
【行政書士チャレンジ】弁済についてのあれこれ
弁済というのはつまり、履行することである。簡単に言えば、「お金を借りたら、貸してくれた人に返すこと」である。
通常、自分がお金を借りたら、原則自分が返すのがスジ。なのだけど、自分が返さなくても良い場合がある。たとえば、自分に支払い能力がない場合、保証人を立てていればその人が代わりに払ってくれる。あるいは、親や友人が手を差し伸べてくれることもあるかもしれない。
そう、その後者の方。当事者ではない第三者が、お金を貸してくれた人に、自分の代わりにお金を返してくれる。これを、第三者による弁済というわけ。
第三者による弁済が行われると、今度はその第三者が自分に「払ってやったんだからお金返しなさいよ」と言ってくる。つまり、その第三者が債権者になる(代位する)ことになる。
まあ、当たり前の話なのだけど…これ、諸々条件が揃うと結構おっかないことになりそう。自分の借金が知らない間に誰かに払われていて、その知らない誰かに「お前の代わりに金払ったんだからすぐ払えやれ払え」と追いかけられるなんてこともないとは言えない。たちの悪い人が債権者になったら、あっという間にお風呂に沈められるかもしれない。
そういや、性風俗産業にはいわゆる「バンス」と言われる「報酬を前払いにしてくれる仕組み」がある。借金を返すという意味だけでみれば、違法性が問われそうなこの行為よりも、第三者弁済をしちゃって権利確保したほうがリスク少ないんじゃないの?と思ったり。とはいえ、借金の返済だけがバンスをする理由ではなかろう…。
性風俗産業だけではなく、コロナの影響で、一時期給料ファクタリングなんてのも流行った。これも給料の前借り"のような"ものだけど、結局違法であると判断されて終息したみたい。
そもそも、給料の前借りって違法なんだっけっていうと、例外を除いては基本的にだめだったはず。緊急のときは前借りさせてもいいけど(労働基準法 25 条)、原則アカンというのが労働基準法の 17 条。
とまあ、このように、何かひとつからずるずるといろいろな問題が見えてくるのが法律の楽しいところだなあと思う。あれはどうなんだろう??じゃあこれは??と興味が尽きないというのはとても楽しい、が、そっちに耽って問題を解くのを忘れてはいけない…よね…。
※ 文中の法解釈は間違ってる可能性が大なので鵜呑みにしちゃ駄目です。