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ネトゲ寄りメタバース

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ネットゲーム寄りのメタバースに関連する話題です。
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#メタバース

VRで視力回復は本当か?

VRのHMD(ゴーグル)、目から至近距離にレンズがあってかなり目に悪いんじゃないかと思っていたんです。あんな目の前(まさに)にレンズとバックライトがあるのもダメダメだろうと。 ところが、どうも逆らしくて。 HMDを装着してVR空間を体験しているとき、目(視線)は2メートル程度先を見る状態になるため、長時間・長期間それを続けると(近視の人にとっては)普段より遠くに焦点が合いやすくなり、かえって視力が回復するという話があるのです。 ふーん(ぽち) 小学生以来のド近眼(現在

終の棲家というけれど(中編)

物価上昇が続く昨今、ただ貯金していてもお金の価値は相対的に下がるばかり。「長もちして、できれば売れるものにお金を使おう」と考えていたら、うっかり"おうち"を買っていた、という話の続きです。 なお、いくら安く買える物件といっても固定資産税や、集合住宅なら管理費や修繕積立金などで意外と継続的な出費はあります。また、今まで借家暮らしをしていたことを思えば「中古で少々汚くても、そのまま住めばいいや」と思っていましたが、自分のものになるとけっこう意識が変わり、リフォーム費用も必要にな

終の棲家というけれど(前編)

まわりくど~い話になると恐縮なので、今回はオチを先に言ってしまいますよ。今年の2月にスーパー出遅れ状態で始めたネトゲ『ドラゴンクエストX』(DQX)で住宅購入に失敗しまして。「この失敗を活かして次につなぎたい!」と思っていたら、リアルでおうちを購入していました。 ぜんぜんそのつもりはなかったのに購入してしまったのでいわゆる衝動買いであり、そしてネトゲ脳ここに極まれりです。 ま、おうちといっても中古マンション、いえ中古というのも語弊があるほどの"太古"団地の一室に過ぎないん

ドラクエ経済はギャンブル式?(前編) ~メタバース経済考

今回は、MMORPG『ドラゴンクエストX』(ドラクエ10)の経済が「ギャンブル式」な感じがすることについて考えていきます。 「ドラクエといえばカジノ」というくらい(?)ですし、ドラクエ2の時点で「ふくびきけん」があったくらいですから、ドラクエとギャンブルは切ってもきれません。ただし、「ギャンブル」という言葉が持つイメージがそのまま経済に反映されているわけではありません。ドラクエ10の経済は「お金をかけてお金を稼ぐ」ようになっているわけではないのです。 ドラクエ10のカジノ

メタバース経済・社会学 精神による殺人(後編)

後編では、MMORPG『FINAL FANTASY XI』(FF11)で起きた外国人差別を振り返りながら、自分が差別に染まって加害者にならないにはどうしたらよいかを考えます。 ただ、真剣に差別に立ち向かっている人にはたいへん申し訳ないのですが、今回の記事では差別意識を持つこと自体はあえて否定しません。例えば、たて続けに付き合った女性に無残に捨てられた男が「女なんて……」という気持ちになってアンチフェミニズムの道に堕ちていくのを「女性すべてがそうではない」なんてお説教的に責め

メタバース経済・社会学 精神による殺人(前編)

これまで既存のメタバースであるMMORPGを参考にして経済・社会を改善するヒントを探る記事をいくつか書いてきまして、次は「ぼくらが働く環境を改善するには?」という話題を書こうと思っています。ですが、その前に避けて通れない話題がひとつあります。 それが、移民や外国人に対する差別問題です。日本は少子高齢化が激しく進み、よほどのミラクルが起きない限り移民を受け入れて労働人口を増やすしかないと言われています。そこで考えないわけにはいかないのが、日本における外国人差別の問題です。

DQXでドラクエ社会学に挑戦!?(後編)

社会や経済を探ろうと、妙な視点で始めたDQX初心者の旅の後編です。 今回のテーマはDQX初心者として感じた労働者マインドについてになりますが、端的に言うと「DQXへの永久就職を求める圧を感じる」という話になります。ひとが集まるところには、時代や環境に応じてそれぞれの文化が生まれるのはなんともおもしろい、という話を無駄に難しくやっていきます。 神々をこの目で見た!?今回の記事タイトルにした画像は、DQXを始めて、一番驚いたの場面です。1ヵ所に妙に人が集まって、しかもみんなで

DQXでドラクエ社会学に挑戦!?(中編)

ほかのメタバース社会も知っておこうということで、いまさらながら運営11年目のMMORPG『ドラゴンクエストX』(DQX)を始めてみました。まだ1週間くらいです。今回は、半分旅行者、半分移住者の初心者視点でDQX社会の一部を見たレポートをお届けします。 お金の流れは?メタバース経済の話でFF11との比較対象にしたい思惑がありますので、なにより気になるのは「お金の流れ」です。国税局職員になった気持ちで見ていきますよ! そういえば税務署って繁忙期にあわせて人員を確保しているよう

DQXでドラクエ社会学に挑戦!?(前編)

これまでいくつか、MMORPG『FINAL FANTASY XI』(FF11)を中心にメタバースにおける社会・経済について見たり考えてきましたが、記事を書きながらつくづく思い知らされることがありました。それは「そこにたくさんの人がいて、活動していること」と「人々が意見し、改善していくこと」がとても大切だということです。 「しょせんゲームの世界の話でしょ」と思われがちな話題ではあるのですが、ゲームをプレイするもの人間、ゲーム内社会を運営するのも人間ですから、それは間違いなく人

死とベーシックインカム(前編)~メタバース経済とMMTを考える

「人が集まってこその社会である」という視点を重視して、広義のメタバースのなかでも歴史と実績のあるMMORPGに学んでいくシリーズの続きです。 MMORPGの世界では、ただ人が集まっただけでなく、ときに声をあげ、運営者がそれを無視せずにコミュニティをアップデートしてきました。人々の知恵と本音が渦巻くその場所には、硬直しきった現実社会を建て直す多くのヒントが隠されているのです。これまでもこのシリーズの記事で触れてきたように、"ベーシックインカム的なもの"も導入されています。

ベーシックインカムの前にオフゲ経済推進(後編)

オフゲ(主にオフラインRPG)によくある「最後には使いきれないほどのお金が貯まってしまう経済」を、日本人は求めてしまい、無意識に推進することで経済を循環させられなくなっている――でもそれを否定するのではなく、うまく"調整"できないかを考えてみようという話の2回目です。 今回はオンラインゲームの経済を参考にします。「オフゲ経済の話なのに、ネトゲ経済を参考にする?」と疑問に思うのは当然です。ただ、ネットゲームは部分的にオフゲ経済を内包している場合があるのです。 昨年20周年を

ベーシックインカムの前にオフゲ経済推進(前編)

ちょっと間があきましたが、ネットゲーム(メタバース)の経済を現実に導入できるかを考える記事の続編です。次はベーシックインカムをテーマにしたいのですが、そのまえにちょっと寄り道してオフゲ経済(オフラインゲームの経済)も実現できないかを考えてみることにします。 すでに推進されているオフゲ経済「こら待て、ネットゲームの経済を実現するというだけでも荒唐無稽なのに、破綻前提のオフゲ経済なんて度が過ぎる!」と誰もが思うでしょう。 たしかにオフゲ(主にオフラインのRPG)における通貨は

メタバース経済とMMTを考える(序文)

今回の記事は、以前書いた『無税社会は可能か?』の続きといいますか、メタバースやオンラインRPGをベースに"経済"をもっとまじめに考えていくものです。文章で「あーだ!」「こーだ!」というだけでは読み手を煙に巻くようなものになってしまうで、今回は図版を交えつつやっていくつもりです(ただ、図版を作るのにも時間がかかるので、断続的なゆっくり連載になるかもしれません)。 MMT理論についても考えるさて、今回はまた、税金や経済の話になるとよく話題にあがる「MMT理論」についても念頭に置

無税社会は可能か?(後編) ~ダムの底のメタバース

長すぎる中編を書いていた時点で気になっていましたが、このままのペースで続けると5・6回やっても終わらないので足早に話を進めます。 そもそも、なぜメタバースなのか。 ユーザー視点で「おもしろいことができそう」と思われているわけではないことはみなさんご存じのとおりです。知名度が向上したことで資金が動くことに期待して「我こそはメタバース」を謳うひとたちが増えたことが盛り上がりの最大の理由ですが、それとは別に現状の国家の形態に縛られない世界が実現される可能性を"期待"する向きがあ