☆3.ジョブ型が話題になってる!
最近、ジョブ型(欧米型)とメンバーシップ型(日本型)についての記事をよく見かけます。しかしながらジョブ型採用(欧米型)について説明されている記事が少ないので、どの様な仕組かを簡単に説明したいと思います。私自身は、欧米型と言っても、米型と欧州型は、考え方が多少違っていると思いますが、どちらも日本型とは大きく考え方が違っているので、日本型との違いに焦点をあてて基本の考え方を簡単に説明したいと思います。
ジョブ型は、基本的に組織の中でどの様な職務/ポジションが必要かを決めます。組織によっては、部門別に職務/ポジションを決定します。次に、職務別の職務内容を詳細に決めます。これがJob Description(JD)/職務記述書と言われるものです。組織によっては、非常に細かい内容を記載している場合もありますし、そうではなく幅を持たせて記載している場合もあります。このJDには、通常、ポジションとポジションごとのレポーティングライン(reporting to)と(reporting from)も記載されています。レポーティングラインは、上下の関係を意味し人事評価をする上司と部下としても認識されます。このように欧米型は、職務/ポジションをベースに、人を採用し、組織形成をして運用しています。ここが日本でのメンバーシップ型(日本型)と大きく違う点だと思います。
ジョブ型については、良くJDに記載されている事だけをしていれば良い。と日本では認識されているようですが、そうではありません。JDに記載されている内容は、最低ラインの職務範囲の内容であって必ず遂行して下さい。という意味です。ですから、これからJDの職務を頑張って覚えてください、とか、これ以上の職務はありません。という意味ではありません。これらの理由から、外資系でいう、Performance Review/人事評価は、JDを問題なく達成してmeet(最低ラインの遂行達成)のレベルという事になります。Meetというのは、上、中、下で言うと中レベルです。(ちなみに下レベルは、能力が足りないとみなされますので、組織に貢献していない評価となります。) Meet (中)レベルは、外資系では、パホーマンスボーナスの対象にはなりますが、毎年meetだと能力に限界があるとか、成長の意欲、余力、モーチベーションがないと判断される可能性があります。ですから、JDから更に幅を広げたパホーマンスを達成する必要があるのです、そしてその幅は、個人の努力と能力次第という事になります。この仕組みが、外資系組織は、生存競争が激しいと思われがちな要因だと思います。
欧米でこの欧米型が機能している理由は、教育システムがあると思います。米と欧州には違いがありますが、共通しているのは、専門の仕事に就く時には、その為の能力、必要な基礎知識、スキルセットがある程度備わっている、というところだと思います。日本の場合、多くの学生は集団で面接を受け、採用され、希望の仕事があっても組織の意思決定に従って配属され、そこからトレーニングを受けて仕事を覚えるというシステムだと思います。
以上がジョブ型組織の入り口となります。この考えを基本として、HRに関わる組織形成、運用等が多岐にわたっていきます。