連載 扇谷孝太郎 「身体と動きの新法則 筋共鳴ストレッチ」02
身体と動きの新法則 筋共鳴ストレッチ
第2回 「柔軟性に大事なもの」(前編)
文●扇谷孝太郎
前回は「柔軟性」を探求することの面白さや意味とともに、柔軟性を高めるための「法則」の概要をご紹介しました。今回は5つの法則を理解しやすくするための基礎知識編です。
ストレッチなどの柔軟性トレーニングをしていてもなかなか柔らかくならないという人や、身体は柔らかいのだけれど故障が多いという人が見落としがちな問題について考えてみたいと思います。
柔軟性のための基礎知識
【1】基礎知識:柔軟性は安定性とセットで開発する
(1)安定性とはブレーキが効く状態
この連載で、「柔軟性が向上する」というとき、それは単に関節の可動域(動かせる範囲)が大きくなることではありません。
開脚ができたとしても、そのことが、あなたが目的としている運動や日常動作の改善に実際に役立てられなければつまらないですよね?
そのためには、関節の柔軟性とともに、安定性も向上している必要があります。安定性が高いとは、動作中に関節の動きをスムーズに減速して狙った角度で固定できるということです。いわばきちんとブレーキが効く状態です。
安定性をともなわない柔軟性は、動き始めたら止まれない、減速できないということなので、動作中の姿勢を保持できません。結果として、バランスを崩しやすくなり、故障の原因になります。
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