高めること”をゴールとし、人事同士で情報共有を行っております。
ハーモスラボが目指しているのは相互に高め合うコミュニティです。
各社が様々な施策にチャレンジし、その際にうまくいったことや、いかなかったことをナレッジ共有し、ディスカッションにつなげていきます。悩みを発信し合い、新しい気づきを得ながら、人事全体の採用力を底上げしようと考えています。
今回ご紹介させていただくのは、「ハーモスラボ」の中にある、「リファラルラボ」に参加する3社(JA三井リース株式会社、株式会社デジタルフォルン、イグニション・ポイント株式会社)です。
リファラルラボは、大学のゼミのような小さなグループで、リファラルに興味があると手を挙げたHRMOS採用コミュニティメンバーで立ち上がりました。普段からリファラルに関する意見交換をオンラインミーティングやSlackコミュニティ内で行っており、そこで得た気づき、各社で実践した施策事例をお話したいと思います。
各社のリファラル採用の現状
オルビス 小畑さん
紹介する3社のリファラル採用割合は10%以下。リファラル制度がなく、インセンティブを設けていないJA三井リースと、制度がありインセンティブもあるもののほとんど機能していないデジタルフォルン、採用割合が3社中もっとも高く比較的機能しているイグニション・ポイントが、各社の状況をご紹介します。
リファラル立ち上げから浸透、継続へ。各フェーズでのつまづきポイントや乗り越えるための工夫の事例を、ぜひ持ち帰って各現場でアレンジ、実践して欲しいです。
セッションテーマ1「どうやってリファラル導入する?」(JA三井リース/加藤絵美さん)
JA三井リースには、リファラル制度もインセンティブもありません。リファラル採用率が5%なのは、現場から「こんな人がいる」と個別に紹介が入り入社したケースがあったからです。
こうした個別ケースを広げ、全社共通のリファラル採用手順を整えて案内できるようにしたい。そんな思いをラボメンバーにも相談させていただきました。
参考にさせてもらったのは、意見交換でもらったイグニション・ポイントさんからのヒントです。
イグニション・ポイントさんでは、全社員での呼びかけを社内チャットツールで進めていらっしゃり、求人ニーズがある50ポジションをまとめたスプレッドシートを展開したりと情報共有が徹底されています。リファラル採用の目標と実績を共有するなど、全社で採用を進めていこうという風土は理想だなと思いました。
リファラル採用では、大切な友人、知人を会社に紹介するため、社員も会社のことをよく把握していなければいけません。「自社っていいなと思うか」に対してYesと答えられるように、社員向けの採用資料を作成し、人事が社員との情報格差を埋めていくことが大事だと考えました。
リファラル採用に向けて、HRMOS活用は次のように進めています。
自社の採用体制整備に向けて、社員にとってのボトルネックを見直すことで、案内すべきことが見えてくると感じました。
セッションテーマ2「どうやってリファラルを継続する?」(デジタルフォルン/野川みき子さん)
デジタルフォルンのリファラル制度は2019年2月に生まれ、まだまだ歴史は浅いです。
全社規模で「リファラル採用30%」と目標を掲げ、リファラルイベントを実施したこともありましたが、エンジニアの共感を得られず失速。現場にリファラルを推進するメリットが伝わっていませんでした。
社内告知イベントのポスターを作成しても、現場常駐型のエンジニアには情報が届かなかったり、インセンティブとしてチーム懇親会フィーを出しても事後清算のめんどくさいオペレーションであまり歓迎されなかったり。
そんな悩みをラボで相談したところ、JA三井リースの加藤さんから「うちでは、紹介してくれそうな人に、ピンポイントで紹介登録のURLを伝えている」とヒントをもらいました。社員一人ひとりに採用状況を伝えるために、イグニション・ポイントさんやオルビスさんは「社内チャットで全社員に発信し、紹介依頼をしている」と話しており、当社でも取り組むことにしました。
どんな方を対象にどんな情報発信をしたかというと、まずは管理職メンバーに対してリファラルへのハードルを下げたいという思いがあり、制度説明とリファラル採用の流れを入れたパワーポイントの資料を展開しました。
また、紹介してくれた方の名前や知人の名前、選考フェーズなどを発信し、「実際にこういう人が動いているんだな」と知ってもらうよう、月1回ペースで報告しています。
制度理解を深めるために、チームリーダーが集まるオンライン会議に同席して説明し、アンケートを取って理解状況を確認しています。
今後は、社内報を使って全社員への情報発信を進め、紹介した社員のインタビュー記事や、選考進捗の細かな発信を、広報担当と連携して行っていきたい。どんな人材を求めているのか、社内向けの求人票を作成し、1職種1枚のPDFにして気軽に友人に送れるようなものにしようと思っています。
リファラルの継続には、地道な仲間づくりと地道な情報発信が大切です。
自走にはまだほど遠いフェーズなので、植物に水をあげるようにあきらめずに続けていきたいです。
セッションテーマ5「どうやってリファラルの情報発信をする?」(イグニション・ポイント/河合奈央さん)
イグニション・ポイントでは、リファラル制度を設けており、リファラル前段階の会食補助や紹介後のインセンティブも整っています。採用実績もあるものの、紹介数のアップダウンに波があり、採用を加速させるための情報発信に課題があります。
ただ、あまりに人事がガツガツと進めると、義務感やノルマ感が強まり、社員が引いてしまわないかと不安がありました。
ラボでは「よくわかる」という共感の声や、「インセンティブがあり協力に報いる制度が整っているのなら、そこまで気にしなくていいのでは」「基盤となる信頼関係ができていれば大丈夫では」など、様々な声をいただくことができました。社員に気を使い過ぎだったのかなと、マインドセットを変えるきっかけになりました。
大切なのは、無理なく続ける方法を模索することです。
リファラルにのみ割ける人的パワーもなかったことから、既存の採用業務に組み込み、全社定例、採用定例、入社ごオンボーディングの面談をリファラルの情報発信の場として活用することにしました。
特に入社後間もない方は何かしらリファラルの紹介に出来る候補者とのつながりがあったり、転職を機に知人と連絡を取り合ったりすることが多いと思います。オンボーディングの面談で必ずリファラルについて触れるようにしたところ、そこからリファラル紹介に繋がりやすくなりました。
社員目線に立ち返り、情報発信がどうあるべきなのか、制度の使いづらいポイントを考えてフォローできる情報発信を心がけました。
例えば、「紹介につながらないと、会食費補助を使うのは気が引ける」と、利用をためらう社員が多い点では、心理的ハードル下げるために「(紹介者の)転職温度が低くてもいいですよ」と改めて周知。この点、どこまでハードルを低めに伝えて良いかについても、予め経営陣と話し合い合意しました。
ほかにも、リファラル実績の数値管理を進め、月ごとの実績を社内で発信しています。数字はファクトとしても使いやすく、さらにその数字に「今月はリファラルの紹介がやや少なかったため、来月は今月より1人増やしたいです!」などメッセージを添えて伝えています。ラボでも、「この取り組みはぜひ真似して取り入れたい」という声をいただきました。
まとめ
リファラルラボでは、約4か月間、各社の悩みや進捗を相談し合いながらディスカッションを進めてきました。3社の発表の紹介からは、ラボメンバー同士のヒントやアドバイスが、施策に具体的につながっていることがわかります。
クローズドなコミュニティだからこそ「すべての気づきはラボメンバーのアドバイスから得られた」といえる深い議論ができたと思っております。
リファラルラボの取り組み。これからも、ラボが複数立ち上がり、様々な気づきが得られる場ができていって欲しいと思います。
編集後記
今回記事でご紹介したのは3社の活動報告ですが、事業フェーズ・業界・人事経験期間も異なる5社の人事の方々が、Asis・Tobe、そしてTobeに向けての課題を共有した上で、2週間に一度お互いにフィードバックを繰り返しながら実践してきた活動により、自社リファラルの推進にどう変化が起きたのか、またその中でどのような気付きがあったのかを知ることができる内容でした。
ハーモスラボでは、他社の事例を聞くだけでなく、実践しアウトプットすることでそれぞれの企業の方の、採用活動を変えていくことにつながることが重要だと考えております。
今回の分科会(リファラルlab)の活動は、まさに以下を体現した活動だと思います!
今後、より多くのテーマに活動を広げながら、ハーモスラボから誕生する「Lab(ラボ)」の数が多くなればいいなと思っています。
「Lab(ラボ)」の多くはハーモスラボのなかで開催されている「交流会」をきっかけに誕生していきます。ぜひ交流会に参加しながら、同じ課題を持った方や同じテーマを深掘りしたいと考えている方に出会い、そこから「Lab(ラボ)」の活動へと発展させていただけたらと思います。ハーモスラボ側で発展させるお手伝いもしますので、運営に気軽にご相談くださいね!
それでは、引き続きハーモスラボ をよろしくお願いいたします!
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