【二次創作】二次小説がそれっぽくなる「情感描写」のヒント
大好きな推しの容姿をもっと格好よく、美しく描写したい!自分の考えたストーリーをもっとわくわくドキドキする描写で盛り上げたい!たくさんの人に読んでもらえる二次小説が書きたい、この萌えに共感してもらいたい!そう思いながら二次創作をしている文字書きさんは多いと思います。
そんな思いを叶えるには、「情景描写」を強化することが有効です。一方で、情景描写を苦手とする文字書きさんもいて、何をどんな風に書いたらいいの?と困っているという話を耳にします。
今回のコラムでは、そんな「自分の二次小説に情景描写を入れたいけど、どう表現していいかわからない」「情景描写を書くのが苦手」という文字書きさんに向けて、二次創作で使えて、小説がぐっとそれっぽくなる「情景描写のヒント」についてまとめていこうと思います。
【1】そもそも「情景描写」とは?
難しく考える必要はありません。情景描写とは「キャラクターが周囲の情景をどのように見て、感じているか」を文章で描くことです。つまり、キャラクターが見ている景色、感じている匂いや音を文章にしていけば良いのです。
【2】文章は「景色」を表現するのが苦手
絵や漫画であれば、見たものをそのまま描写することができます。キャラが立っている場所、キャラが見ている景色、何をしようとしているかもわかりやすく見せることができます。しかし、文章はそれができません。もし文章で見える景色を表現しようとしたら、「正面に道幅8メートルの二車線の道路が伸びていて、主人公はその左側にある歩道を一人で歩いている。季節は秋で気温は18℃。主人公の服装は……」とかなりくどい説明口調になってしまいます。
一方で、文章は「読者の想像力を搔き立てる」ことが得意です。見たまま、感じたまますべてを描くことはできなくても、そのことが却って読者の想像を膨らませたり、目に見えない感情まで描き出すことが可能です。だからこそ、「情景描写」を使えることは二次小説を書く上での武器になります。
【3】「情景描写」を上手く使えば、キャラの心情を表現できる
「悲しい」「嬉しい」「寂しい」、そういった感情を表現する時、そのままの言葉で書いてしまうと、ちょっと単調で深みがない感じがしますよね。そんな時に使えるのが、情景描写です。悲しい気持ちを「雨」と重ねたり、嬉しい気分を「キラキラとした景色」で表現したり、寂しさを「秋の落ち葉」で表現したり。このような表現でキャラの気持ちを代弁すると、小説の文章がぐっとそれっぽくなり、読者を引き込むことにつながります。まさに「小説の武器」ですね。
【4】五感を使って表現する
情景描写を描く時は、「視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚」の五感を使って表現します。一番よく使われるのは視覚で、続いて聴覚、触覚、嗅覚、味覚といった感じでしょうか。
視覚が多く使われるのは、一番わかりやすく、伝わりやすいからです。なので、つい視覚の表現に頼りたくなってしまうのですが、意識して他の感覚を加えていくとリアリティが増し、深みのある表現につながります。
このように五感を使って表現する際は、多種類の感覚を混ぜて書かずに「視覚・視覚・視覚→聴覚→嗅覚」のような感じで、感覚の情報をまとめて表現するとわかりやすいです。視覚→嗅覚→視覚と行ったり来たりしてしまうと表現がバタバタして読者が状況を理解しづらくなってしまうので、情報をまとめることで読み手がスムーズに情景を理解できるように書くと良いと思います。
【5】R18シーンの情感描写について
情感描写を使った表現は、R18シーンに対してもとてもおすすめです。キスの時の唾液を「甘い」と表現したり、肌に触れた感覚を表現する「触覚」評者や汗の匂いを表現する「嗅覚」など、五感の使いどころがたくさんあります。直接的な表現や動作の説明だけでなく、五感の表現をたくさん使うことで、シーンのエッチな雰囲気がぐっと高まりますよ!
【6】情感描写の練習方法
日常生活の中のワンシーンを書いてみる、お気に入りの原作(漫画・アニメ)のシーンを文章で表現してみる、素敵な景色の写真や絵、旅行先の景色を文章で表現するなど、情景描写の練習方法は色々あります。楽しんでできるように、「好きなもの」や「身近なもの」を題材にすると良いと思います。
また、表現のダブり、重複を避けるためには、「類語」を勉強して語彙を増やすことが有効です。類語辞典を買うのも勿論良いですし、GooやWeblioの類語検索を利用したり、Googleで「○○ 類語」と検索してみるのも良いでしょう。ぜひ試してみてください。