Raise your Flag Day 3

こんにちは、Raise your Flag 10期のばばちゃんです!

実践準備のため、更新が遅れてしまいました。

今回はワークショップに必要な4つの要素を紹介していきます。

それでは今週もLet’s get started !

ワークショップとはいったい何なのか


4つの要素を伝える前に、そもそもワークショップは何なのかをおさらいしていきます。ワークショップとは体験型講座とよばれる活動で、参加者が主体的に体験を通して学びを発見し定着させるものです。ワークショップの経験自体が少ないので、近いイメージとしてアクティブラーニング?のような活動だと整理して次に進めていきます。

ワークショップで必要な4つの要素とは

1.ねらい

ワークショップを作るうえで「誰のために、何のために場を創るのか」というねらいを定めることが重要です。なので、場を創る前に、最終的にワークショップを通して参加者がどのようになっていてほしいか着地像を決めて活動内容を構成していくことが求められます。

1-1 視点


狙いを定めていくにあたって2つの視点を考慮しておく必要があります。一つは「参加者の視点」です。参加者の視点とは、参加者自身がどんなことに興味関心をもっていてどんなことを学んでみたいと思っているか、どんなことに困難を感じていて、それをどのように解決していきたいか等の参加者の現状の立場や抱えるニーズを把握する視点であり、ヒアリングを通して相手が思う・感じる・考えていることを理解し、設計するワークショップが相手のニーズに合ってるかどうかを判断していきます。二つ目は、「全体の視点」です。全体の視点は、参加者が最終的にワークショップを通してどんな状態になりたいかに狙いを定めて設計をしていく視点です。

1-2 ねらいを定めるときの5つの罠

1.自分本位になる(自分だけに都合の良いワークショップ)
2.手段の目的化(本質的な課題解決でなく手段の導入が目的となる)
3.ネガティブ・他責(後ろ向きなことをねらいに定める)
4.優等生問題(良いと考えられている課題)
5.壮大(課題自体が大きすぎて具体的に考えられない)

以上の5つがねらいを定めていくうえで注意しておくべきpointsになります。

ここでは、自分本位、手段の目的化、優等生問題について補足説明していきます。
 一つ目の自分本位は、ワークショップの場が「誰のためで何のための場」かを考えること、自分の知識や経験を伝える場を創るのであれば、参加者が内容についてどの程度興味関心があって理解しているのか等、参加者のニーズ踏まえて嚙み砕いた説明を行っていくことが大事だと言えます。

 また二つ目の手段の目的化は、ある目的を達成するために様々な手段がある中で一つの手段に固執し、目的やその場の環境、参加者の視点に即さない実践を強行してしまう現象です。回避するためには目的の文中に特定の手段を含まないことで、目的は一つだけれど手段は複数あるという意識をもつことが重要だと個人的に考えます。

 四つ目の優等生問題は、具体的な例をあげて説明していきます。例えば、挨拶をとりあげると、一般的に挨拶=当たり前の行動ですが、実際には挨拶をする人としない人が一定数います。仮に問いとして、学校で生徒に地域の人へ挨拶をするためにはどうしたらいい?を聞き、みんなが地域の人へ挨拶をするべきだという意識の高い返答が来た場合、本当にそれだけで挨拶の問題が解決ができるのでしょうか?(一時的には効果があるけれど根本の解決にはなってない)ここでは挨拶を上げましたが、いじめの問題やごみの分別問題など当たり前のことや誰もが答えのわかる社会問題に対して、するべきだ・絶対しないという答えを個人レベルでもっていても、現実では解決できていない問題=優等生問題対して取り組む場合は、ねらいに課題の答えを含めてしまっては本質的な解決や思考の活性化には至らないということになります。

2. 全体構成

ワークショップを創る際、全体構成のバランスは非常に重要になってきます。基本の全体構成として「導入」-「メイン」-「まとめ」があります。
(授業設計に似ているイメージをもつとわかりやすい)

基本の全体構成
導入     アイスブレイクやルール説明など
メイン    メインの活動
まとめ    感想の共有・学びの共有

また、全体構成を考えるうえで順番とつながりを考えていく必要があります。つながりとは、各段階間の活動内容やその手法、難易度に段階的に慣れて最終的な活動の質が高まるよういくつかのstep を立てて流れをつくることと言えます。(個人的に上手に説明できてない所ですが、イメージとしてはScafoldingに近いのかなと思いました。)

scaffolding is a ‘process that enables a child or novice to solve a problem, carry out a task or achieve a goal which would be beyond his [sic] unassisted efforts’
意訳:参加者が課題を解決するため、ファシリテーターの助け無しで主体的に作業を実行し、目標を達成できるようにするプロセス

The Role of Tutoring in Problem-solving. Journal of Child Psychology and Psychiatry
Wood, Bruner, and Ross (1976).

また、全体構成はワークショップの目的によって変化します。
例に自己内省のワークショップでは以下の構成をイメージして順番やつながりをもった構成を作ります。

3.世界観

3-1 グランドルール

グランドルールは、場づくりをのために参加者が守るルールですが、同時にるーるがあることで、場の雰囲気(世界観)を創ることができます。

ルールを作る際に重要な要素として、行動基準と禁止事項があげられます。
ルールの内容が意識づけだとしても、実際に活動中その意識を維持し続けることって難しいですよね。なので、意識づけをするにしても具体的にどういった行動を通して意識づけを図るのか明確にする必要があります。これが、行動基準です。また、禁止事項とは、場や世界観を守るためにやってはいけないことを指します。これら二点の要素を含むルールは、場づくりの環境を整備し、参加者に共通認識を与えます

3-2 設定

設定とは、人・空間・物・活動に何らかの意味を与えてワークショップの世界観を強化することです。例えば、意見を出し合うワークショップであれば、発言する人がなにかぬいぐるみなど物(発言権の象徴)をもつことがあげられます。また、自室を利用した自己理解のワークショップでは、部屋の左端(スタート地点)→ 部屋の右端 (達成時)というように移動距離(進歩度)となる例もあります。

設定の4要素

個人的には、この設定の内容に関してしっかり理解ができていないので、次回は物や行動にどういった意味をつけるのか、置き換えの仕組みを明らかにしていきたいです。

4.空間

空間は、場の「雰囲気」を決める重要なものです。理由は、人は場の雰囲気に合わせて自分を変える生き物だからです。場の雰囲気が活発であるほど、意見を出し合う主体性が表面化していったり、反対に雰囲気が静かだと落ち着いて集中していったりと置かれている場によって姿勢や態度がガラリと変わります。そのため、ファシリテーターは、どういった場づくりをしたいか、どういった姿勢で参加者に活動してもらいたいかをを考えて空間を設計していく必要があります。

雰囲気をつくるには3つの要素、照明、BGM、声のトーンで構成されます。

照明は、明るさ・暗さによって 人のテンションや距離感を変化させます。明るいほど活性化した場ができ、暗いほど落ち着いて内面と向き合う場ができあがります。また、音楽の選曲や音量によって、参加者の感情が左右しまし、楽しい・悲しいなど高低差が生まれたり、活発に・落ち着いて作業に取り組むのか姿勢や態度も変化します。そして、声のトーンについては、ファシリテーターの声次第で場の空気が決まります。高くて大きな声だと明るい雰囲気や活発な印象を与えますが、低くて静かな声だと落ち着いた雰囲気で場に合った発言が増える傾向があります。ここまでで、3つの要素を上げて説明しましたが、最終的には自分自身がどういった場を誰を対象にどのような活動を行っていくか、ファシリテーター視点と参加者視点(一度ファシリの視点をゼロにする)の両方の視点から空間設計をすることが重要だと思いました。

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