#苦手チャレンジ『人物ドット絵』(後編)
後編は『兵士』のドット絵メイキングをおとどけします。
1. 正面向きを作る
前回は正面向きキャラクターを作りましたが、実は左右を反転すれば歩いて見えるように作ってあったのです。
実際にアニメーションさせてみると、こんな感じ。成功です!
この『兵士』はとても単純な形状のため工夫のしどころも少なく ①線画でかたちを決める ②部位ごとに塗り分ける ③各部位に暗色を加える という3手順でささっと作りました。
気を付けた点は次の3点です。
・手足の先がアニメ時に動いて見えるよう、左右反転させたときに手足の先が同じ位置に来ないようにする。
・黒フチを入れる余裕がないときは、奥にある方の手足を削る。
・奥にある手足の色は明色を使わない。
2. 横向き作成……に失敗!
今回はゲームで使うために描いたのではありませんが、ついでに前向き以外も作成することにしました。ただ本来は線画を描く時点ですべての向きを揃えておくことが望ましいです。
今回はあくまで「ついで」なので……と勢いで描いたところ、大失敗!
横向き人物キャラがFFっぽくなってしまうのは、なにかの病気!? これだから人絵はウーゥウー。
……試しに歩かせてみましたが、手は動かしていません。FF風横向きキャラは両拳が腰にあり、ここから歩行用の動きを作るのはちょっとつらいのです。
3. 横向きの作成に再挑戦
気を取り直して、足が1本しか見えていないコマと、腕が1本しか見えていないコマを作りなおします。
アニメさせると、こう。
4. うしろ向きを作り完成
最後にうしろ向きを作成します。前向きを元にして、兜や鎧が前向きとは違うデザインになるよう描きかえています。
頭部の銀帯にツヤを入れると"目"に見えてしまい誤解を招くのでやめたのと、手足の先が前向きに比べて目立たないようにしてあります。
色も、体の前方(=画面的には奥)にある方をできるだけ明るくしています。
アニメーションさせてみます。
補足 ゲーム用キャラのフチドリ線
今回はイラスト的に使うものとして作ったのでフチドリ線はキャラクター全体を囲みましたが、16x16ドットのキャラ全体にフチドリ線を入れるのはかなり「キツイ」です。
ゲーム用のキャラクターを描く場合は、周囲の風景に溶け込んでしまわなければいいと割り切って、"足の裏"にあたる一番下の1ドットを削ってしまう方法があります。
こうすることで、キャンバスに縦1ドットの余裕ができるので大きい帽子をかぶっているキャラクターや、わずか1ドットですが背が高い/低いキャラクターを表現できるようになります。
※また、主人公キャラが常に画面中央に固定される場合など、体が前後に揺れるよう1ドットずれて見せる工夫が必要な場合があります。