5分でわかる子宮頸がん17 子宮頸がんと放射線治療
今回は、子宮頸がんに対する治療の1つである放射線治療について紹介します。
放射線治療とは?
放射線治療はがんに対する主な治療法の1つです。細胞内のDNAを直接傷つけるX線やガンマ線などの放射線を、がんに照らしあてます。
子宮頸がんに対しては、以下の種類があります。
①骨盤の外から照射する外照射
②直接、子宮頸部のがんに照射する腔内照射
③放射線を出す物質を、がん組織やその周辺組織内に直接挿入して行う組織内照射
子宮頸がんでは、広がりや進行の程度にかかわらず、放射線治療を行うことができます。但し、比較的がんが進行した場合には、細胞障害性抗がん薬とともに、放射線治療を行うことが多くなっています。また放射線治療は、術後再発リスクの高い人や、初回治療で放射線治療を行わなかった人の再発時の治療手段にもなります。
以前記事で紹介した、漫画「私が子宮頸がんを乗りこえた話」(秋水社)の中でも放射線治療の様子が描かれています。治療のイメージがつきやすくなるので、是非読んでみてください。
出典:私が子宮頸がんを乗りこえた話3(秋水社)
放射線治療の副作用
放射線治療の副作用には、照射開始後数週間以内に起こる急性反応と、治療後数カ月から数年たってから起こる晩期合併症があります。
急性反応には、だるさや吐き気、また照射された部位の皮膚炎、粘膜炎、直腸炎や膀胱炎などがあります。通常これらは治療終了後、自然に治っていきます。
晩期合併症には、消化管からの出血や閉塞、穿孔、直腸腟ろう(直腸と腟がつながって腟から便が漏れる症状)などがあります。尿路の障害として、出血、感染や、膀胱尿管腟ろう(膀胱や尿管と腟がつながって腟から尿が漏れる症状)、その他に腟が狭くなったり、腟の壁同士がくっついたりすることなどがあります。しかし、それらは必ずしも起こるものではありません。
国立研究開発法人国立がん研究センター対策情報センター(2020)「子宮頸がん 治療」https://ganjoho.jp/public/cancer/cervix_uteri/treatment.html
はたの有咲(2020)「私が子宮頸がんを乗りこえた話3」秋水社
【この記事を書いたのは】インターン生 山口賢聖 普段はHatch Healthcare株式会社で、noteの記事作成やPR活動を担当