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あなたの大事なアイデンティティってなんですか? | 30代のアメリカ生活

何だか大層なタイトルにしてしまったのですが。
昨日こんな記事を書きました。

それでふと思い出した昔の出来事について書いてみようと思います。わたしの中では共通する意識に基づくものなのかなあと。


20歳前後の大学生だったわたしが1年間の留学生活を送っていた頃、こんなゲームをしたことがあります。

  1. あなたが思う自分のアイデンティティ(帰属意識や独自性)を10個紙に書いてください

  2. それらのアイデンティティをあなたにとって重要ではないものから順に捨てていってください

  3. 最後に残ったものはなんですか?

10年も前のことなので全てを記憶しているわけではないのですが、わたしが書いたのはこんな感じ。一部適当です。

  • 女性

  • 日本人

  • 〇〇大学生

  • 西洋史学

  • ダンス

  • ミュージカルが好き

  • などなど…

これを読んでいただいている方も是非考えてみてください。10個って少ないように見えて意外と大変です。

難しい場合は「アイデンティティ ワークシート」で画像検索すると、様々なワークシートが出てきてどんなことがアイデンティティとなるのか参考になります。面白いのが日本語の検索ワードで検索しても、出てくるものはほとんど英語のワークシートだということ。確かに日本で生きてきて、自分のアイデンティティってなんだろうと考えたことってなかったかも。

10個挙げられましたか?

ここからそれを捨てていくのですが、わたしが最初に捨てたもの、なんだと思いますか。あなたが最初に捨てるものはどれでしょうか。

わたしは最初に「女性」を捨てました。

一応補足しておくと、わたしは女性として生まれて嫌だと思ったことは殆どないし、性自認も明確に女性です。むしろ女性って生きやすい、男性は大変だなと思うこともあります。女性であることをとても気に入っています。これは今でも、このゲームをやった当時も変わりありません。でもわたしは「女性」を捨てました。

わたしが今女性であることは気に入っているけれど、例えばもし生まれ変わるとしたら、女性でも男性でもどっちでもいいんです。性別によって多少生き方に違いはあると思いますが、どちらにしてもわたしの人生に重要なのは性別ではないと思っています。

この選択に一緒にゲームに参加していた女性たちは皆すごく驚いていました。(驚かれたことにわたしは驚きましたが。)

その中の一人が言うには「女性であるということはつまり母親になれるということ。わたしは母親になれて良かったと思うし、別の人生を生きるとしてもそれは絶対に経験したい。」(その友人は少し歳上で中学生ぐらいのお子さんがいました。)
明確な言葉は記憶していないので少し曖昧ですが、そういったことを言っていました。そして、他の友人(わたしと同年代の学生、当時子供なし)も同意している人が多かったです。

これを聞いてもわたしの意見は変わらず、母親になることってそんなに大事?父親じゃだめなの?よくわからないな。と思いながらそのまま「女性」と書いたカードを捨てました。

もちろん友人の言うように女性であること、母親であることが人生に大きな意味をもたらす人もいると思いますし、それを否定するつもりは全くありません。

ただわたし個人としては、妊娠中の今でも正直「母親」になるということがそれほど重要な意味を持つことなのかわかっていません。今はまだお腹にいるこの子が産まれたら変わるのでしょうか。


この最初の選択に関するやりとりがとても印象的だったため、結局わたしが最後に残したものは何だったのか実は忘れてしまったのですが、当時勉強していた学問か趣味や好きなものだったと思います。

何が言いたいかというとつまり、わたしは、持って生まれた性質やそれに付随するものよりも、わたしが自分の人生の中で何を好きだと思い何を選んできたかということの方が重要だと思っている、ということです。

わたし以外の存在があってこそのわたし、たとえば夫がいての妻、子どもがいての母親、そういったものによって自分を自分としたくないんです。

このアメリカ生活の中でも置かれた環境ではなく、その中でわたしは何をするのか、何が好きなのか、何ができるようになるのか、それを大事にしていきたいと思います。

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