やり直し(Undo)は魔法のコマンド

 キーボードショートカットで出てきた「やり直し(Undo)」について。人は誰でもうっかりミスをする。だから直前に戻る「やり直し」があると助かる。

 でも、Mac以前の古のパソコンソフトでは「やり直し」なんて無いのが普通だった。誤操作だろうとなんだろうと、失敗したら終わり。もう戻すことはできない。
 例えば、お絵かきソフトで「この領域を赤色に塗ろう」としたとき、領域を囲う線にもしも1ドットでも穴があったら、そこから色が漏れ出て全体が真っ赤になってしまう……なんてことがザラにあった。やり直しなんて無いので、最悪、それまでの作業は全部オジャン! いや、本当にそんな事件が頻発したのだ。途中経過の画像が保存してあればラッキーなもので、その時代は途中経過を気軽に保存できるほどのストレージもない。失敗したら「最初からやり直し」。だから、致命的になる操作の前には、めっちゃ確認した。それこそ、領域の線を拡大して、目を皿のようにして穴が無いか探したものだ。
 もしもそこに、直前に戻る「やり直し(Undo)」があれば、さぞや楽だったろう。

 Macで初めて「Undo」を見て、お絵かきソフトで不用意に描いた線が「スッと」消えるのを実際にやってみて、「すげーーー!!」と感動した。と同時に、プログラマーとしての視点で「これ、どうやって実装してるんだ?」と不思議だった。
 直前の状態を保存してるんだろうか? でも、そんなメモリーの余裕は無いし……。MacのNisusWriterという伝説的なワープロソフトでは、なんと「無限のUndo」を謳っていた。

 「やり直しが効かないのは、人生とゲームくらい」なんて言っていたけれども。今や、ゲームですら「巻き戻し」という「やり直し」がある。ましてや、実用系アプリで「やり直し(Undo)」が実装されていないアプリなんてありえない。Macはもちろんの事、iPhoneですら「やり直し」ができたりする。OSレベルで統一した操作として、「やり直し(Undo)」という仕組みを用意したMacintoshは画期的なパソコンだったのだ。

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