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【要約】またうど/村木嵐
『またうど』は、村木嵐による歴史小説で、2024年9月19日に幻冬舎から発売されました。本作は、江戸時代中期の老中・田沼意次の生涯を描いた作品です。
主な特徴:
タイトルの意味:
「またうど」とは、「愚直なまでに正直なまことの者」を意味し、徳川家重が田沼意次を評した言葉です。主人公:
田沼意次。従来の歴史観では賄賂にまみれた悪徳政治家とされてきましたが、本作では異なる視点から描かれています。時代背景:
江戸時代中期、特に田沼意次が老中として活躍した時期が中心となっています。テーマ:
政治改革と経済政策
身分制度を超えた人材登用
先見性のある政策立案
誠実さと志の重要性
物語の展開:
田沼意次の老中就任から失脚までの過程
商人への課税や蝦夷地開発など、革新的な政策の実施
突如の老中罷免と領地喪失の経緯
本作の特筆すべき点:
田沼意次の再評価:
従来のイメージとは異なり、先見性のある改革者として田沼意次を描いています。経済政策の詳細な描写:
年貢の限界を認識し、商人への課税や蝦夷地開発など、新たな財源確保の試みが描かれています。人材登用の姿勢:
身分の低い者でも実力があれば抜擢するという、田沼意次の革新的な人事方針が強調されています。「付け届け」に対する考え方:
賄賂ではなく、経済を活性化させる手段として捉える田沼意次の独自の解釈が示されています。人間ドラマとしての側面:
政治家としての功績だけでなく、田沼意次の人間性や家族との関係も丁寧に描かれています。
読者の反応:
田沼意次の再評価に納得する声が多い。
『まいまいつぶろ』の続編的な位置づけで、徳川家重の描写も高評価。
歴史小説としての学びと、人間ドラマとしての感動の両面を評価する意見が見られる。
本作は、歴史上悪役とされてきた田沼意次の生涯を、新たな視点から描き直した意欲作です。経済政策や人材登用など、現代にも通じるテーマを含んでおり、単なる歴史小説の枠を超えた作品となっています。著者の村木嵐は、前作『まいまいつぶろ』でも高い評価を得ており、本作もその流れを汲む秀作として注目されています。
『またうど』は、歴史に興味がある読者はもちろん、リーダーシップや政治経済に関心のある読者にも示唆に富む内容となっています。田沼意次の生き方を通じて、「志」の重要性や、困難に直面してもそれを貫く姿勢の大切さを伝える物語として、多くの読者の心に響く作品となっています。
参考文献:
[1] https://www.gentosha.co.jp/book/detail/9784344043503/
[2] https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-08-EK-1894753
[3] https://booklog.jp/item/1/4344043502
[4] https://www.audible.co.jp/pd/またうど-オーディオブック/B0D9LZBBY8
[5] https://www.bookbang.jp/review/article/788470
[6] https://note.com/muto1192/n/n16f5982d1dd1
[7] https://www.kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-9784344043503
[8] https://www.webdoku.jp/cafe/miyata/20240926080000.html
[9] https://note.com/suzumaro/n/n2f000e97b4f0
[10] https://www.gentosha.jp/series/mataudo