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経験者の声② さゆりさん ~HPV感染~

早く気付けた分だけ、
選択肢は増やせる。

さゆりさん
HPV感染/経過観察中
感染がわかった年齢:30歳

2020年02月の情報を元に作成
監修:自治医科大学名誉教授 鈴木光明先生

行きたくないから、関心もなかった。

婦人科に行くのって、嫌じゃないですか。痛いし。恥ずかしいし。待ち時間も長い。平日は仕事で行けないし、土曜午前は起きられないし。私にとっては、行きづらくて行きたくない場所でした。そんなふうだから、自分の身体への関心も高まらないまま。区で行われる婦人科検診に関しても、同じ姿勢。検診の結果も、2週間後に取りに行くところ、1ヶ月以上空けちゃっていたくらいだったんです。

HPVに感染していると検査結果を知らされたとき、最初は「HPVって聞いたことあるけど、何だっけ?」くらいの気持ち。でも時間が経つにつれ、「どうすればいいの?」「私がんになっちゃうの?」と不安が募ったり、モヤモヤして言い表せないような気持ちになったりするようになりました。

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より早く見つけて、よりよい時間を過ごそう。

最初のHPVが陽性という結果が出てから、4ヶ月後。子宮頸がん検診を受けると、異常なしの結果が出ました。HPVウィルス感染はあったけれど、がんの前段階(異形成)には進行していなかったという状態です。なので、まずはそこでは一安心。だけどこの4ヶ月は、不安なままに過ごす4ヶ月だったと思います。感染がわかっても、具体的にアクションできることがないんですよね。健康に過ごそうって、それくらい。ピルは飲んでいいんだろうかとわからなかったり。生理の予定じゃないのに出血があれば、がんじゃないかとこわくなったり。できるのが「次の検査を待つだけ」って、辛かったです。

じゃあ早めにHPV感染がわかっても意味ない、不安になるだけなら子宮頸がん検診に行ってもしょうがない。そんなふうに思うでしょうか。私は、そうは思いません。婦人科へ行きたくない私だったけれど、自分の体験を通じて、少し考えが変わったような気がしています。どれだけできることが少なくても、不安な期間が長くても、「早く気付ける」ということは、それだけで何よりも大きな意味があるのだと、考えるようになりました。 

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早く気付けるということは、病気治療へ向けた準備が、より多くの時間を使ってできるということです。心の準備はもちろんですが、子宮頸がんについて調べたり、自分に合った病院や医師を探したり。できるだけ多くの選択肢を用意して、並べて、冷静に考えて、ゆっくり選ぶ時間がある。それは自分の身体と、病気と、向き合っていく上で、とても大切なことなんだろうなと思うんです。だから、正しい知識とともに、少しでも早く検査でみつけましょう。早ければ早いほど、不安を打破する方法も、より多く見つかるかもしれません。

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