見出し画像

採用ブランディング作成手順①現状分析について解説(採用ブランディング講座:vol08)

「マーケティングの現状分析に使う
 フレームワークといえば?」


有名なものとして3C分析があります。

3C分析といえば、
以下の図をご覧になる機会が多いと思います。

では、早速ですが質問です。
この図を使ってどのような手順で
分析を進めていくかご存じでしょうか?

このように質問すると
回答できない人が多くいます。

今回は、この記事だけ最後まで読めば
すべて解決する現状分析の基本のキを
実践方式でご説明したいと思います。


1.分析の目的と全体の流れ


本講座はブランディングを扱ったものですが
リクルーティングだけではなく、
セールスマーケティングとの関係性も
同時に扱ってきてきました。

過去の記事は最後のリンク先をご確認ください。

そこで、今回はブランディングを行う上で
必要なマーケティングの視点である
現状分析」の工程をご説明します。

別名、マーケティングリサーチと呼ばれ
複数のフレームワークを使って、
自社の取り巻く環境の解像度が上っていく
様子が見てとれると思います。

さて、その前に質問です。
マーケティングの目的は何ですか?
と聞かれたらあなたはどう答えますか?

一般的には「売れる仕組みをつくること」と
定義されることが多いと思いますが、
もう少し丁寧に説明すると…

無理な売り込みをせずとも、
 顧客を理解することによって、
 顧客の望むものを望む形で提供すること

と言った方が分かり易いと思います。

この顧客を理解する上で必要な考え方は
顧客の「不(負)」を解消すること
であると押さえておいてください。

上図の通り、理想と現状の間にあるギャップ
問題であり、これが顧客のニーズとなります。

では、分かり易い事例で質問します。

砂漠に男性が一人います。
車が故障し、周りには何もない。
男性はフラフラ歩いており、今にも倒れそうです。

問)男性のニーズを答えてください。

答えは「水が欲しい」が
一番多いのではないでしょうか?

間違ってはいないのですが、
ニーズとして回答するならば不正解です。

正解は「のどの渇きを癒したい」です。

もし仮に熱中症になりかけているなら、
上記に追加して、日陰が必要になります。

これも「テントが欲しい」でははく、
直射日光を避けて、涼める場所が欲しい
と捉えた方が正解です。

この顧客が望むものを
KBF(購買決定要因)と呼び
上記のニーズを満たすことができる商品は
多少高くても顧客は喜んでお金を出すでしょう。

これを企業側から見た時には
KSF(重要成功要因)を導き出すことが
目的となります。

つまり、
セールス、マーケティングにおける
成功パターンを見つけましょう!

ということです。

これをリクルーティングに置き換えると
求職者の「不安」を解消する要因
捉えると解像度があがると思います。

自社のどの部分に共感し、
一緒に働く仲間になりたいと思ってもらえるか?

これを分析していく中で
様々な不安を求職者は抱えています。
新卒を例に考察しましょう。

出典:マイナビ 2024年卒大学生就職意識調査

どんな会社で働きたいか?のベスト3を例に挙げると
①安定している会社
②自分のやりたい仕事ができる会社
③給料の良い会社

これに対して様々な不安を抱く訳ですね。

①の不安
・業績は好調かな?
・サステナビリティ(持続可能性)を意識しているかな?

②の不安
・希望する職種に就けるかな?
・仕事内容は自分のやりたいことを実現できるかな?

③の不安
・基本給は?年収は?数年後、いくらもらえるのだろうか?
・時給換算したら学生時代のバイトより安くないか?

こうした不安を取り除き、
ある程度、希望の条件で働けて、
何より自己の成長や、希望の職種で働けるという
安心感を与えられるポイントはどこか?

超大手の誰もが羨む企業でもない限り
これら全てを満たせる会社は存在しない
というのが私の意見です。

従って、限りあるアピール要素を
どのように伝えれば学生の心に刺さるのか?
競争優位点を探していきましょう。

そして、きちんと言語化して話せるように
基礎となる情報をしっかり分析する必要がある
とご理解ください。


2.カスタマーは市場から調べる


それでは3C分析に話を戻します。
冒頭でもご紹介した下図をご覧ください。

3Cとは以下の3つの要素の関係性を分析して
KSF勝ちパターンを導くフレームワークです。

①顧客・市場(Customer)
②競合(Competitor)
③自社(Company)

ここで普通の人はある障害に当たる訳です。

それは、
一体どのエビデンスを根拠にすればよいか?
客観的に正しい情報を収集できるのか?等

3Cの図を完成させる前に、
これを調べる上で有効なフレームワークが
いくつかありますので解説しますね。


①顧客・市場(Customer)

PEST分析

これはマクロの視点で
市場を分析するために使用します。

以下の4つの側面から
セールスにおける市場を見ていきましょう。

①Political(政治的要因)
②Economic(経済的要因)
③Social(社会的要因)
④Technological(技術的要素)

下図は建築業界におけるPEST分析です。

次に、リクルーティングの分析もしてみましょう!

特に、法改正や新技術(例えばAI等)の登場は
ゲームチェンジが起きやすい要因となることから、
年に1回くらいは更新しておくと良いです。


5フォース分析

こちらはミクロの視点で分析するもので
様々な要素から業界の動向を探る
という目的で使用するフレームワークです。

下図をご確認ください。
これは美容室を取り巻く業界の脅威
図に表したものになります。

この業界の競争がいかに激しいか
良く分かると思います。

では、リクルーティングにフォーカスすると…
・業界内の競合
 →セールスとは違う競合が出現する点が注意
  例えば、化粧品や美容器具のメーカー等
・売り手の交渉力
 →美容師の獲得における文脈はセールスと同義
・新規参入の脅威
 →国家資格が必要な美容師の確保に関する文脈
  はセールスと同義

以上がセールス、リクルーティングにおける
フレームワークのご紹介でした。

両分野においてもフレームワークは
分析や思考の整理に有効といえます。

「自分は素人だから思いつかないよ」

と思っている方は、騙されたと思って
ChatgtpCopilotと壁打ちしてみてください。
ある程度、制度の高い回答が返ってきますよ。

その結果をたたき台にしながら、
各分野に詳しい関係部署の人たちと
ディスカッション形式の壁打ちをすると
より精度の高さが増します。


3.フレームワークの注意点


最後に一つ注意点ですが、
ここまでの内容に関しては
あくまで参考程度に捉えてください
ということです。

マーケッターの中には
フレームワークを使いこなすと全て上手くいく
と有用性を主張されますが、私の意見は異なります。

この段階での分析は
マーケティングリサーチを進めていく上で
基礎となる情報の整理整頓が目的です。

あくまでブランド・コアを作成する上で
方針を決める過程において、闇雲に進んで
誤った方向へ進むことを防ぐ程度のものです。

フレームワークとは
思考を手助けするツールに過ぎないことのです。

空白を埋めれば全てが解決するような
魔法の杖と勘違いしないでください。


前半部分は以上です。

次回は、上記の内容を踏まえた上で
②競合(Competitor)
③自社(Company)
の分析方法と顧客理解が最も重要であると
予告をして締めくくりたいと思います。

もう一つ重要なフレームワークが登場し
この分析を経て、3C分析が完成しますので
次回もご期待ください。


最後までお読みいただきありがとうございます。

今回の話が良かったという方は
いいね!
他にも読んでみたいという方は
フォロー
ぜひ、よろしくお願いいたします。





いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集