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惚れ薬を飲めば、すべて異性にモテモテになるのです。しかし、すべての異性からですから、交通整理が大変です。まことに贅沢な副作用です。

これから5年経っても、一般庶民の暮らし向きは大きく変わりません。
IT革命なんてことを言ってる御仁もおりますが、国民の大多数がインターネットを利用するようになったところで、人生面白くないと思っている人は、やっぱり変わらず存在し続けることになります。
で、何が面白くないって言うと、代表的な理由はモテないことです。
これが一番くやしい。そう思いませんか?
たとえば、「日本一のダメ営業マン」と上司にバカにされたHさんは、焼けくそで女子高生瑠璃子を軟派しました、
「よー、姉ちゃん、俺と付き合わないか?」
この言葉に瑠璃子は、
「おじさん、3万円でどう?」
と来ました。
Hさんは、ニタニタ笑いながら財布をのぞき込むと、
「現金1万円しかない。残りはクレジットカードでどうだ?できたら、リボ払いで」
と言いました。
ムッとした瑠璃子は、
「ばーか、現金に決まってるだろ」
と笑い飛ばして背中を向けます。
ガッカリしたHさんは、
「ワシをなめるとラリアート食らわすぞ」
と捨てぜりふを残して寂しく去って行くのです。
「そんなアナタの為に、できました」
「惚れ薬100万円」
「この薬を飲むと、異性に信じられないくらいモテます。一度お試しください」
寂しくワンルームマンションに帰ってきたHさんに
こんなコマーシャルが飛び込んできたのです。
Hさんは、思わず近所の薬局に飛び込み、この惚れ薬を全財産はたいて買いました。
さーて、翌日からHさんの人生は変わりました。
一声かける必要もありません。
Hさんとすれ違った女性は、まるで催眠術にでもかかったように彼の後を付いてきます。
もちろん、あの女子高生瑠璃子も、
「おじさん、お願い、リボ払いでもオーケーだから」
とお願いしてくる始末です。
ウハウハ気分のHさんであるはずなのですが、現実は甘くありませんでした。
女性にも、いろいろあるからです。
小学生から90才のお婆ちゃんまであるのです。
それに、2025年は、巷にお婆ちゃんが大変多くなっています。
気が付いたら、Hさんは身動きできないくらい多くの老若女女に囲まれていて服を脱がされる、体中にキスされる触られる、大変危険な状態になってしまいました。
「た・・たすけてくれー殺されるー」
と惚れ薬の発売元に電話しました。
製薬会社のお客様サービスは答えました
「使用上の注意を読まれましたか」
「ええ?」
「使用上の注意には、モテすぎに注意ください、と書いてございます」
「ええ!!読んでないようモテないようにする薬はないのかよ」
「もちろん、ございます」
「いくらだ・・・」
「100万円です」
「全額使ってしまったよ。クレジットカード・で、リボで買えないのか」
「申し訳ございません。キャッシュ(現金)でお願いいたします」
「そ、そんな・・・」
「せっかく、夢にまで見たモテモテ男になった今をお楽しみください」
と無情にもお客様サービスは電話を切ってしまいました。
昔から、うまい話には裏があると申しますが、
「た、助けてくれー」
さてさて、Hさんの運命やいかに・・・
 

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