2023年間ベストアルバム10枚
年間ベスト10枚。好きなバンドが新譜出したからというよりかは、今までピンときてなかったけど今作めっちゃいいじゃんという傾向が強い。あと1曲目がいいアルバムが多い。去年のは↓から。去年のアルバムけっこう覚えてないな。それくらいの軽さでやっていこうということで。2024年は誰に期待しよう。けっこう現状で満足いってるので、あまり思い浮かばない。生き延びようぜ。
10.羊文学『12hugs(like butterflies)』
してやられた。羊文学に対して俺は暫くの間何も思っていなかった。もっと繊細な音楽をやっているイメージでいたのだが、今作はしなやかながらもしっかり骨太のオルタナティブロックをやっていて驚かされた。がっしりしたスリーピースバンドがこれだけ売れてるの、良い意味で隔世の感を覚える。来年(2024年)横アリでやるのヤバ。
9.君島大空『no public sound』
サブスク全盛のこの時代、イントロぶっ飛ばして歌始まりの曲が多い中で1曲目から1分超のギターフレーズの繰り返しで持っていく力技。ギターがうるさい曲が好き。でもシューゲイザーだと少しばかり暗い。抜け感が欲しい。そういう俺の需要を満たしたアルバム。
8.山中さわお『Booty Call』
配信なし。クソみたいな俺のBootyCallに答えてくれる山中さわおが最高ってワケ。さわおがステージに現れる時が一番ワクワクするなというのが今年の気づき。とうとうディスクレビューがポエムじみてきた。Boogie Boxがお気に入り。
7.GEZAN.Million Wish Collective『あのち』
GEZANの音楽はGEZANからしか生まれない。ギターロックから民族音楽、引いてはヒップホップまで一絡げになっていて、うまくそれらを統合しているわけではないのだけれど、それが却って彼らの唯一無二性を高めているように感じる。あのちってあの血のことだとしばらく思ってた。あのち、(いのちの1つ前。いのちの1つ前って何?)
過去、エンドロールに名前がなかったから旅を続けなきゃと歌ったバンドがエンドロールが終わった後も共に生きようとしているの、字面だけだと変わりなく思えるけど、それでも強い前進を感じさせるし希望ってこういうことなんだと思う。
6.ドレスコーズ『式日散歌』
どうにもならない君とぼく。さよならときみがつぶやいた「ラブ・アゲイン」から始まり、アグレッシブなサウンドに似つかわしくない孤独を歌い上げる「襲撃」を経て、まさか老いさらばえてく夏の終わりひいては別れを決定づける「式日」でフィナーレを迎えるドラマチックな1枚。ボーナストラックらしいドレミは今から聞きます。
5.a flood of circle『花降る空に不滅の歌を』
ロックンローラーは数多くいるが、ロックンロールって叫んでサマになるロックンローラーは貴重。そのうちの一人が佐々木亮介。2023年最大の後悔はこのアルバムのレコ発ツアーに参加できなかったこと。アルバムタイトルからしてロマンティシズムに満ちている。もっと売れてほしいバンドNo.2(No.1はLUNKHEAD)。フラッドはギタージャーンでボーカルが息切らして歌い上げてくれればそれで良いしそこが良い。でもそれはそれとして黒髪のほうが好き。
俺が死んでも変わることはない世界
知ってるよ もう救いようがない
バイバイ
4.台風クラブ『アルバム第二集』
アルバム2枚目が「中期の台風クラブ」でなくて本当に良かった。ぱっと聞いただけだと粗っぽく聞こえるのに、その実めちゃくちゃ技術が高い。歌詞も繊細。
俺はいつも忘れてしまう
浮ついた夜の静けさや
明け方に窓をかすめ落ちた
星があったこと
2023年になってこのいなたさ哀愁を醸し出せるのはこのバンドだけ。でもノスタルジックに響かないのが不思議。
3.カネコアヤノ『タオルケットは穏やかに』
カネコアヤノを見るのが2024年の目標。「私たちへ」ギターの轟音から始まる「わたしたちへ」、朗々と歌い上げる「こんな日に限って」(私が揺れると鈴の音が鳴る。お前は何?)、少ない音数で細々フィナーレを迎える「もしも」優しさから近いようで縁遠く響く楽曲群。あるものはあるし、ないものはない。それだけのことに思いを馳せてしまう。
怖いけど頑張るしかないんだね
2.GRAPEVINE『Almost there』
TSUTAYAが元気な頃だったら美メロを連呼されるポップが掲示されたに違いない。オフェンシブな1枚。あくまで個人的にだけど、真昼のストレンジ以来のヒット。良くも悪くも力が抜けているというか(音楽的にはともかく)歌詞にひねりがない。その分単語のパンチが強い。恣意的なものだろうけれど1周回って厚かましくさえある。1周回らずとも厚かましいのは元からか。自分の中で田中和将を神格化していたフシが少なからずあって、そういったイメージが今作で剥がれたのが良いやら悪いやら。tiktok向けに曲のBPM上げちゃうのと、音人のインタビューはちょっとどうかと思った。後者については何も言及しないよりはマシだけど。でも俺は好きだよイスカンダル。あとラス曲のSEXが異常に良い。
1.betcover!!『馬』
バカヤローの叫びとともに、古き良きアメリカ映画よろしく機関銃のようなイントロが放たれる。かつ曲名がバーチャルセックス。これを1曲目にぶつけてくるアルバムが悪いわけがない。同年に出た「卵」の前日譚らしいけど圧倒的にこっちが好き。8曲29分。お気に召した1曲だではなく、全部聞いてこの向かい風の中を一気に駆け抜けてほしい。とはいえ、一応1曲挙げると⑥不滅の国。
以下プレイリスト。
ざっくり良かったアルバム