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【腐向け】二次小説がちょっとそれっぽくなる「R18」なレトリックの話

前回のコラムでお話しした「レトリック」について、今回は「R18」の観点から書いていこうと思います。

そもそもレトリック(修辞法)とは:文章やスピーチなどに豊かな表現を与えるための一連の技法のこと。

レトリックが、「言葉に彩りを添えることで含みのある豊かな表現へとつなげるための技法であること」、「同じ言葉を繰り返したり、別の表現に言い換えたりして、特定の事柄を強調したり、読者のイメージを膨らませること」ということは、前回にご説明しています。さて、ではこれをR18シーンに用いるとどんな効果が期待できるでしょうか。
R18シーンって、正直いって「やることは一つ」ですよね。撫でて、舐めて、解して、挿入、でフィニッシュみたいな。身も蓋もない言い方をしちゃうとそういうことです。笑 で、少しでも自分らしさを出そう!前に書いたものとの違いを出そう!えっちさを強調しよう!と、創意工夫して作者としては色々考えるわけですが、これがなかなか難しい。だって「やることは一つ」だから。
そんな時に陥ってしまいがちなのが、以下のようなパターンです。

①説明調の単調な展開になってしまう
②過激な言葉やシーンによって、前後の物語と分断されてしまう


①は、「やることが一つ」ゆえに起こってしまいがちな現象です。登場人物がしていることを一生懸命描写すればするほど、「Aして、Bして、次にCして……」とどうしても説明調になりがちです。
②についてもう少し具体的に説明すると、「シーンをただ過激にしてしまう」ことや「過激な言葉選び」「擬音や喘ぎ声の多用」というパターンです。もちろん、これらはキャラクターや世界観にマッチしていれば何の問題もありません。しかし、次のような場合はどうでしょう。

・ラブラブカップルのR18シーンに「犯す」という言葉を使う
・しっとりした文芸調のストーリーの中、R18シーンだけ濁点喘ぎ


これって、ちょっと……NGですよね。繰り返しますが、ご自身の作風やキャラクターとマッチしていれば何の問題もない表現です。しかし、もし「R18シーンをえっちにしたい」だけのために、世界観を無視してそのような表現を使ってしまうと、少し残念なことになってしまうと思います。読者の側から見ると、急に作風が変わったように感じてストーリーに入り込めなかったり、シーンのイメージが膨らまなかったりしてしまいます。

このような「①説明調で単調な文章になってしまう」、「②過激にしようとするあまりキャラや世界観とミスマッチを起こしてしまう」などを回避しつつもしっかりR18シーンを盛り上げることができるのが、「レトリック」です。冒頭でもお伝えした通り、レトリックは文章を彩り豊かにするための技法です。それって、R18シーンにピッタリですよね!

【1】比喩

直喩
「まるで○○のようだ」など、一見して「比喩ですよ」とわかる表現のこと。場面をわかりやすく解説することができます。

例)シーツの上に横たわった身体が跳ねる。
→シーツの上の身体が、まるで陸に打ち上げられた魚のようにびくりと跳ねる。
例)吸上げ、撫で回した素肌が淡い桃色に染まる。
→吸い上げ、撫で回した素肌が、色づく花のように桃色に染まる。

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