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ドット絵クリーチャーは、目が命?
今回はドット絵『栗』をもとにして、モンスターもといクリーチャー! を作っていきます!
うん、一応お断りしておきますけど「モンスターではなく、クリーチャー! 栗だけに!」なんて言ってるの、もちろん恥ずかしいです。むおー。
若者のスライム離れ
なにはともあれ、「シルエットがスライムと同じ」というのが『栗』最大の問題点ですから、まずはスライム(ドラクエ)から距離を置きましょう。
まずはキャンバスのサイズを元の24x24ドットから32x32ドットに拡大し……
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子どもの発想か! というツッコミが聞こえてきそうなくらい安直ですが、手足をつけてしまいます。なんだかマッチョっぽいポーズになりましたけど、別に「ムキ栗」とか言いたいわけではありません。
ところで。シルエットこそ同じでも"栗ひと粒"は、スライムや肉まんのように"半球形"をしておらず、背中も少し反ったかたちをしています。
真正面向きではまったく見えない部分ですが、それをなんとか表現して「スライムとは違うのだよ、スライムとは」というところを見せていきたいところです。
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そこで、両腕を上に持ち上げたポーズにし、顔のパーツを上部に寄せて配置することで胸を張っているように見せることにしました。ガオー!
不思議なことに踵(かかと)を上げたように見える気がしますが、まえの手順から1ドットも変えていません。ガオーのなせる技(?)ですね。
ここまで、けっこうかわいくできてイイ感じだな~と自己満足気味ではあるのですが、いまいち「モンスターらしくない」……じゃなくて「クリーチャーらしくない」のが気がかりです。もうひと工夫しましょうか。
イガグリー!
特に気になるのは、"がさがさパンツ"部分です。
前回、言葉で区別するために栗の上部を「つやつやボディ」、下部を「がさがさパンツ」と表現したわけですが、まさか本当にこれがパンツになるとは思っていませんでした。
いやパンツというより「おむつ」ですよね。これのせいで"ベビー感"が強調されるぶん、"敵"っぽくないわけです。
もちろん『栗』に"敵"らしい攻撃性を加えるとすれば、「イガグリ」の"イガ"しかありません。あのトゲトゲを足すことにしましょう。
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ただし、トゲトゲの色は枝の下に落ちる前の明るい緑色にしました。
茶色にすると絵的に地味になりすぎるのでカラフルにしたいのと、パンツから視線を奪えるので一挙両得なのです。
フチドリをつけなければいけない都合で、トゲトゲというより"腰蓑(こしみの)"という感じになりましたが、軽やかに踊れそうなイメージだから良しとします。良し!
手足を立体的に
続いて、アタリをつけただけになっている手足に、きちんと立体感をつけていきます。
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手順⑤では足を、手順⑥では腕を、フチドリ線で囲みつつ明暗差をつけて立体感を出しました。
色は「栗の中身」のイメージで黄色くしましたが、拳以外は目立たせたくないので全体に暗めにしています。
武器を持て!
あとは、トゲトゲがあるのに素手で襲い掛かって来るのが気になります。
せっかく手足のある人型モン……人型クリーチャーなので武器を持たせることにしましょうか。
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もちろん、武器は"トゲ"です。
目の情報量を増して完成!
最後に"絵の中心"である目を構成する色を多くして、情報密度を高めたら完成です!
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「黒目の方がかわいかったのに!」というご意見もあるかと思いますが、今回は"ある理由"があって目を強調することにしました。
「ある理由とはなんだ」ですって?
それはもちろん、目を"くり"っとさせたいからに決まっているじゃないですか。
(おしまい)