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誰得ドット絵『やんのかステップ』(前編)
どうも近頃、心が荒みやすい気がするんですよ。原因はもちろん『マンション・団地で猫を飼おう計画』のせい! 会談だの次の一手のための判例調査だので、臨戦態勢・常在戦場・ストレスMAXなんですよ、もー!
はじめはストレス解消のためにも『桜』を描こうとしたのですが、タイトルでご察しのとおり気付けば『やんのかステップ』ができていました。
念のため猫の生態に詳しくない方のために解説しておくと『やんのかステップ』とは、猫が"強敵"と相対したときに体を大きく見せて対抗しようとする威嚇ポーズ、あるいはこのポーズのまま不気味に歩くことを言います。
仔猫がオトナ猫にジャレついて、不意に反撃されたりしたときなどに見られる、桜よりもず~っとありがたいものです。警察は「桜の代紋」をやめて、「やんのか代紋」にするといいですよ。やる気があればね。
ただこの「やんのかステップ」、ウケるからと猫をわざと強く興奮させて動画や写真に撮る人がいます。虐待なのでやめてください。シャーッ(威嚇)
ドット絵メイキング前半
ところで今回の『やんのかステップ』は抽象的なイメージではなく、猫についての"シチュエーション"を示すものなので、以前描いた『猫背』とあわせて使えるようしたいところです。
まず最初は「顔」の大きさをあわせることから始めます。
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『猫背』は平和なシチュエーションなのと、モデルのハチワレ・パンダちゃんが少々ポヨポヨ系で緊張感に欠けるため、緊張感のある顔つきに修正しておきます(手順②)。まだ、あくまで作業用ですけどね。
また、今回はまさに「体を大きく」見せるので、キャンバスのサイズも少し広げて32x32ドット(『猫背』は24x24)にしました。
肝心のボディを描いていきましょう。
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頭を下げて……背中と腰を上げて……尻尾ブワッ! ですね。ブワッ!
キャンバス内には無事おさまりそうなので、ラインを整えていきます。
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ここで見分けやすいよう背景色を入れました。桜色です。初心の名残りですね。
背中のラインはきれいな猫背、お腹を持ち上げて無理している様子、尻尾はただ太いのではなく「膨らんでいる」、といったことを意識しながら全体のバランスをとっていきます。
無理に体を持ち上げているため、うしろ足は「しっかり踏ん張れない」様子を強調するのがポイントでしょうか。「背中から吊るされている」くらいのイメージです。
うーん。ある意味"できあがり"なんです「威嚇ポーズ」としては。
でも、威嚇ポーズとやんのかステップはちょっと違うんです。威嚇ポーズは「強そう」なんですが、やんのかステップは「弱そう」でなくてはいけません。違いがあるんです。
どうやって「弱そう」に見せるかは、オス・メスの差をつけることでわりと簡単に表現できます。やってみましょう。
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というわけで、左前脚をしっかり地面につけず、持ち上げるように変更しました。猫に詳しくない人にはピンと来ないかもしれませんが、「浮き足立っている」様子だと思ってください。
オス猫は左利きのことが多いらしいのですが、それに加えてなにかと前脚を持ち上げる(浮かせる)と言われています。結果的にしっかり両足を地に着けるメス猫は踏ん張っていて強そうに、浮足立ちやすいオス猫は弱そうに見えやすいわけですね。
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さらにダミーのままだった顔を直します。
目を見開き、緊張で頬を細め、耳を伏せる、という「臨戦態勢」のものにすれば、できあがり。
あとは……
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フチドリを黒にしたうえでグレーを1色加えて、立体感を強調したところでひとまず「完成」とします。
実は『マンション・団地で猫を飼おう計画』で理事会に何度もラブレターを送らないといけないので、そのためだけにプリンター(モノクロ)を買ったんです。でも心が荒み、まさに「臨戦態勢」になるような目的のためにだけ買ったとあっては嬉しくありません。
それなら、せっかくだから「モノクロ出力に耐えられるドット絵を描いて楽しもう!」と考えて、当初考えていた『桜』は盛大にボツ! になったというわけです。
考えてみると昔の『ゲームボーイ』的なモノクロドット絵の世界観には今でも高い人気があるわけですし、こうして描いてみると、急に独自のポケモンを生み出せるような気もしてきました(勘違いしすぎ)。
しかも、一度「モノクロ出力に耐えられるもの」さえ用意できれば目的は達成。あとは、「カラー版」も作ったっていいんですよね。
そこで次回・後編では、着色して『やんのかステップ』をカラー版に進化させたいと思います!
(つづく)