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業界全体のブランディングの必要性

 グローバル化、DX化や人的資本経営、雇用の流動化など近年日本における経済性は大きな転換を求められています。各社ごとに人材の確保が経営に多大な影響を及ぼすほどになりました。
素晴らしいビジネスモデルを構築しても人材課題が原因で倒産する会社もでるほどです。
各社の採用の取り組みについて語られることは多いがここでは別の視点で採用市場のブランディングについて問題提起したい。


プレイヤーの確保の重要性

才能の確保

ビジネスにおいて人材確保が重要である。日本の人材確保においては新卒採用が重要になるのは現在も変わらない。転職が当たり前になり、競合から人材を確保することはできるがそもそも不人気業界であれば労働人口が縮小し、重要なタレントの確保難易度が高まる。各社ごとに対策をしているが業界の印象が変わらなければ優秀なプレイヤーがファーストキャリアで選ばないため全体の底上げはされづらい。才能が集まる業界でなければ先細りが見えてくる。


スポーツ市場の現状

顕著に才能の奪い合いの歴史が表れているのはスポーツ業界だろう。オリンピックを観ている中で、女子バレーボールが特徴的であった。日本のエースの身長は180センチメートルの中で、ライバル国はチームの平均身長が180センチメートルというのが現状だ。
 どれだけ技術を高めてもフィジカル面での差が結果に直結する可能性は高い。多くのスポーツでフィジカルが優位になることは明白である。バスケットボールやバレーボール、サッカーなどスポーツの中でも人材獲得が重要になる。才能の確保が求められる。
 各プロリーグや実業団がスカウティングに力を入れて高校生や大学生を確保に動き、育成することで、競争力を維持している。各チームごとに競争をしているがそこには限界があるのではないだろうか。

業界全体の動きが必要

そもそも才能が集まる業界でなければ成長のしようがない。生け簀に魚がいない中で大魚を釣ろうとしても限界がある。スポーツ市場は特にわかりやすい。昔から市場のトレンドと競技人口は関連性があり、ブームが起こる瞬間がある。
 例えば、「エースをねらえ!」や「アタックNo.1」など漫画が流行れば競技人口が増える傾向があります。「スラムダンク」なんかも良い例だ。また日本ではJリーグの発足と日韓ワールドカップを皮切りに一大文化が形成された。継続的に仕掛けを生みだすことで才能が集まり今では世界で戦えるスポーツに成長してきた。各スポーツはテームのスカウティングも大事だが、全体としてのブランディングが競争力の向上につながるといえるだろう。
 オリンピアンがテレビに出ている際に「練習しろ」などの外野からの声を聞くこともあるが、メディアに出てスポーツの認知度を高める活動は大きな貢献につながるだろう。個人やチームも大事であるが業界への貢献がなければ衰退してしまう。

採用市場の変革が必要

採用担当者の立ち位置の変革

採用担当者といえばどんなイメージを持たれますか。日本の歴史の中では人事の一業務であり、新人に任せるような業務でした。人材確保の難易度が高まる市場の中、グローバルではリクルーターとして人材を確保の専門家として認知されている。日本市場でもタレントアクイジションやリクルーターを配置し人材確保の専門家を自社に抱える動きが出てきています。さらに人材活用への期待や役割も高まってきている。
 しかしながら採用について専門的に学ぶ機会は少なく、専門家行っても採用に詳しいといったレベルなのが日本の現状だろう。専門職として確立するにはまだ時間がかかるだろう。採用という業務のリブランディングが求められてる。

リブランディングが必要

採用の専門家になりたい大学生に出会ったことがありますか?前述の通り日本では採用は人事の一業務であり、将来なりたい姿に採用や人的資本の活用を挙げる人はまだ少ない。採用の専門家になるために人材業界をファーストキャリアに選択する人もごく少数である。就活に悩んだから、他の人を助けてあげたいという入社の理由をよく聞く。
どれだけ1社が声を上げても業界や職種の全体の認知が上がらなければ才能が集まることは難しいだろう。業界全体のブランディングが必要な理由である。

採用の仕事のステージアップ

 人的資本経営やDX化、グローバル化などの影響もあり今までのやり方が通用しなくなってきた。人材の確保や活用も大きな変化が生まれている。徐々に採用や人材活用における専門的なポジションが生まれてかており、1名のリクルーターを採用したことで自社が変わる。そんな事例が増えることで人材業界のステージが一つ上がるだろう。大学生がなりたい仕事になればより優秀な人材が集まり市場全体が伸びる。各社の努力も重要だが全体のブランディングを推し進めることで変革をもたらすことができる。

現状の採用業界の課題

労働力確保のための仕事

採用、特に中途採用ではエージェントに頼るケースがほとんどだろう。近年、本来のエージェントは企業の事業戦略を実現するために必要なタレントを採用するための仕事である。現在はマッチングビジネスが主流にとにかく量を回す仕事になった。結果として品質の低下が叫ばれ、各社の採用力向上を考えるようになった。人材確保の重要性が高まる中、各社エージェントには頼れない危機感から市場の再編が進んできている。

専門職としての期待

いきなりインハウスリクルーターを抱えることはリスクが大きいと考える企業も多いのでは無いでしょうか。様々な課題がある中でどんな人材を受け入れるべきか重要な意思決定になる。採用力の高いRPОやコンサルタントと契約し、採用のスキームを構築してからインハウスにする流れもトレンド化してきている。一方、採用力を高めたい人事や人材業界人間もRPОや採用コンサルタントに転職している。まさに業界が再編され始めたのだ。採用の専門性が追求され、市場を押し上げることが日本市場の変革につながることを期待したい。


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