コ2イベントプレ企画連載 亮さんともっさんの往復書簡03
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8月25日に初めてのコラボ企画を行う、山上亮さん(整体ボディワーカー。以下、亮さん)と、山本加世さん(NPO法人mama’s hug理事長。以下、もっさん)。
本イベントを記念してのプレ企画として、お二人の往復書簡が始まります。
今回のイベントのテーマになぜ、「“慈しみ”からはじまる保健体育」とつけたのか? なぜこの企画をするの? など、ここでしか聞けないお話が続々と登場します。
イベントの予習にも、お二人の人となりを知るのにも、ぜひどうぞ。
コ2イベントプレ企画連載
亮さんともっさんの往復書簡
03 亮さんから→もっさんへ
「いい夫婦喧嘩と、よくない夫婦喧嘩について」
文・イラスト提供●山上亮
イラスト:山上亮
泣きながらでも、怖いものに飛び込むタイプ!?
もっさん、お返事ありがとうございます。
「誕生日にまさかの追突事故! からの受胎告知!」という、さっそくのもっさん節炸裂エピソードが素晴らしいですね。もっさんを知る人間としては、もっさんの人生がそこにすべて凝縮されているような気がしてなりません。
もっさんって一見エネルギッシュで、初めての人でもとってもフレンドリーにグイグイ行くから、すごくタフで何でも軽く受け止めていくタイプに見られそうですけど、でもその内実、すごく繊細で、すごく臆病で、すごく真面目ですよね。
私も初めて講座に呼んでいただいて、駅の改札まで見送ってもらったときに、駅の構内に響き渡る大声で「山上先生~! バンザーイ!」とか叫びながら、手を振ったり、スタッフみんなでウェーブをして見送ってくれるもっさんの姿に、ちょっと誤解していましたもの。
「同じく講師を務めてくださった、(タッチ研究者の)山口創先生にもウェーブをやりました!」と満面の笑みで嬉しそうに話すもっさんに「エネルギッシュだなぁ……」って。
でもホントは繊細な女の子ですよね(笑)。
自分でも「どうしよう病」と言っていますけど、いろんな事に対して、大丈夫かな大丈夫かなどうしようどうしようってすごい真剣に悩んで、そして一生懸命に考えているのが、もっさん。
でももっさんって、それだけじゃなくって立ち向かっていくんですよね。それがすごく面白くって、もっさんという人間に私が一番興味を引かれるところです。
大丈夫かな大丈夫かなどうしようどうしようってすごく悩みながら、その不安なところ、苦手なところ、逃げたいっていうところに立ち向かって突っ込んでいく。それが「もっさん」っていう生き物なんだなっていうことが、最近だんだん分かってきました(笑)。
私の中ではもう勝手に、もっさんはお化けとか怖いものに出会ったら「うわーん! あっち行けー!」って泣きながら自ら突っ込んでいくタイプっていう、イメージができています(笑)。
良い喧嘩と、そうでない喧嘩との分かれ目は?
そして学校での性教育の実践のきっかけのお話もありがとうございます。ひょんなご縁から始まっていったのですね。そういう始まり方ももっさんらしいです。
そこでいろんなことに向き合って、いろんなことを考え、そしていろんなことに気づかされながら、「もっさんの性教育」のスタイルが徐々にできていったのかと思うと、すごくしっくりきます。
でも初めて会った人に学校で授業を依頼するというのも、その先生もたしかになかなかすごいですよね。
それで、もっさんからの質問なんですけど、「夫婦喧嘩」。
性教育は慈しみから始めたい、と言いつつ、「夫婦喧嘩」。
いいですね。その振り幅が(笑)。さすが、もっさん。
もちろん私だって夫婦喧嘩はしますよ。最近はあまりありませんけど、今までに何度かしっかりぶつかり合っています。
そもそも喧嘩っていうのは密度の濃いコミュニケーションですから、決して悪いわけではないと思っています。だからもっさんの言うように、夫婦喧嘩を子どもに見せるのは悪いことでは無いと、私も思います。
でも整体的に言えば、良い喧嘩と良くない喧嘩っていうのがあって、喧嘩した後にスッキリするのが良い喧嘩で、ブスッとくすぶっているのが良くない喧嘩です。
何が違うかって言うと、きちんとお互い全うできているか、発散できているか、さらに言えばコミュニケートできているかっていうことです。
対話は止めない。互いの流れを巡らせる
私が「夫婦喧嘩で絶対にやらない」って決めていることがあって、それは何かって言うと「もういい!」と言って、そこで扉を閉ざして打ち切ってしまうことです。
どんなに腹が立っていても、コミュニケーションの扉はオープンにしておく。だからお互い望めば自由に出入りもできるし、お互い言葉も届く。それが夫婦という関係を続けていくためには、必要不可欠なことだと思っています。
お互いの間をきちんと巡るものがある。
整体的に言えば、流れの止んだところから病んでくるわけで、その方法を選んでしまったら、あとは強ばっていくしかないですよ。一度流れを止めてしまったところに、もう一度流れを取り戻そうというのは、なかなか大変なことですからね。
たぶん世の多くの夫婦関係の「冷え」と「強ばり」の原因は、そこにあります。
だから私は「絶対に対話は止めない」って決めています。
たとえどんなに腹が立っても、対話を止めることはしません。自分の考えを伝えようと工夫するし、相手の考えを理解しようと努力する。その営みをあきらめないことは、私の人生の決意ですかね。
そして私は、その姿勢を親として子どもに見せることはやっぱりすごく大事なことだと思っています。
「人間とは対話をしていく生き物なのだ」ということを、子どもの中には入れていきたい。
なので、「対話をあきらめない喧嘩」であれば、どんな大喧嘩でも大いに見せて良いんじゃないかと、私はそう思っています。
喧嘩のち、仲直りを成立させるには
そして最後の「仲直りについて」ですけど、これ……どうやってるんでしょうね(笑)?
自分でもよく分からないので、妻に聞いてみたところ、「納得いくまで話し合ってる」とのことです。
それって「喧嘩」の領域なのか「仲直り」の領域なのかよく分かりませんけど、でもきっと私たちは「対話をしよう」という前提について大きな合意をしていて、それで喧嘩が仲直りまで含めて、きちんと成り立っているんじゃないかと思います。
あとはお互いできるだけ相手のからだに触れるようにしていますね。もっさんと私のライフワークになっていることですが、「タッチ」というものを夫婦で日頃から実践しています。そういうタッチをし合う関係というものが、お互いの対話を支えていると思います。
○もっさんへの、質問です!
ではそろそろ、あんまり長くなっても申し訳ないので、ここでもっさんに質問です。
夫婦で「これだけは」という決めごと(暗黙でも)などはありますでしょうか?
ふだんからタッチの講座を行なっていますけれども、自身のタッチの実践としては夫婦や家族でどんなことをされていますか?
お返事、お待ちしております!
【イベント告知】
2018年08月25日(土) 13:30〜16:30に、
山上亮さんと山本加世さんによるトークイベント「自分も人もすきになるタッチvol.1」が開催されます。詳細やお申し込みはこちらから↓
イベントページ「「自分も人もすきになるタッチvol.1〜 “慈しみ”からはじまる保健体育」開催!」
ふるってご参加ください!
(第3回 了)
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–Profile–
●山本 加世(Kayo Yamamoto)
就職後、食べ物に関わる仕事がしたいと一念発起、フードコーディネーターとなる。結婚、出産を経てタッチの大切さを普及すべく、ベビーマッサージのインストラクターに。2006年にNPO法人mama’s hugを設立し、 「100の言葉よりhug」をモットーに、心と身体の知能、脳科学、皮膚科学心理術に基づく【Touch学】を提唱する。2013年にはボストン校を開校。ベビー・キッズ・ガクセイ・オトナ・マタニティといった世代別の講座を開講し、インストラクターを養成している。月刊クーヨンをはじめ、取材多数。
Web site NPO法人mama’s hug(ママズハグ)
●山上亮(Ryo Yamakami)
整体ボディワーカー。野口整体とシュタイナー教育の観点から、人が元気に暮らしていける「身体技法」と「生活様式」を研究。整体個人指導、子育て講座、精神障碍者のボディワークなど、はばひろく活躍中。
著書
『子どものこころに触れる整体的子育て(クレヨンハウス)』
『整体的子育て2 わが子にできる手当て編(クレヨンハウス)』
『子どものしぐさはメッセージ(クレヨンハウス)』
『じぶんの学びの見つけ方(共著、フィルムアート社)』
山上 亮FBページ:https://www.facebook.com/yamakamiryo/