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社内への IT 教育、どんなことやってる?

はいこんにちは、ふらふらさんです。年明けからトップスピードでドッタンバッタン大騒ぎしており、note の更新を後回しにしておりました。

さて。

いつもお世話になっている 情シス Slack で「社内への IT 教育」が話題になりました。社内 SE として、総務として、先輩として。人に教えたり一緒に考えたりするという経験をそれなりにしてきました。

それも情シスの仕事なの?と問われれば、私は「そうですよ」と答えます。

IT へのリテラシが高まれば、セキュリティが維持できたり、業務改善を思いつくような人を増やしたりすることができるからです。なにより、そういうところでコミュニケーションが発生するというのは、働く上でとても大事なのです。

閑話休題。

「IT に関する教育」なんていっても、ターゲットのレベルも年齢も性別も地域も出身もそれぞれ。なので、普遍的に「こうすべきだ!」と大上段から構えた話をするつもりはありません。個人的に「もしかしたらコレが大事なんじゃないかな?」と思ったことをお伝えしたいと思います。

今回は 3 つの成功事例を以下の 4 つの切り口から分析していきます。

どんなターゲットに対して
どんな意図を持って
どんなことをして
どんな結果が得られたか

そこから共通点を導き出し、なんで私が「コレが大事なんじゃないか」と思ったかを説明していきます。ので、長文面倒くせえ…と思った方は結論だけ読んでいただけるとよいかな、とおもいます。

■ 高齢者向け:大人のパソコン教室

印刷業界にいた頃の話です。

有り余る紙切れ、裏紙を用いて管理していた工程をついに電子化することになりました。パソコンが導入されるよヤッター!

…そこで困ったのは爺様たち。そんなゲームみたいなので仕事ができるか、そもそも触ったこと無いからできねぇよ、若い衆に代理で入力させればいいじゃねえか、俺たちはやんねーぞ…などという声が上がったとのこと。

それを聞いた私は、ちょっとしたを企画をたてたのです。あれはセミがじわじわと鳴く夏の盛りのことでした。

・ ターゲット
 比較的高齢の爺様。パソコン経験は殆どなし。

・ 意図
 パソコンに慣れてもらう・楽しくて便利なものだと思ってもらう。

・ どんなことをしたか
 クーラーの聞いた部屋で 1 時間だけ付き合ってくださいとお願いしました。そのときに私が話したのは「高校野球の生中継の見方」です。
あまり良い話ではないのですが、社内でどの高校が優勝するかというトトカルチョが開かれてたんです。業務中にも関わらず、かつ、ラジオを聞いてるわけでもないのに、若い衆は「へへ、今日は○○高校調子いいですよ、もう 2 点差ッス」なんて話しかけてくる。俺らも知りたいじゃあねえか…というところを突きました。

相手の高校のこと、ルールのことについては検索すれば出てきますよ…というのを実演。おおこれ便利だなあと思ってもらったところでいろいろ触ってもらいました。まあその、男ですからね、スケベなサイトの検索もできるのかという問いに私秘蔵の動画サイトを共有して場が盛り上がったのは言うまでもありません。(当時はまだ xvideos なんてありませんでした)

・ どんな結果が得られたか
 結果、爺様たちがネットサーフィン(って懐かしい言葉ですね)する時間が増えました。パソコン台数もこっそり増やしておきました。

職人だけに、仕事だけはきっちりやるだろうと思っていたらそのとおり。問題のない範囲でサボってくれていたようです。
 ちょっと調べればパッと情報が出てくる。私含めた若い衆がやりたいことってこういうことなんスよというのを体感してもらえたからか、比較的すぐ「入力の電子化」は達成できました。やったぜ!

■ 若手向け:手柄を全部持ってってもらう

 基幹システムがまだ COBOL ベースな職場の話です。通常業務をこなすだけなら全く問題ないのですが、業務改善をしようとすると、この基幹システムが邪魔になります。ちょうどシステム更改の時期も来たし、モダンなシステムに切り替えようという提案をしてみました。

導入はできたものの、移行には大変な問題がつきまといました。業界素人の私と、業界玄人の現場の対立。まだクソガキだった私はうまくハンドリングできずに悩みまくったり怒ったり泣いていたりしてました。

そんなとき、新システムに興味を持ってくれた女性が現れました。これって…ああ、ここをこう解釈すれば業務に合うはずですよとにこやかに微笑むその子は、私にとってはいろんな意味で女神でした。

・ ターゲット
 成長期真っ盛りの事務方女性。Excel 関数はできるよというレベル

・ 意図
 新システムのエバンジェリストになってもらい、現場の熱量を高める。

・ どんなことをしたか
 進捗報告、社内全体に通知するなど、様々な場で「その子がこういう事やってくれました。使ってみてください」と喧伝しました。もともと社内の老若男女に好かれていた子であったこともあり、徐々に「その子が言うならしょうがねえなあ」という空気感が流れるようになりました。その子の上司も巻き込んで、大急ぎでデータを整備し、バタバタとデータを移行、半年間の並行稼動期間を経て、基幹システムの入れ替えを終了することができました。

この職場から私が去ったその後、彼女も転職していってしまいました。一つのシステムフローを構築する楽しさや苦しさ、社外の人との遣り取りをする中で見えた自分の可能性を鑑みた結果、他の会社でも働いてみたいと思ったそうですよ。相談を受けて、私もそれを勧めました。

結果、次の会社でも業務改善をバリバリと進め、社長から頼りにされています。数百万のシステムの稟議も軽々と通過させ、きっちり稼働・運用させていました。すばらしい。やあ、私がその子の旦那だと思うと鼻が高いやら照れるやら。

■ パパ向け:家庭内ヒーローを育成する

 まだまだ「vlookup が使えたら職場でヒーロー」という時代のお話です。先程、高齢者向けの話をしましたが、世代関係なく「パソコン苦手…」という人はいるのです。それが働き盛り世代ともなるとなかなか。言い方はたいへん悪いのですが、IT で業務改善をする 敵 として立ちはだかるんですよねー…。

Excel や各種ツールを頼らずにきちんと仕事をこなしていたからこそ「そんなものは必要ない」って言ってしまう世代。この人達は実は「そんなモノ覚えるリソースはねえ!今までのやり方で十分数字を上げることができる!」というプライドがあるのです。それにはもちろん敬意を払いたいのですが、そのプライドによって、会社全体のシステム化を阻む「敵」になられるのはノーサンキュー。強大な敵は、味方に引き込むに限ります。

・ ターゲット

 働き盛りの男性社員。Excel の入力はできるよというレベル

・ 意図
 Excel のエバンジェリストになってもらい、同世代への影響力を高め、システム化推進の橋頭堡としたい。

・ どんなことをしたか
 きっかけは、その方の奥様が長期入院されてしまったことです。プライベートの年賀状送付先のアドレス管理も印刷もこなしていた奥様。時は11月末。やべぇ…やべぇ…と思っていた目の前に私がいたというわけです。

家に呼ばれてパソコンを確認。

幸い、奥様がメモを残してくださっていたので、ファイルの場所も何をしていたかもすべて把握できました。なるほど、自分、旦那、子供たちの分の住所録をエクセル化し、ワードを使って差し込み印刷するという手法。

それさえわかれば、ワード側でデザインを作り、住所録のデータを更新するだけです。すべて私が代行しても良かったのでしょうが、子供さんからイレギュラーな要望が来て対応できないとなると、父親の沽券にかかわります。

じゃあ一緒にやりましょうか…ということで年賀状を見ながら住所の入力をしたり、ここがこうだからここに表示されるんッスよとかいいながら作業を終えました。報酬はビール1ケース。やったぜ!

結果、子どもたちにはヒーローのように尊敬され、奥様からも感謝されるという近年まれに見る家庭内成功体験を得たようです。

それからも自力で関数を調べては私に聞いてくる事がちょいちょいあり、都度アドバイスをしていたら、いつの間にやら「Excel ならその人に聞け」というポジションを確立してました。これによって最初の意図通り

「Excel ってそんなに便利なの?じゃあ俺も…」

という空気が生まれてくれたようです。努力の人は凄いなあ…。

■ まとめ

これらのエピソードで何が言いたかったかというと

「教育と大上段に構えないことが大事なのではなかろうか」

ということです。「パソコンを教えよう!」といっていきなり業務に直結しそうな内容を上からどんどこ詰め込むのではなく、もっと楽しいところから・興味を持ってもらえるところから話していったほうがいいのではないかということを伝えたかったのです。

今回はだいぶ古い世代の人達のエピソードをお話しました。今同じことをやっても多分刺さらないでしょう。スマホが一般化し、受け取れる情報量が飛躍的に増えてる昨今だからこそ

「対象のモチベーションを如何にして上げ、維持させることができるか」

ということを”いの一番”に考える必要があるのではと感じています。

「どういう施策でモチベーションを上げていくか」…私も正直、みえてません。でも、そうですね、LT とか登壇とか…つまりは「アウトプットする」が一つのキーワードになるんじゃないかなと思っています。

なんかつかめたことがあったら、私もアウトプットしていこうと思います。

今日はここまで。お読みいただきありがとうございました。


※ 後半ちょっと書き直しました。


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