アートについて考えてみた
芸術って、あくまで個人的見解ですが、だいたい3タイプのモチベーションで作られているように考えてます。
1 自己表現
詳しく説明すると長くなるが、大雑把に言うと、1は文字通り自分を表現するもの。内面だったりセルフヒストリーだったりなんでもいい。これがぁああああああ!!!!!俺だぁあああああ!!!!!!と暑苦しく叫んでるもの。
2 世界を更新するもの
2番目はとにかく新奇でフレッシュなもの。大衆をびっくりさせるもの。森羅万象のリストに新たな項目を付け加えるもの。これは1と比べて他人の欲望に沿っているとも考えられるから、市場主義的かもしれないが、方角を間違えれば、見向きもされずに朽ち果ててしまう。近頃では、アーティストよりエンジニアやビジネスマンがこちらを体現してる気がする。
3 本質に迫るもの
自分にも時流にも関係なく事物の本質に迫ろうとするもの。宗教者や数理学者に近いかもしれない。グルジェフの言う客観芸術。このカテゴリーで思い出すのはいつもジャコメッティのこと。それも人物を正面から描いたモノクロのドローイングは強烈だよね。
どれもアートだけれど、そのコンセプトはまるで別のジャンルといってもいいくらいだと思う。とはいえ、1~3は混在複合しており、どれと言い切れるものでもなかったりもする。
小説だと1と2になっちゃうかもしれませんが、もし造形や色彩を通して僕が何かを探求するなら、やっぱり3番目になるかな。求道者って憧れる。
それも、何か二つの領域の境目を探ることに興味があります。
具体と抽象
自然と人工
無為と作為
これらの境界、そのハイブリッドゾーンに何かがあるような気がする。別の次元への飛躍のようなものが。
原始時代の矢じりなんかを見ると、自然の石のようでもあるし、人間の加工物のようでもある。スマホやガードレールと違って判然と人工物だとわかるわけじゃない。昔から、そんな曖昧に揺蕩う領域に興味があった。
アートは、そんな逆説と矛盾のパズルを引き受けるかに見えて、どこかいつも心もとない。