続 転勤になったらついて行きますよ
まだ決まってもない転勤話をした後で、
なんだか彼の様子が変。
「ねぇ、首のとこどうしたの?キスマーク?」
?
「赤くなってる」
あ、そういえば、ヘアアイロンの火傷だ…
「アイロンの火傷だよ。忘れてた」
彼に逢う前日、美容室に行って短めボブにしたので、うなじの辺りが見えて気付いたようでした。
「本当?痛い?」
「大丈夫だよ、3.4日前だから」
部屋が暖かくなってきたので、着ていた上着を脱いでハンガーにかけていると、彼が急に後ろからハグ。
「どうしたの?急に」
「どうもしないよ。ぎゅってしたかっただけ」
そういうと、彼は唇を私の首筋に沿わせ、赤くなっているところに唇を当てました。
それから珍しく少し強く吸いついたりしてきました。
彼はお願いしてもキスマークなんてつけてくれない人。
「どうしたの?キスマークついちゃう」
「だめ?」
「見えるとこはダメ。コウさんだってそう言うでしょ?」
「だったらこっち向いて」
そういうと、私を抱き上げベッドに連れて行きました。そして、私の頬に手を当てながら
「ヒロのこと全部好きだよ。心も体も全部ヒロに夢中になってる。全部俺の宝物」
「ありがと。全部コウさんのものだよ」
「宝物はね、大切に大切にするって決めてる。だからヒロの事、これからも大切にしていくからね。俺がいつもピカピカに磨いて、だれにも触れさせないから」
それからの時間は、彼の優しい指使い、言葉、ぬくもりを全身で感じながら、彼の全てを受け入れました。
たくさんの愛を受け、全身の力が抜けてしまったような感覚を纏ったまま、彼の腕枕で少し休んでいました。
「さっきね、首筋の跡を見つけた瞬間、心がグッて痛くなった…。
よく見たら違うってわかったけど、あんな気持ちになったの初めてだったから。
ヒロがどこか行っちゃうって…」
「どこにも行かないよ。
コウさんと同じお家には帰れないけど、私はコウさんしか見てないから。
これからもコウさんのだけの彼女だよ」
「俺、こんなに不安になったりヤキモチ妬いたことないかも」
「コウさん、ありがと」
「ありがとじゃないよ。
ヒロの方が今日の俺みたいな気持ちになってること多いんだよな…。
なんかごめん。
分かってるつもりで、分かってなかった」
「私は我慢しないで、コウさんに言っちゃうからね😅」
「言わなくも、顔見てたらわかるよ」
「実はちょっと嬉しいな。
私もコウさんにちゃんと好かれてるんだって実感できた😊」
「大好きだよ。
離れるなんて考えられない。
だから、転勤になったらヒロが毎週来てくれるって言ってくれて、マジで嬉しかったよ」
「奥さんの代わりも、私じゃないとできないことも、ぜーんぶ私がしてあげる😊」
「嬉しいな。
…ねぇ、ヒロもう1回、ダメかなぁ」
来月には5年目に入ります。
お互いの生活もいろいろと変化してきて、その都度、大きな不安に押しつぶされそうになった事も多い4年間でした。唯一変わらないのは、
「ありがとう」
「好き」
「愛してる」
「嬉しい」
この4つのプラスのワードをたくさん言葉で伝える事。
これからも2人でのんびりと、焦らずに小さな幸せをたくさん集めていきたいと思います。