MBTI、16派より81派?
よくSNSのプロフィールとかに書かれている謎のアルファベット4文字が、「16タイプ性格診断」の結果だと知ったのでやってみました。所属する秘密結社とかでなくてたいへん残念です。
きっとぼくの性格タイプはISILですね!インシャーアッラー
結果はINTJ(建築家)というのらしいです。
う~ん……信じない!
受け入れやすいという罠
もともとはMBTIというなんかもうちょっとしっかりした診断的なものがあるらしいのですが、上記の16Personalities(以下16P)はその簡易版というか、MBTI公式的には「まがい物」扱いのようですね。
とはいえ、お手軽な「占い」みたいなものと思って気軽に受け止め、自分の性格を省みる機会にするのは良いのではないかと思います。
ただ、ちょっと気になるのは16Pのサイトにある16種の性格ごとの解説は、概ね「良いところ」を中心にして受け入れやすいように書かれていること。「そういうとこ、良くないぞ!」と書いてもらった方が"ためになる"のですが、16Pの運営側としては性格タイプごとの"アドバイス"を買ってほしいようなので仕方ないところでしょうか。
16派もある!
もうひとつ気になるのは、いくつかの性格タイプの説明において、希少性が強調されているところ。
人の性格を16にわけているんですから、それぞれが平均的に分布していた場合、どの性格も6%程度しかいないことになります。それぞれ「6%しかいない」が標準であると考えれば、それ以上の偏りがあっても、そう大したことではないように思えます。
しかも! この16Pの診断は、
・エネルギー(E:外向型←→I:内向型)
・意識(N:直感型←→S:観察)
・気質(T:思考型←→F:感情型)
・戦術(J:計画型←→P:探索型)
という4軸で判定しており、4軸ともが一致するのが診断結果となる自分の性格の4文字、ぼくの場合なら"INTJ"になります。でも、これは「4軸すべてが一致」した結果ですから、一字違いのENTJとか、INTPとかも3/4一致でかなり「近い」感じになりやすいはずです。
それなら、その他の"15派"にもそれなりの親和性があるのではないでしょうか。実際、すべての説明を読んでみると……「これって自分かも?」と思う性格だらけでした。
当然と言えば当然ですけどね。16派のうち4/4一致は1つ、3/4一致は4つ、2/4一致はは6つ、1/4一致は4つ、0/4は1つとなります。全16派のうち11の性格タイプが内容的に半分以上一致するわけです。
なおぼくの場合、ひととおり性格タイプの説明を読んで、唯一ほとんど当てはまらないな~と思ったのが「エンターテイナー」(ESFP)でした。
……あれ? INTJのちょうど真逆に位置する性格だけ合致しないということは、この診断、意外と当たっているんでしょうか!?
出来の悪いINTJ?
とはいえINTJの説明も、どうも自分にあっていないところが多いんです。「これは違う」と思う代表的なところだけ引用してみますよ。
多いな!
これらはどれも「効率の高さ」を重視するという共通点があり、ぼくの場合はこれらはすべて逆です。
この診断で見逃されたのは、ぼくがかなり感覚的・感情的であることでしょうか。
ぼくは、感情は人のもっとも正直なところであり、だからこそ平時の人の評価や価値観は不確かだと感じます。出回っている情報には誤りも多く、事実を見逃さないためには科学的アプローチ(実験)が必要なこともあり、ときには失敗することにも価値があると感じています。こういうのは、なかなか効率的にはいきません。
そして噂や世間話は自分の内側にない情報、特にどこかで起きた人間関係の結果を知る絶好の機会です。そのため他人への関心はとても強く、特に他人の愚痴を聞くのが大好き! です。いきなりDMに送り付けてくれてもいいんですよ?
でもこうして振り返ると、ぼくの人生はずっと感覚・感情を重視することによる「効率の悪さ」でできていたのだと思い知らされます。つまり、ぼくは「出来の悪いINTJ」ということなのでしょうか。
あるいは、INTJの4文字うち、気質(T:思考型←→F:感情型)の部分をF:感情型に置き換えるとINFJ(提唱者)となります(ただしこのFは"Feeling"なので、感情というより"感覚"に近い)。
16Pの説明を読む限りでは、自分ではINFJの方がより近いと感じますが、さてどうなんでしょうね。
81Personalities?
今回とても気になったのは、自己申告で結果を導き出す診断なのに、なぜここまで合致しないのか? ということです。
「うどんには七味」「ラーメンには胡椒」「スシはサビぬき」だと言っているのに「辛いものがお好きなんですね!」と言われるような違和感があります。イマドキのAIがそんな感じ。
自己診断時は実際にはなんらかの"課題"を目の前にはしていませんから冷静、あるいは想像力が働かないため、感覚・感情が表出されにくいのではないかと思います。ぼくの"理想"の気質は「T:思考型」だけど、現実には「F:感情型」で、診断に対して無意識に嘘をついたようなものではないかと。
もうひとつ、"ニュートラル"が評価されないこともズレの原因ではないかと思います。これは16Pが本来のMBTIの用途から逸脱していることも関係ありそうです。
ぼくの場合、「16派のうちで、どれが一番近いか」で言えばINTJかINFJなのかもしれませんが……
このように「戦術」が計画型77%と偏っているのを除けば、「エネルギー」内向型58%、「意識」直感型57%、「気質」思考型63%という"半端さ"の方が目立ちます。
もしも各軸の中央付近、35~65%あたりをニュートラルとして"X"で表現するなら、そのド真ん中に当たる"XXXX"が「凡人」ということになります。
この見方をすれば、ぼくの性格タイプは"XXTX"か"XXFX"ということになりますから、最強の凡人まであと一歩! という感じです。
前述したように16Pは一部の性格タイプで希少性を肯定的に扱っていることもあり、一般的であることから遠ざかることの問題に意識が向かなくなる点が少し怖いなと思います。どの性格タイプであれ、XXXXから遠ざかるほど、似た者同士以外では付き合いにくい人間になるのではないかと思います。
逆に、ちょっとの努力で"変わり身"できることは、自分自身にとって動きやすさや生きやすさにつながるはずです。
ぼくの場合なら、73%もある"計画型"の「戦術」を控えめにして、"探索型"になれるよう心掛ることが良さそうに思えます。
やってみよう!
というわけで、16Pは診断結果の"4文字"で見るより、数値で見た方が役立てられそうだなと思ったわけでした。
こういうのは使いようですから、いろいろな見方を試してみればいいのではないでしょうか。ニュートラルを評価して、1軸を3値にして考える"81Personalities"(3の4乗=81)で解釈してみるのもオススメです!
"まがい物"かもしれないけど、充分役立てられそうに思えますから、まだの方もぜひやってみてはいかがでしょうか?
(おしまい)