【学マス】学園アイドルマスター GOLD RUSH 第2話 備忘録【ゴルラ】
前回のあらすじ
自称天才の怪しいお姉さんに見初められ、藤田ことねの伝説が幕を開けた。
ストーキングの天才
冒頭はプロデューサー科の授業風景から始まり、十王学園長や亜紗里先生がプロデューサーに必要なものが何かを生徒達に説いている。
そこから学園の紹介へと移り、並行して犬束Pが 女誑し モテモテであることが描写される。これも天才の為せる業といったところか。
さて、犬束Pの天才性については前記事で触れたとおりだ。
彼女は何かしら天才たる所以を持ち、それは学園内の共通認識であるが、読者にはそれを裏付けるような実績が明示されていない。
その所以を考察するため、以下に3つの可能性を提示する。
いずれかに該当すれば、犬束Pの天才性や人物像が見えてくるはずだ。
犬束Pは大学1年生(去年度)の内に何かしら実績を挙げ、実は大学2年生である。冒頭のシーンは、彼女にとって大学2年生での初授業だったという可能性。
犬束静紅は高校時代にアイドル科へ所属しており、亜紗里先生とも旧知の仲だった。その時点でプロデュースの才も持ち合わせていたため、プロデューサー科へ進学したという可能性。
犬束Pは既にプロの世界では天才と呼ばれており、その噂が届いている初星学園へと入学する。現在はプロデュース能力を更に磨くため、大学生として研鑽に努めているという可能性。
まず1の可能性について考える。真っ先に思いつくのは、アイドル科の生徒をプロデュースし、優秀な結果を残すことだ。
しかしそれだと、新たな疑問が湧いてくる。担当しているはずのアイドルはどうなったのか?という疑問だ。
アプリ版を遊んだ所感だが、アイドルとプロデューサーの関係は一蓮托生と言っても過言ではない。
もっと平たく、大袈裟に表現すれば、一生私の隣で支えてほしいと暗に言っているも同然ではないか?と考えてしまうほどに、アイドルからの強い信頼、ひいてはそれ以上の感情が伝わってくる。
1年間のお試し期間を過ぎれば関係を即解消するビジネスライクな付き合い方がコミカライズ版での常識であり、アプリ版のような強い結びつきのほうが稀有であると言われたらそれまでだが、アイマスらしさを尊重するとそれは考えにくい。
上記を踏まえ、筆者はこの説を否定したい気持ちが強い。が、完全に否定はできない。
次に2の可能性ついて考える。これであれば亜紗里先生と親しい間柄であることにも説明がつき、天才という肩書きにも一定の信頼が生まれる。
しかし、これもまた新しい問題を引き起こしてしまう。
仮にことねと犬束Pの年齢差が3~5歳ほどであれば、ことねが中等部に在籍し、赤点常連かつバイト漬けの日々で苦しんでいた時、高校生である静紅がなんのアクションも起こしていないことに不自然さが残るのだ。
ゴルラ2話終盤にて、彼女はことねにとってプラスになる働きを見せている。自尊心を満たしてあげ、金銭問題も解消しているのだ。
中等部の後輩であり、顔なじみであるはずのことねが苦しんでいるのを知らんぷりする薄情女にはとても見えない。
では、仮に以下のようなやむを得ない事情があった場合はどうだろうか?
高校時代はことねが同じ学園内の後輩であることを知らず、大学に進学してから生徒名簿などを見て気付き、慌ててフォローした。
一高校生が人様の問題に首を突っ込むべきではないと考え、プロデューサーと担当アイドルという関係になってから本格的にフォローしようと考えていた。
どちらにせよ、気付けなかったor助けられなかったことを真っ先に謝罪するのが惚れ込んだ女への筋というものではないだろうか?
きちんと謝りさえすれば相手に誠意は伝わるし、"信頼"を積み重ねやすくなるだろう。読者への印象もよくなるはずだ。
けれどそうはしていない。つまり、後ろめたさが一切ないのだ。であれば、初星学園のアイドル科に所属していた先輩という線も怪しくなる。
(開き直って成果で黙らせる性悪女ということなら話は別だが、それは流石に悪いイメージありきで語り過ぎなため今回は考慮しない。そもそもそんな造形のオリキャラを登場させているとしたら、猪ノ谷先生のセンスを疑う)
以上の観点から、2の説もあまり支持できない。
最後に3の可能性について考える。こちらは亜紗里先生のSRサポカコミュでも触れられており、信憑性が高い。筆者は残念ながら所持していないため、他の方がアップしていた画像および動画を引用させていただく。
これであれば『ことねと再会するまで、彼女は一体どこで何をしていたのだろうか?』に対するアンサーにもなる。つまりこうだ。
大学へ学び直しに来た矢先、たまたま高等部にことねがいることを知った犬束Pは、商店街まで跡をつけることにする。その後、ライブを終えて涙を流すことねへと近付き、貴女をプロデュースしたいと申し出たというわけだ。
プロデューサーという生き物が何とも度し難く、一歩間違えば不審者になり得ることがよく分かるだろう。
長々と語ってしまったが、
犬束Pはプロの世界で実績を上げ天才と呼ばれるようになった。初星学園における二人の再会は偶然かつ、ストーキングの賜物だった。なお、亜紗里先生と親しそうにしていた理由は不明
というのが筆者の結論である。
花岡ミヤビ、襲来────
次はことねのクラスメイトである花岡ミヤビにフォーカスする。
彼女はアプリ版にも登場するいわゆるモブキャラだ。しかし、名前と申し訳程度のグラが用意されている。
コミカライズ版の見た目は、アプリ版のグラを参考にしていると見て間違いないだろう。
彼女曰く、ことねは犬束Pを誑かし、試験ではズルをしてA判定を取ったに違いないとのこと。風評被害も甚だしい決めつけだ。その争いを遠巻きかつニヤつきながら見守るだけで、犬束Pは積極的に仲裁や弁明には入らない。
かと思えば二人を教室の外へ呼び出し、『この子(ミヤビ)もプロデュースしていい?』と爆弾発言をかます。
そこからは怒涛の勢いでオーディションの日程を伝え、ことねが負けたらミヤビ専属のPになることに合意する。ことね本人は一連のやり取りに対し強く拒否感を示していないので、黙示の合意があったと見做されたのかもしれない。
その後、犬束Pからことねに課されたミッションは『10日間バイトも練習もするな』というものだ。この流れはアプリ版でも登場するものの、時系列や描写等が大きく異なる。
メディア毎にストーリー展開や演出プランが異なるため、優劣や是非については論じず、ここでは軽く触れる程度に留めておく。
最終的にことねは十全のパフォーマンスを発揮し、見事オーディションに合格する。一方の花岡ミヤビは、犬束Pの指導は完璧であり負けたのは自分の実力不足であると恥じ、その場を走り去っていく。
一応彼女の名誉のために補足しておくと、徹頭徹尾嫌な奴というわけではなく、高い志とぶつかった相手に手を差し伸べる良識を持ち合わせた普通のふつうでフツウな女の子である。
ここまでストーリーを読み解いて来たが、内容自体はわかりやすくまとまっている印象だ。が、まだ少し疑問やモヤモヤとした気持ちが残っているため、次の章で深掘りしていく。
マーケティングのターゲット層
この雑誌を購読しているメイン層は一体誰だろうか?
無論、週チャンを元々読んでいる層である。正確な男女比については不明だが、『弱ペダ』などを目当てに女性読者が多いらしい。
かなり眉唾な情報だが、女性が少年向け雑誌を読むこと自体、そう珍しくない世の中になっている。週刊少年ジャンプなどがその最たる例だろう。であれば、週刊少年チャンピオンに一定の女性層がいても何ら不思議ではない。
こういった背景を踏まえると、第2話が今回のようなシナリオになった事情が見えてくる。おそらくだが、ゴルラを週チャンの看板として育てるため、女性層にウケるシナリオを構築しようと試みたのだろう。
では、女性が喜ぶシナリオとは何だろうと考えてみる。
モテモテのスパダリキャラが主人公(女)だけを溺愛する
初印象がサイアクだった奴と徐々に親密な関係を築いていく
主人公(女)が対立キャラ(女)に実力を見せつけ鼻を明かす
筆者は男であり、レディコミなども嗜んでいないため、偏見で語ることをどうかご容赦願いたいが、そこそこ的を射ているのではないだろうか?
(とはいえ、女性向けというバイアスが掛かっていることに留意が必要であり、男性向けの作品でも上記のような要素は散見される)
話を戻すが、例で挙げた要素はそのままゴルラにも当て嵌まる。
つまり第2話は、女性向け漫画のフォーマットに落とし込んでストーリーを展開していたと考えられるのだ。
そうすると様々な疑問やモヤモヤが晴れ、作者の思惑も見えてくる。
主役をそっちのけにして犬束Pがモテることを描写し、そんな彼女に気に入られていることねの評価を相対的に上げたかった
モテるPを奪い合うという分かりやすい対立構図に落とし込み、物語に起伏を生みたかった
一方的かつ決めつけで突っかかって来たミヤビに自ら負けを認めさせることで、同情の余地やアフターフォローの必要性を感じさせないようヘイトコントロールし、ことねや犬束Pを悪者にするのを防ぎたかった
この考察が正しいかは定かでないが、ストーリーを読み解く一助になれば幸いである。
その他に言いたいことがあるとすれば、ことねの同意を得ずに対決する流れへ持ち込んだことと、様々な説明を怠るのはいかがなものか?とだけ付け加えておく。
学園のあれこれについて
後回しになったので最後に軽く触れておく。
まずは生徒数について。
一般的にテストの順位は学年別で掲載されるはずという前提で考えると、128人を4クラスで割って32人となる。高等部は今のところ1〜3組の存在しか語られていないが、中等部は1クラス多いのかもしれない。
では、教室の広さはどのくらいなのか?
パッと見、20人しか座れなさそうだ。中等部だけ3人掛けという可能性もある。少子化の時代にたくさんの入学希望者がいて、学園としてもホクホクだろう。
と、ここまで書いてみたが、流石に無理があるように思えてきた。もしかすると、1〜3年の全員で共通の期末テストを受けているのかもしれない。
3つの学年で128人を割ると、1学年が約43人となるため、1~3組でほどよくバラけることができるだろう。こちらの方がしっくりくる。
3組の流れついでに、こちらのコマと賀陽燐羽についても触れておこう。
自然に考えれば、花岡ミヤビより前にいるキャラ達がNo.1~3ということになる。シルエットからしてSyng Up!の面々だろう。高低差がそのまま順位の役割も果たしている。
2位のポジションに立つツインテール娘が件の賀陽燐羽だと推察される。
彼女はまだ名前しか登場しておらず、容姿についての情報はコミカライズ版が初解禁である。
断片的な情報からも曲者ぶりが伝わってくる。個人的にはコテコテのツンデレキャラが学マスには不足していると考えているため、彼女にはそういったキャラ造形を期待したい。
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