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【子育て】サバの皮は正義。8歳児が教えてくれた、私の失敗

おはようございます。うちの8歳の息子は焼き魚が大好きなのですが、とくに好きなのが皮と脂身の部分です。文豪・池波正太郎は、魚は端っこが美味しいと言ったそうですが、息子は8歳にしてその境地にあるようです。(笑)

そんな息子が先日、サバの塩焼きの皮を剥ぎ、口に入れて恍惚の表情を浮かべながら、こんなことを言ったのです。

やっぱ、サバの皮は正義だわ。

家族の食卓は一同笑顔になるし、私も面白いことを言うなぁと感心しました。きっとこの言い回し、YouTubeなどの影響を受けてるんですよね。小学校ではみんな使っているのかもしれません。考えてみれば、大人も時々使いますよね。

さて、この正義という言葉。私が小さかった頃は、もっと重いものだったような気がします。それはきっと、唯一無二の正しさとか正義というものがあると信じられていたからなんだと思います。多くの大人は、その正義を子供に伝えるのが教育だと考えていたんじゃないですかね。

いまや、教育は行動変容をうながすことですよね。正しさを押し付けることではありません。そして、とくに若い世代は、良し悪しよりも好き嫌いで生きるのが常識になってきています。

つまり息子がいうように、正義という言葉は「好き」を意味するようになったのです。

私は長らく出版の世界に身を置いてきましたが、正しさを伝える出版活動が厳しくなってきたように思います。ろくに事実やエビデンスを示すことなく、正義をふりかざそうとする(アジる)ケースもあって息が詰まりますよね。売れるわけがない!

それよりも、自分はこういう世界が好きだ!と感じたことを伝える出版活動が、爽やかで受け入れられやすい時代になりました。

そう、つまりそれがサバの皮の正義です。そして、この二つの正義の大きな違いは、昔の正義は戦争を引き起こしてきたけど、サバの皮の正義は戦争を引き起こしたりしないということ。もし、白い身が好きな人と意見が対立したら、分け合えば良いだけですからね。一杯のかけそばならぬ、一匹の塩サバ。

どちらかと言うと、私はこれまで懸命にゴリゴリと自分が正しいと思うことを伝えようとしてきた気がします。そこには閉塞感がありました。でも、その失敗があったからこそ、いま人生が拓けた。これからの私の仕事は、これまで会社で培ってきたスキルやノウハウを活かして、個人的にサバの皮の正義を応援することです。

そんな私が、最近読んで共感した本があります。強者をさらに強くする広告代理店の「古い正義」から自ら降りた澤田さんが書いた『マイノリティデザイン』という本。きっと澤田さんも、サバの皮の正義を大切にしている方だと思います。爽やかでとっても読みやすい本です。ぜひ参考にしてみてください!

それにしても、子どもと一緒にいると自分の失敗にたくさん気づかされます。ありがたいですね。

ではまた。ばいばーい!

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