バスの乗車事情と治安について | 30代のアメリカ生活
アメリカの公共交通機関は治安が悪い。乗らない方がいい。
そんなことを聞いたことがある方多いのではないでしょうか。
わたしはカリフォルニアに住んでいて普段バスもよく使っているのですが、やっぱり乗る時間帯や路線、バスの中で座る場所には気を使っています。
バスに乗る中で垣間見える現地の事情や治安への影響など感じたことをまとめてみました。
バスの乗車方法
まず前提としてバスの乗り方について、バスの路線も色々とはありますが、基本的には乗車時に現金またはICカード(日本でいうSuica)で支払いをする形式です。
降りる時はバス内に張り巡らされた紐を引っ張る形式、ボタンを押す形式、テープ(中にセンサーが入っているみたい)をタッチする形式と何種類かありますが、紐を引っ張る形式が8~9割のイメージです。
テープをタッチする形式は珍しく、初めてそのバスに当たった時は降り方がわからず降りたいバス停を逃してしまいました。あたふたしていたら乗り合わせた乗客の方が「そこ触るんだよ!」と教えてくれてやっと次のバス停で降りることができました。
ちなみに日本のようにバス停の丁寧なアナウンスや表示はないことが多く、一度しかバス停がアナウンスされないこともあるのでGoogle Mapを見ながら乗り過ごさないように気をつけています。新しめのバスだと車内に2、3個先のバス停まで表示されるモニターがついていることもあります。
実際のバス事情①運賃
最初に運賃の支払い方法について書いたのですが、バスの治安についてはここに理由があると思います。
カリフォルニアはかなりの車社会ですが、バスの運賃は安く1.5ドルほどで乗ることができます。そのためバスに乗るのは車を持たない低所得者層(と若年層)が多くなります。
加えてICカードで運賃の支払いをする機械、これがかなりの頻度で故障しており動作していません。その場合どうなるかというと、現金で払えと言われるなんてことはなく、運賃を払わずに乗れてしまうんです。(元々現金で払うつもりの人は払います。)
そして極め付けはこれ。
先日バスに乗り込みICカードをタップして通り過ぎようとした時のことです。運転手さんが突然「HEY!!!」と叫びました。
ええ、わたしなんかした?タップし損ねてたかな?とアタフタしそうになったところ、わたしの前に通った女性がこう叫び返したんですね。「That is all I have today! I’ll pay twice next time!!」(英語はうろ覚え)
ああ、たしかにチャリンとコイン1枚落ちた音しか聞こえなかったな。なるほど。
しかしながらこれもバスを降ろされるかというとそんなことはなく、このやりとりで終わりです。何事もなかったかのように運賃未払いのその女性もバスに乗って行きます。
ちなみにわたし自身も渡米直後、何年も前に旅行でカリフォルニアに来た際に作ったICカードを試しにタップしてみたら長期不使用だったせいか残高がなかったせいか使用できずエラーになったのですが、運転手さんからそのまま行けと言われ運賃を払わず乗ったことがあります。
こんな感じで運賃支払いがガバガバなのでお金がない人でもバスには乗れてしまうんですね。これがバスの治安を不安にさせる一つの要因だと思います。
実際のバス事情②車内の様子
わたしが乗車する時間・路線のバスに限ってですが、これまで危険を感じたことはありません。(そもそも比較的安全に乗車できるバスのみ利用するようにしている)
観光地や大学付近を走っているバスは、観光客や学生も多く利用するので日中は問題なく利用できることが多いです。わかりやすいところで言うとサンタモニカ〜ウェストウッド(UCLAがある地域)〜ビバリーヒルズあたり。
ただ、わたしは心配性なのでこの地域でも初めて乗車する路線に乗る必要がありそうな時は、治安に問題がなさそうか事前に調べています。
車内ではなるべく運転手さんの近くに乗りたいところですが、前方の優先席付近はホームレスやちょっと怪しい雰囲気の方が乗ってくることも多いんです。なので優先席付近は避けます。
あと、必要としている方に席を譲るという意識が日本に比べてかなり強いと思います。一旦優先席付近に座っても後ろの席が空くとみんなすぐに移動しています。車椅子の方など実際に優先席を必要としている方も多いのでそういう意味でも優先席に座ることはありません。
かと言って後ろに行きすぎても人の目が届きづらくなるので、わたしは優先席の2列後ろ〜降車口のすぐ後ろあたりに座るようにしています。
後部の席まで行っても大丈夫な状況がほとんどですが、時々🌿の匂いがしたりずっと周りに喋りかけている人がいたりするので、よっぽど混んでいない限りは避けています。
ただし、2連になっているバスでは連結部より後ろには行きません。
実際のバス事情③バス停
わたしがバスを利用する際に一番ドキドキするのは、じつはここ、バス停です。
バス停の付近にはベンチとゴミ箱があることが多く、ホームレスの方が付近にいることが多いんです。ホームレスといってももちろん穏便な方が大半なのですが、薬物をやっている人や精神的な問題を抱えている人も少なくなく、大声をあげている人や攻撃的な人もわりと見かけます。
わたしは今のところ直接何か言われたりしたことはないのですが、周りの日本人からは「コーヒー奢ってくれよ」「Fxxking Xhinese! (ぼかしてますがやはりコロナ以降こういうことを言う人がいるようです…)」などと言われたという話を聞いたことがあります。
なのでバス停ではサングラスをかけてベンチやゴミ箱からは離れたところに立つ、バスが近づいてきてから乗り場に行く、というように気をつけています。
ただ、離れたところで待っているままだとバスが止まってくれないことがあるので、バスが来たら乗りたいということが運転手さんにわかるようにしてくださいね。
最後に
MicrosoftやApple、Teslaなど名だたるTech企業を多数抱え、技術的には日本よりも先をいくはずのアメリカですが、バスの機械がしょっちゅう壊れている、バス停の時刻表示は実際の運行状況を反映していない、アパートの鍵が簡素すぎる、換気扇が換気扇じゃない、IHやウォシュレットが普及していない、などなど、、、なんで?と思うことが本当にたくさんあります。規模が多すぎて導入やメンテナンスのコストが利便性を上回ってしまうからでしょうか。それともその大らかさから生活に利便性を求めていないのでしょうか。
バスについては事前に治安を調べて、気をつけるところを知っていれば、基本的には問題なく乗車できるというのが実際に利用しているわたしの感想です。
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