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ネトゲ寄りメタバース

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ネットゲーム寄りのメタバースに関連する話題です。
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#DQX

速読は実在するのか? ②ひらがな飛ばしに挑戦

「速読なんて、無理無理」とは思うものの、できるものなら身に着けたい! せめて「少しは速く」を追い求める企画の第2回です。 余談飛ばしの欠点前回は長い長い『白鯨』を例に、いわば"余談飛ばし"とでも呼べる方法を紹介しましたが、これにはひとつ欠点があります。あらかじめ著書の方向性がわからないと、どこが余談か見分けられない場合があるのです。あるいは文章が、以前も触れた読みやすい文章特有の文体(=先に読者の関心をひいて、あとで説明するスタイル)になっていればいいんですけどね。 でも

終の棲家というけれど(後編)

DQX(ドラゴンクエストX)でのマイホーム購入失敗の反省から、リアル物件では積極的に下見をしていくことにしたわけですが、そのなかには「事故物件」もあった――という話の続きです。 下見したその物件のひとつでは高齢者の自殺があったのだそうです。でも、不動産屋はあまり詳しいことを教えてくれません。そりゃそうですよね、聞けば聞くほど"身近"に感じてしまいますからね。 でも実際には、室内に入ると「見えてくるもの」があったのです。 見えてくるものもちろん、凄惨な現場みたいなものがそ

終の棲家というけれど(中編)

物価上昇が続く昨今、ただ貯金していてもお金の価値は相対的に下がるばかり。「長もちして、できれば売れるものにお金を使おう」と考えていたら、うっかり"おうち"を買っていた、という話の続きです。 なお、いくら安く買える物件といっても固定資産税や、集合住宅なら管理費や修繕積立金などで意外と継続的な出費はあります。また、今まで借家暮らしをしていたことを思えば「中古で少々汚くても、そのまま住めばいいや」と思っていましたが、自分のものになるとけっこう意識が変わり、リフォーム費用も必要にな

ギャンブル必勝!?シミューレーターをつくるよ(メタバース経済考・番外編)

先日、メタバース経済考の記事でMMORPG『ドラゴンクエストX』(ドラクエ10)の経済が「ギャンブルっぽい」ということを書いたばかりなのですが、あれはあくまで「少額の積み重ねでお金を吐き出させようとしている」という構造を指摘するものでした。決して開発者が、プレイヤーに賭博でゲーム内通貨を運用させようとしているわけではなかったのです。 ところが、どうもドラクエ10のプレイヤーの一部にギャンブルで金策をする習慣があるようなのです。 ドラクエ10で行なわれているというギャンブル

ドラクエ経済はギャンブル式?(後編) ~メタバース経済考

不評な記事の最終回です(自虐)。いいもん! ギャンブルのように小さな金額を繰り返し費やしていくことと、ゲーム内のアイテムの価値が短期的に移り変わり安定しないことから、ドラクエ10(ドラゴンクエストX)の経済では先行きを見通せず、「その日暮らし」に近い生活を求められる「圧」を感じます。 でも、これが意外なところでMMTやベーシックインカムに重なることに気付いたのです。しっかり、まとめます。 一億総中流社会、昭和の名残り?ドラクエ10では、簡単な「日課」で小さくない金額が与

ドラクエ経済はギャンブル式?(中編) ~メタバース経済考

決して「お金をかけて、お金を稼ぐ」わけではないけれど、ドラクエ10(ドラゴンクエストX)の経済は「ギャンブル」に似ています。都度、必要な金額は少額で済むけど、でも累計すればけっこうかかった、というかたちで「先見性」が発揮されにくくなっている――というお話の続きです。 ただしそれは主に、万人に関わる基礎システム的な経済の流れの話です。 それとは別の、「プレイヤー間の売買」には支払いを積み重ねる仕組みが適用されないので、希少品はただ単純に高額になります。なお、プレイヤー間の取

ドラクエ経済はギャンブル式?(前編) ~メタバース経済考

今回は、MMORPG『ドラゴンクエストX』(ドラクエ10)の経済が「ギャンブル式」な感じがすることについて考えていきます。 「ドラクエといえばカジノ」というくらい(?)ですし、ドラクエ2の時点で「ふくびきけん」があったくらいですから、ドラクエとギャンブルは切ってもきれません。ただし、「ギャンブル」という言葉が持つイメージがそのまま経済に反映されているわけではありません。ドラクエ10の経済は「お金をかけてお金を稼ぐ」ようになっているわけではないのです。 ドラクエ10のカジノ

DQX体験、おわり。

いまさら始めた『ドラゴンクエストX』(ドラクエ10)ですが、実はずっと体験版として遊んでいました。始めるにあたってパッケージを購入したのですが、体験版があるならまずはその範囲を遊んでみよう、と。 そんなこんなで、じっくり熟成させたレジストレーションコードを登録して製品版へ移行するまで4ヶ月もかかってしまいました。長い! 遅い! 昔はMMORPGの体験版は、開始から1週間程度までしかプレイできない制限があったものですがユーザー獲得に結び付かなかったのか、イマドキは日数制限な

宝箱をつくるよ① 三つの葛藤

宝箱のドット絵がほしくなりまして、さっそく描いてみました。経済の話をするとき「貯金」のイメージとして使いたいのと、ゲームっぽい画作りにも使えるかなというわけです。 茶箱が好きゲームに限らずアニメでも、記号として「宝箱は赤!」という同調圧力があるのですが、ぼくは茶色の宝箱が好きです。落ち着きます。 とはいえ、もし実際にゲームを作るとなったら「赤箱」にすると思います。屋内なら木の床、屋外(ダンジョン)だと土や岩の茶色の上に置いても溶け込んでしまうからです。 でも描いた! 好

ドラクエ留学、ひとつき。(社会編②)

前回は、MMORPG『ドラゴンクエストX』(ドラクエ10)の特徴的なシステム「サポートなかま」について、過去のがんばりを活かして利益を得られる「印税制度」のようなものと考えられる、という話をしました。今回はサポートなかまの別の側面、その背景について考えて、「留学ひとつき」の報告をひと区切りとします。 ひとの役に立ちたいという気持ちまだオンラインゲームをプレイしていなければ、誰もが「お金を払って傭兵を雇い、自らの目的を遂行する」シーンを想像することでしょう。あるいは、どちらか

ドラクエ留学、ひとつき。(社会編①)

「ひとが集まるところで起きる変化を学ぶんだ」、「これは留学だ」と言い張ってMMORPG『ドラゴンクエストX』(ドラクエ10)を始めて1ヵ月の経過報告、その2回目です。 「サポートなかま」システムは奥深いドラクエ10には『サポートなかま』という、他のプレイヤーが育てたキャラクターを選んで、自分のパーティーメンバーにできる仕組みがあります。視点を逆にすると、1日のプレイを終えるときに酒場で登録しておくと、自分が育てているキャラクターを他のプレイヤーに使ってもらえる、という感じで

ドラクエ留学、ひとつき。(物語編)

いくつか記事を書きながら「硬直している現実の日本社会より、実際に人が多く集まるメタバース、MMORPGの世界は現実以上に『新しい現実』を作り出している」と感じた私は、それなら別世界もこの目で見てみようと旅に出た――な~んていうと大袈裟ですが、新参者として『ドラゴンクエストX』(ドラクエ10)への「留学」を始めて1ヵ月が経過しました。 今回はその経過報告その1「物語編」です。 なお、留学生であるぼくは、ドラクエに対してあまり熱心なプレイヤーではありません。ドラクエシリーズに

DQXでドラクエ社会学に挑戦!?(後編)

社会や経済を探ろうと、妙な視点で始めたDQX初心者の旅の後編です。 今回のテーマはDQX初心者として感じた労働者マインドについてになりますが、端的に言うと「DQXへの永久就職を求める圧を感じる」という話になります。ひとが集まるところには、時代や環境に応じてそれぞれの文化が生まれるのはなんともおもしろい、という話を無駄に難しくやっていきます。 神々をこの目で見た!?今回の記事タイトルにした画像は、DQXを始めて、一番驚いたの場面です。1ヵ所に妙に人が集まって、しかもみんなで

DQXでドラクエ社会学に挑戦!?(中編)

ほかのメタバース社会も知っておこうということで、いまさらながら運営11年目のMMORPG『ドラゴンクエストX』(DQX)を始めてみました。まだ1週間くらいです。今回は、半分旅行者、半分移住者の初心者視点でDQX社会の一部を見たレポートをお届けします。 お金の流れは?メタバース経済の話でFF11との比較対象にしたい思惑がありますので、なにより気になるのは「お金の流れ」です。国税局職員になった気持ちで見ていきますよ! そういえば税務署って繁忙期にあわせて人員を確保しているよう