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浅草のしょっぱい思い出。

明日はブリグレを見に浅草に行くので
この間あった、僕の浅草の思い出を書く。

G.W.初日のことである。

僕は地元の友人と浅草で昼呑みを楽しむという
素晴らしき休日を過ごしていた。

最高に最上で至高の
めくるめく黄金休日体験の締めとして
我々は浅草といえば、の、もんじゃ屋に入ることにした。

さすが、コロナ明けのG.W.初日。
浅草のもんじゃ屋はどこも軒並み混んでいたが、奇跡的に空席のあるお店にパッションエンカウントし、入店した。

なにやらそのお店は店員さんがテーブルに来て
もんじゃを作ってくれる方式のようだった。

そして、僕たちのテーブルに来てくれた店員さんは、
バキバキの美女であった。

こんな美女にもんじゃを作ってもらえたら
さぞかし美味かろうと色めき立つ我々。

しかし、その美女店員。

殺人的に愛想がない。

「じゃあ今から作りますね」

みたいなの一言あってから作ってくれてもよかったと思うけど、なんもなし。

無言。無表情。

無言で我々の卓に現れて
無表情でもんじゃを作る。


"生きるために、ただ、もんじゃを焼くしかなかった。"

そんな悲しい過去を背負った無慈悲なサイボーグもんじゃ焼き師なのかな?みたいな。

でも、腕は確かだ。

「ワージョウズダナー( ;∀;)」

とか言ってみたりもしたが、完全無視。

すごい。

無視のプロ。

無視師。

察するに、
美女すぎて客からナンパまがいの絡みをよくされるのだろう。
その自己防衛としての徹底究極完全無視。

こんなに近くて遠い距離ってあるんだなとか
乙女みたいなこと思うぐらい無視。

まぁそんなこんなで、
鮮やかな無視に見惚れているうちにもんじゃは完成したんだけど、

卓を離れる前に
たった一言だけ、
ボソボソっと彼女が残した言葉が




「目玉焼きになります」



え?


と思ったが、聞き返す間もなく
すでに彼女は颯爽と卓から立ち去っていた。

なんか、言ったな。
ぐらいにしか聞こえなかったけど、
何を言ったかと言われれば、確かに、

「目玉焼きになります」

だった。

友人との議論の結果、
めちゃくちゃ好意的に捉えると

「お召し上がりになれます」

かな?みたいな。

たぶんだけど、
無慈悲にもんじゃを焼き続ける日々に嫌気がさして

水曜日のダウンタウンの

"『お疲れ様でした』を『狼に育てられました』って言ってもバレない説"

みたいな検証を、
楽しんでいたのではないかみたいな結論にまで辿り着いた。

もんじゃの味は、少し、しょっぱかった。

おわり。

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