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うどん屋の立地条件\( * ´∀` * )/10月13日
高校時代のことです。
夏休み明けに
クラスメイトのN君がこんなことを
言っていました、
「沖縄で深夜の茶店に入ったら
客のほとんどがアメリカの軍人で
ちょっと吸ってみないか誘われて
吸ってみたら目が回ったよ。
あれが大麻と言うんだな」
いつも悟った顔で
ゾッとするようなことを話す奴でした。
N君は、お父さんは誰か分からない
お母さんも本当のお母さんか分からない
そんな家庭に育ちました。
彼の友達は、彼と同じような家庭で勉強をする人は
いませんでした。
でも、高校だけは
卒業したい、そんな連中でしたので
私のお得意さんばかりでした。
彼らは放課後や夏休みの自由、そして、
私は特にアルバイトをしなくても
お金が入ってくるのです。
ギブアンドテイクとは
このことです。
つまり、私は宿題請負業をやっていたのです。
こんな請負の仕事の思い出は
この夏休みにN君の為に作った
地理の地域調査でした。
一つ作るだけでも大変なのに
私は、その夏3つ作りました。
他の宿題もいくつか引きうけて
いましたので、なかなか忙しい夏休みでした。
この3つの地域調査は、
「風呂屋の立地条件」
「薬屋の立地条件」
そして、N君の為に作った
「うどん屋の立地条件」でした。
最初の二つは法律もありますので
衛生上の問題で立地が法律で規制されている
なんて形でまとめた当たり前の地域調査です。
でも、「うどん屋の立地条件」
は、繁盛している店と繁盛していない店を比較したりして結構おもしろい話を書いています。
これが、恐ろしいことに
夏休みの宿題の最優秀に選ばれたのです。
学年全員の前で何にも知らないN君は
発表をしなければならなくなったのです。
いつも悟ったような顔をして先生を
「センコー」と呼んでいる彼もさすがに
困ってしまいました。
結局、彼と私の共同作品ということにして
発表は二人でやることでごまかしました。
彼は、その後出席日数不足で
高校を中退してしまい音信不通になっていました。
それから、5年後のある日、たまたま入った喫茶店で私は彼に再会しました。
その店は
当時ナンパで知り合っていた奥さんと二人で
経営している店だったのです。
子供ができたせいか、当時のような
悟ったような突っ張りではなく、
明るく気さくなマスターになっていました。
奥さんと作った家庭が彼を変えたのです。
人間は環境によって変化できるのです。
ちなみに再会したときの私たちの話題は
もちろん、「うどん屋の立地条件」でした。