アドビのFlash
HyperCardのスタック作家による粗造乱造で、巷には様々なスタック(HyperCardで開ける作品など)が溢れていた。それも、HyperCardの無料バンドル終了とともに廃れていく。
一方、世間(特に2ちゃんねるの掲示板)では、Flashを使った一発ネタ的な動画を作るのが流行ったりした。私もFlash8を購入して、少し作ったりもした。作成に有料ソフトが必要なものの、カラーのパラパラ漫画が簡単に作れる点では、HyperCardと似たような感じだった。もちろん、Flash独自の凝ったゲームも多数オンラインに公開されていた。
Flashも他のHTMLとかのブラウジングとは一線を画して、独自の世界を築いていた。そういう意味でもHyperCardと似ていた。ただ〝HyperCardはMacのみ〟であったのに対して、〝Flashはマルチプラットホーム〟、つまりWindowsでもAndroidやiPhoneでも、ブラウザがサポートさえしていればどれでも動いた。ユーザーのすそ野は、とてつもなく広かった。
一方で問題になったのは、その世界がきちんと閉じていなかったことだと思う。つまり、色々なことが出来過ぎて、しばしばシステム全体を不安定な状態に陥れてしまう。ユーザーが多ければ、被害も大きい。それが敵視され、Flashの排斥に繋がった。スマートフォンで最大のシェアを誇るiPhoneにインストールできないとなれば、いずれ廃れると、開発が終了になった。
ちょっと意味合いは違うかもしれないが。Scratchはまだ生き残ってる。簡易のプログラミング環境で、ちょっとしたものなら作れそう。FlashやHyperCardと何が違うのか? 明らかな低機能?まあ、そうかもしれないが。ここからは私見だが、Scratchはきちんと世界が閉じてるから、許されているのではないだろうか。つまり、Scratchから外に悪さをしない。だから、システム側としては排除する理由が無い。
Flashの後釜と言われたHTML5も、その後のバージョンアップで名前も変わってしまったようだが。HTMLという枠組みの中で生きている、ということだと思う。でも、規格を決める団体と、実際にブラウザを作るメーカー(複数)が分かれていると、うまく行かないことが多いような気がしてる。