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【わりと腐向け】長編小説の我流テンプレート
小説を文庫本にするのに必要な文字数は10~12万字、新書で1冊8~12万文字が目安といわれています。 10万文字=400字詰め原稿用紙250枚、 なかなかの分量ですよね。だからこそ、同人文字書きの憧れでもあります。自分だけの萌えが詰まった推しのあれこれを自分だけの一冊に……ああ、一度は出してみたい分厚い小説本。
今日は、そんな「10万文字超の長編」を書く時のプロットの組み方、物語をつくる我流のテンプレートをご紹介したいと思います。イメージとしては、10~30万文字程度、連載なら30~50話程度のお話を想定しています。
【1】プロットは創作の道しるべ
長編であればあるほど、プロットは大切です。途中で矛盾が生じてしまった!キャラが勝手に動き出した!そんな時にぱっと軌道修正できるのもプロットがあればこそ。ざっくりでもいいので、プロットはつくっておくことをお勧めします。
【2】おすすめは二部構成
「起承転結、もう一回承転結」みたいなイメージです。一定の結末を得た後で、新たな問題や新しい展開が発生し、最終的に大団円となるパターン。10万~30万文字というと、正直なところ、書いてるほうも読んでる方もちょっとダレがち。それを防ぐためにも、物語にメリハリをつけるためにも二部構成は有効です。腐向け小説(ハッピーエンド)を例に、具体的な例を以下に書いていきます。(※A=受け、B=攻め)
例1)高校生ABの卒業後をモチーフにしたBL
第一部
【起】二人の関係性や物語の舞台設定を明示する
大学生となったAと社会人として働くB、二人ともひとり暮らし、まだ友人関係だがお互いの部屋を行き来するような距離感
【承】何かしら問題が起こる
同級生だった頃と違い、生活面ですれ違い始める、大学生Aがクラスの女の子にアプローチされる
【転】物語が大きく展開するようなイベントが発生する
些細なことがきっかけで喧嘩してしまう二人
【結】一定の結末を得る、ほっとしたり幸せを感じる場面の演出
BがAに告白、お互いの気持ちを正直に話し合った結果仲直りし、恋人として付き合うことになる
第二部
【承】前の結末が揺らぐような問題が起きる
心身ともに結ばれて幸せなはずが、恋人同士になったことで嫉妬心や独占欲が高まってしまうB
【転】大団円に向けて大きく展開、物語の中で一番大きな山場やトラブル
BがAに別れを告げる
【結】大団円!とにかくめちゃくちゃ幸せにしてあげて欲しい
AがBにプロポーズする、何かと受け身気味だったAが大きく動き、男気を見せる、Bもそれを受け入れてハッピーエンド
例2)戦争・謀略系ファンタジーの原作後の世界
第一部
【起】二人の関係性や物語の舞台設定を明示する
傷を負ったAを連れて逃亡したB、遠く離れた土地で二人暮らし、身体の関係はあるが気持ち的には曖昧な感じ
【承】何かしら問題が起こる
Bの未来を奪っているのでは、自分といないほうが幸せではとAが悩む
【転】物語が大きく展開するようなイベントが発生する
AがBに「別々の人生を歩もう」と告げる、冷たく突き放されて動揺するB
【結】一定の結末を得る、ほっとしたり幸せを感じる場面の演出
BがAに思いを告白、曖昧だった関係が一気に進展して恋人関係になる
第二部
【承】前の結末が揺らぐような問題が起きる
追っ手が迫り、平穏が脅かされる
【転】大団円に向けて大きく展開、物語の中で一番大きな山場やトラブル
新しい土地で出会った人々がABを守ってくれる、巧妙な作戦で追っ手を退ける
【結】大団円!とにかくめちゃくちゃ幸せにしてあげて欲しい
新しい土地で新しい役割と生きる意味を見いだす二人、明るい未来を予感させるハッピーエンド
と、こんな感じのテンプレートで書いています。第一部で得た幸せが二部でいきなり脅かされてしまうのが可哀想なのですが、より大きな困難を乗り越えることで大団円へと向かう流れがお気に入り。さらに、第一部ではA、第二部ではB、とそれぞれが頑張る展開にして見せ場をつくるとよりメリハリがついて書きやすいと思います。
【3】削ぎ落とし、もったいないけど削ぎ落とし
「一方その頃」と書いてしまいたくなるのが、二次小説。キャラへの愛ゆえにあれもこれも書きたくなってしまうのです。しかし、そこは我慢も必要です。キャラをたくさん登場させたり、「Aがこれをしていた時、Bはこう考えていて」と膨らませていくと、物語が散らかってしまいがち。ストーリーが前に進まなくなってもたついてしまう原因にもなります。さらに、一番怖いのが「長くなりすぎて書き手自身が飽きてしまう」こと。「一方その頃」や主人公以外のキャラクターについては可能な限り削ぎ落とし、ストーリーを前に進めることを優先する方が良いと個人的には考えています。それでも書きたい「一方その頃」や脇役たちの活躍は、「番外編」を使うのがお勧めです。読み手が気になっていたことを解説したり書き足りない萌えを補完するにはもってこいの「番外編」、オンライン連載を書籍化した時に書き下ろしで加えるのもいいかもしれません。
文庫やB6の分厚い同人誌を手にした時の喜び、どこを開いても推しばかりの長編小説を読む喜び。それが自分の萌えがたっぷり詰まったものであれば尚更だと思います。長い物語を書くのは根気がいりますが、完成したあかつきには、何度も読み返してしまう大切な宝物になるはずです。いつかどこかで新しい物語が生まれる一助になれば幸いです。
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