ハーモスラボ イベントレポ #5 丨「BtoB企業が工夫・挑戦する採用広報について語ろう!」
「ローカルで候補者への認知が広くされていないBtoB企業は広報が難しい」
「採用広報を始めたばかりで、他社採用担当者と情報交換をしたい」
今回は採用担当の方々からこのような声をいただいたことから、 ワークショップも交えた参加型イベントを開催しました。
オンライン開催ながら意見が飛び交い、盛り上がった当日の様子をハーモスラボ運営チーム佐藤(@sugarflashh)がお届けします。
登壇者・司会
まずは、今回のイベントのメインコンテンツのワークショップ「採用マーケティングをやってみよう」の内容をレポートします。
①「採用マーケティング」をやってみよう
株式会社グッドニュース板倉さんには、採用マーケティングをはじめる上でのカスタマージャーニーマップ作成の必要性と、作成する上で、まず着手すべき「ペルソナ設計」について、ワークも交えてお話いただきました。
▼ご登壇・ワークショップの流れ
▼そもそも「採用マーケティング」とは
最近聞く機会の多くなってきたこの「採用マーケティング」という言葉
どのような意味をもっているのでしょうか?
⇒人事の方とお話する機会が多いのですが、企業様ごとに、年・期・四半期・月次等様々なサイクルで、採用チャネル/要件が変わるので、それに合わせて都度、ターゲットを特定し、期待していることを想定・提供することの必要性と難しさを感じました。
② 有効な「カスタマージャーニーマップ」作成
次に「採用マーケティング」を行っていく上で、有効な「カスタマージャーニーマップ」についてご紹介します
▼「カスタマージャーニーマップ」とは
⇒実は私も社内ワークとして「カスタマージャーニーマップ作成」を行ったことがありました。その際は顧客の行動のプロセスまでに止まってしまっていて、顧客の思考や感情まで把握するところまで至っていませんでした。
このポイントを意識すれば、顧客の感情も含めた体験を可視化できる、もっといいジャーニーマップ作成ができたなと思いましたφ(..)
▼「カスタマージャーニーマップ」の考えは自社の採用活動に当てはめることができる
<カスタマージャーニーマップ採用版>
⇒カスタマージャーニーマップが、よりよい「カスタマーエクスペリエンス」を実現するために使うという目的ならば、採用でもよりよい「キャンディデートエクスペリエンス」を実現するために使うことできそうですね。
③ カスタマージャーニーマップ作成に必要な「ペルソナ設計」を実践!
採用マーケティングを行う背景についてや、カスタマージャーニーマップの有用性をインプットした後は、いよいよアウトプットのカスタマージャーニーマップ作成の実践編に移ります。
<カスタマージャーニーマップ作成の前に、必要なペルソナ設計>
今回はカスタマージャーニーマップ作成にあたり、土台として必要な「そもそも誰を顧客とするのか」という「ペルソナ設計」について学んだ後、実際に自社の採用ペルソナを作成するワークを実施しました。
▼ペルソナの設定方法はこちら
▼ワークの様子
オンライン開催ということで、ZoomのブレイクアウトルームとGoogleスライドを使い、ペルソナ設計の個人ワークと気付きのシェアを行いました。
▼ワークで使用した「ペルソナ設計シート」
<ワークショップ参加者の声をご紹介(一部)>
参加者からはアンケートでこのような声をいただきました。
⇒板倉さんの発表・ワークは、「採用マーケティング」という言葉をより、具体に落とし込んで自社で始めるイメージをもたせてくださるものでした。
「カスタマージャーニーマップ・ペルソナ設計から始めた方がいい理由」と「採用マーケティングをはじめることで得られるもの」は下記だと思いました。
⇒「カスタマージャーニーマップ/ペルソナ設計」から始めた方がいい理由
"自社が求める人材”と期待していることの解像度を上げることできる。
⇒「採用マーケティングをはじめることで得られるもの」について
自社にマッチする人材を探し、応募~入社~活躍してもらうため必要な戦略を練ることができるようになる。
ここからは、LT形式でシェアをいただいた「採用広報の自社での取り組み」についてご紹介させていただきます。
④ LT:センコー平野さんラジオ広告からTwitter活用をはじめた事例について
創業100年を超える老舗運送企業 センコー株式会社 平野さんには、自社の採用広報に関する取り組みを採用広報チャネルの変遷の観点からお話いただきました。
▼センコー株式会社 平野さんについて
▼やっていた採用広報「マス広告の取り組み」
結果:マス施策によりコストは数千万円かかったものの、応募者数増加にはつながらず...。採用広報・チャネルを見直すきっかけに
⇒ドライバーを意識したラジオCMなどはユニークな施策で効果も気になりますが、マス広告は効果測定方法も難しいですよねφ(..)
▼採用広報・チャネルを見直す上で考えたこと
こちらのスライドは、マス広告施策をきっかけに次の採用チャネルを選定する際に考えられていたことのまとめです。
⇒マス広告でのご経験から、採用チャネル選定の観点を整理されていているのが流石だと感じました。また採用チャネル選定には、コストや表示方法が重視されがちですが、それだけではなくて情報の更新の自由度の観点も必要だなと感じました。
▼センコーさんのツイッター(@SENKO_saitama)とやってみての気付き
▼変遷を経て生まれたTwitterアカウントはこちらです。
最新の求人情報はもちろん、現場の様子が伝わる社内の写真やローカル情報も更新されているので、ぜひご覧ください。
⇒平野さんの発表からは、「採用広報において自社が候補者に伝えたい・伝えるべき情報は何かをふまえて採用チャネル選定をすることの重要性」を学びました。
採用チャネルの見直しをしたいと考えている方のチャネル選定のヒントになると思うので、何が今のチャネルに足りないと感じているのか?そして、何を候補者に伝えたいのか?から棚卸しを行うことからぜひはじめてみてください!
⑤ LT:FIXER伊藤さん あえて「採用”狭”報」をはじめた事例について
Microsoft Country Partner of the Yearで日本で最も実績をあげた企業として表彰される等実績のあるCloud Service Vendor 株式会社FIXER 伊藤さんには、自社の採用広報において、広報を1つの媒体へ集中投下した“狭”報の事例をお話いただきました!
<株式会社FIXER 伊藤さん @tsubasa3222 について>
ITエンジニア経験のある人事「ジンジニア」の伊藤さん
「採用“狭”報」をはじめたきっかけ
そもそもなぜ「採用“狭”報」をはじめようと思ったのか?
採用狭報をはじめようとおもった背景について、BtoB企業ならではの視点から、「採用目標の変化」と「その変化について起こったこと」をお話いただきました。
▼採用担当の悩み:BtoB企業のため学生からの認知度が圧倒的に低いこと
そんな悩みを抱える中で、起こったことは、採用目標人数の増加!
目標が3倍以上に跳ね上がった!
目標達成に向けてとにかく露出機会(イベント&メディア)を増やし、なんと目標は達成!!
しかしながら、下記の採用単価UPと一部メディアしか採用に繋がることがなかったという課題も発生しました...。
結果:資源の集中投下を決意し、広報を1つの媒体へ集中投下する「採用“狭”報」をはじめることに繋がりました。
⇒アッパーな目標を達成されたことがまずすごいと思いましたが、ここから生じた課題も手強いですねφ(..)
まず行ったこと:自社が「出会いたい人」を整理し、集中投下媒体を選定
まず「採用“狭”報」はじめる前に、自社が出会いたい人から整理
その後、出会いたい人がいる媒体を選定
(FIXERさんでは、出会いたい人の親和性が高い媒体として、サポーターズさんに媒体を選定)
⇒まさにペルソナ設計で大事な思考・パーソナリティを重視した考え方ですねφ(..)
「採用“狭”報」により生まれるメリット
採用“狭”報 によってFIXER伊藤さんが感じている主なメリットは下記4つ。
⇒ブランドづくりに関しては、自分の就活時代を思い出しました。就活イベントにいくと椅子のカバーや服装が印象的な企業さんありましたね。何度もみているとつい気になってくる心理、わかりますφ(..)
「採用“狭”報」の結果・気づきと改善点
実際に一点集中を行ってみた結果と気付きは下記とのこと。
採用に関わる全ての選考フロー(説明会参加、選考希望、内々定承諾)で良い結果がでているのが素晴らしい&驚愕ですね!!
⇒伊藤さんの発表からは、「自身の会いたい人を整理することの重要さ」「一点集中の中で戦略とPDCAを回すことの重要さ」を学びました。
この採用狭報は、まさに「本当に会いたい人に効率よく会う」に繋がると思うので、今度どのように採用広報を行っていくか悩まれた際には「自社がどんな人に会いたいのか」「会いたい人に会える媒体はどこか?」からぜひ考えてみてください!
⑥ イベントを終えて:学んだポイントまとめ
個人的に学びをまとめるとしたら、下記3点です。
(1)まず行うべきは、自社の会いたい人の整理(=ペルソナ設計)
今回登壇いただいた3社の企業さまは共通して、まず最初に、 自社の会いたいひとの整理=ペルソナ設計 を考え、施策を実行されていました。採用広報をする上で自社のチャネル選定がされないまま行うと、誰からも一定数好かれるけど、自社の会いたい人をつかむことはできないと思うので、まずは、だれと会いたいかをしっかり考えることが必要と思いました。
(2)採用広報の成功は、振り返りと問題点の特定が肝
次の施策を考えるために、行っていた施策の問題点を洗い出し、課題はどこかを明確にして、ネクストアクションに活かしていると感じました。施策を打つだけでなく、一度止まって振り返ることが大事だと感じました。
(3)アウトプットで課題解決のヒントは見えてくる
今回はハーモスラボのイベントでは初めての体験型のワーク形式のイベントでしたが、イベントに参加して現状や課題が見えてきたという声がすごく多くありました。
インプット後、自社に置き換えアウトプットをすることで理解が深まると改めて感じました。
ワークで使用したペルソナ設計シートの例を共有しますので、
是非気になる方は、このnoteの目次「③ カスタマージャーニーマップ作成に必要な「ペルソナ設計」を実践!」を参考にワークを行ってみてください。
以上となります。最後までご覧いただきありがとうございました。
⑦ 本イベント運営をしているコミュニティ:「ハーモスラボ」のご紹介
イベント参加後に加入できるオンライン(Slack)コミュニティもあるので、まずは一度、イベントにいらしてみてくださいね!