学校資源の循環化:学校給食の残食をどう考えるか
探究テーマに至った理由
盛岡一高の生徒2名が取り組む探究テーマ「学校資源の循環化:学校給食の残食をどう考えるか」は、小学生の頃に目の当たりにした大量の給食残食がきっかけだったそうです。彼らは、この残食を資源として有効活用できないかと考え、さらに生徒や職員に資源循環の重要性を伝えたいという思いから、このテーマに取り組み始めました。
現状把握の方法
まずは、地元の小学校や市役所を訪問し、給食の残食データを収集しました。さらに、インターネットで他地域の実践事例を調査し、残食活用の具体的な方法を学びました。その上で、事前調査で考えられる問題点を列挙し、これらの課題を解決するための活動計画を立てました。
今後は、委託先の業者とプランについて協議し、相互理解を深めた上でプロジェクトを進める予定です。
学校給食の残食の現状と課題
例えば、彼らの母校では、1ヶ月で約240kg、年間で約2200kgの残食が廃棄されています。
現在、学校給食で排出される残飯や生ゴミは、クリーンセンターに配送され、そのまま廃棄されています。このような一方通行の廃棄ルートは、資源の無駄遣いであり、環境負荷も高いです。
アプローチ方法
生徒たちは、残食の堆肥活用による資源サイクルの形成を目指し、以下の3つのアプローチを考えています。
残食の堆肥化:岩手コンポスト協会と連携し、給食残食を堆肥に変えます。この堆肥を農家に提供し、農作物の生産に役立てることで、資源の循環を実現します。
事業者との協力:残食を堆肥化するために必要な技術や設備を持つ業者と協力し、堆肥化プロセスを確立します。
学校給食の配膳形態の見直し:残食を減らすため、給食の配膳方法やメニューを見直しを行います。
コンポストの活用について
コンポストとは、家庭や事業所から出る生ごみを微生物の働きによって分解し、堆肥に変えるプロセスです。この堆肥は、農業や園芸に利用され、土壌の栄養を補充する役割を果たします。コンポスト化によって、生ごみを廃棄するのではなく、資源として再利用することで、環境への負担を軽減し、持続可能な循環社会を目指すことができます。
期待される効果
このプロジェクトにより、次のような効果が期待されます。
環境保護と資源の有効活用:給食残食を堆肥として再利用することで、廃棄物を減少させ、資源の有効活用が図れます。これにより、持続可能な循環社会の実現に寄与します。
教育効果:学校という場を利用することで、生徒や先生に対して資源循環の重要性を伝え、循環型社会の実現を身近に感じてもらうことができます。
コスト削減:市内の小学校の残食を堆肥化することで、廃棄にかかるコストを削減することができます。
クロージング
このプロジェクトを通して彼らが自ら考え、行動することは、学校給食の残食という問題を解決し、持続可能な社会を実現への一歩となります。彼らの取り組みは、単に残食を減らすだけでなく、環境保護や資源循環の重要性を地域社会に広めることにもつながります。
学校給食の残食が有効に活用されることで、環境への負担が軽減され、持続可能な社会の実現が期待できます。その取り組みが多くの人々に影響を与え、未来の社会をより良くする一助となるよう、我々はサポートしていきたいと思っております。そしてこのプロジェクトが地域社会に広がり、より多くの人々が資源循環の重要性を認識し、行動するきっかけとなることを期待しています。
このHR Iwateプロジェクト審査発表会を見ていて感じたことは、教育現場における新しい学びの形を示しているということです。彼らは現場との交流や実践を通じて、社会課題の解決に向けた具体的な方法を学び、実行する力を身につけています。私たちはそんな情熱を持った高校生の探求活動を応援・サポートしていきます!
次回の探求テーマのご紹介もお楽しみに!