【要約】真夜中のマリオネット/知念実希人
『真夜中のマリオネット』は、知念実希人による2024年10月5日に集英社から発売されたクライムサスペンス小説です。
物語の概要：
主人公の秋穂は救急医で、婚約者を「真夜中の解体魔」と呼ばれる連続殺人鬼に殺されています。
深い悲しみを抱えながら職場に復帰した秋穂のもとに、バイク事故で重傷を負った美少年・涼介が運ばれてきます。秋穂は涼介の命を救いますが、手術室を出た後、刑事から涼介が「真夜中の解体魔」だと告げられます。
秋穂は涼介に復讐しようとしますが、涼介は涙を流しながら「僕は罠にかけられただけです」と訴えます。無実を示す証拠を見せられた秋穂は、ためらいながらも涼介と共に真犯人を探すことになります。
物語の展開：
秋穂の葛藤：婚約者を殺された悲しみと、救った患者が殺人鬼だと知らされた衝撃の中で揺れ動く秋穂の心理が描かれます。
涼介の謎：涼介は本当に冤罪なのか、それとも巧みに秋穂を操っているのか、読者は秋穂と共に真相を探ることになります。
真犯人の捜索：秋穂と涼介が協力して真犯人を探す過程で、予想外の展開や新たな証拠が明らかになっていきます。
人間関係の複雑さ：秋穂と涼介の関係性の変化や、周囲の人物たちとの関わりが物語に深みを与えます。
衝撃の結末：著者の知念実希人らしい、予想を裏切る驚きの結末が用意されています。
テーマと特徴：
真実と嘘の境界：涼介の無実性や「真夜中の解体魔」の正体を巡り、真実と嘘の境界が曖昧になっていきます。
復讐と赦し：秋穂の復讐心と、涼介を信じようとする気持ちの葛藤が描かれます。
医療現場の描写：著者の医師としての経験を活かし、リアルな医療現場の描写が随所に見られます。
心理描写：登場人物たちの複雑な心理が丁寧に描かれ、読者を物語に引き込みます。
サスペンス要素：「真夜中の解体魔」の正体や、涼介の真意を巡る謎が物語を通して展開されます。
著者について：
知念実希人は1978年沖縄県生まれの作家で、東京慈恵会医科大学卒業後、内科医として勤務した経験を持ちます。2012年にデビューし、医療をテーマにした作品や本格ミステリーで人気を博しています。『仮面病棟』『崩れる脳を抱きしめて』『ひとつむぎの手』『ムゲンのi』などの作品で本屋大賞にノミネートされるなど、高い評価を受けています。
『真夜中のマリオネット』は、知念実希人の特徴である医療現場の描写と緻密なプロットが融合した作品です。「真夜中の解体魔」という猟奇的な殺人鬼を軸に、救急医である主人公の視点から物語が展開されるという独特の設定が、読者を惹きつけます。
本作は、単なるサスペンス小説を超えて、人間の心の闇や、真実を見極めることの難しさを描いた作品となっています。最後の1ページで読者を絶叫させるという評価からも、衝撃的な結末が用意されていることがうかがえます。
医療、犯罪、心理といった要素が絡み合う本作は、知念実希人のファンはもちろん、サスペンスやミステリーを楽しみたい読者にとっても魅力的な一冊となっています。
参考文献：
[1] https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-744659-3
[2] https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784087446593
[3] https://lp.shueisha.co.jp/marionnette/index.html
[4] https://bookmeter.com/books/18895217
[5] https://bookmeter.com/books/21990624
[6] https://books.rakuten.co.jp/rb/17880147/
[7] https://shueisha.online/articles/-/250903?page=1
[8] https://www.hmv.co.jp/artist_知念実希人_000000000482455/item_真夜中のマリオネット-集英社文庫_14951925