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星を抱く幻想の旅に出ることになりますよ、この小説は。そして――
✨
ひとつ、素敵な小説の本を見つけました!
架空ストア、知ってますか?
本当に存在するのですが、名前は架空ストアです。オンラインショッピングで小説の本も売ってます。
私はたまに寄らせてもらっています。
素敵な、ここでしか買えない本を売っているからです。
お店はこちらから入れます↓
そして、そこで出会えたひとつの作品があります。それは、こちら↓
素晴らしかったので、本の紹介も兼ねて、感想文を書いてみましたー!! ご覧あれ~~。(^^)/
■読書感想文「短編集 星を抱く」
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架空ストア(オンライン販売サイト)にぶらり出掛けまして、本を数冊買いました。その中に草群 鶏さんの「短編集:星を抱く」がありました。
私は実は、文学フリマ東京38には出掛けていたのですが、この本には出会えませんでした。しかし結果的には、今こうして手にすること出来、読ませていただけたのでラッキーです。
まず販売サイトで見かけた際に気になっていたkeywordがありました。「加工 見返しゴールド・角丸加工」です。私はとても装丁にも興味があり、自分でも業者さんに製本してもらった経験がありますが、見返しがゴールドで角丸加工?! 興味が湧きました。そして家に届いた作品を拝見すると、その装丁設計が美しいことにまず感動しました。(これって、コスト高くない? でも、この価格で売ってくれていいんですか?)とそんな風に思いました。勝手な予想でしたが(違ったらすいません)、草群 鶏さんが最初に手がけた製本作品だとすると、それだけ想いも籠もっているだろうとの期待感を裏切らない素晴らしい“造り”でした。手にすることが出来て、幸運です。
さて、では小説の中身の感想へ移りましょう。
まず、今回読みたかったのは短編集でした。短編小説が読みたかったのです。日常の疲れを隙間で癒してくれたり、一度に何個もの物語に浸れる充実感を生むのも短編集の良いところだからです。
草群 鶏さんの「短編集:星を抱く」は、8篇(厳密には9篇)の作品集でした。あとがきには「跳んだり跳ねたり全8篇」と表現されていましたが、私には作者のポリシーというか書きたい筋のようなものを感じ取れました。ファンタジーを織り込む空想力が素晴らしく、どこから湧いているのか学びたいと感じたほどです。
「色糸」「耳もとに春」の2作品は導入には相応しく、自然な日常が美しいという印象になります。大事件が起きるわけでもないのにほっとするそんな作品だと感じました。
「あらわれた同居人」では、詳細は語れませんが、たけしの心に優しさという感情が見えてくると、物語の非日常性と展開が心地良くなり、爽やかな読み心地とでも言うべきでしょうか? そんな感じになりました。
このあとです。作品集が山場というか、重厚さが増してきたのです。「雨垂拍子」は多分、この本の中で私は1、2番を争う好感度です。神社・祭り・舞、といったジャンルの作品は信仰に近い不思議な魔法に包まれますが、それ故に起こるファンタジックな事態は神話に化けます。私はその感覚に落とされました。これを出して良いか迷いましたが(書きますが)、「鬼滅の刃」が流行りましたが、似た荘厳さがあります。作者の方の想いと異なっていたらすいません!
「運の尽き」「豊穣」では、龍の物語を見事に短い文章の中に織り込みましたね。こういうのを私自身は挑戦したことがなかったので、感心させられました。連作(ですよね?)のこの二つは、その性質か、文字数以上の物語が後ろに存在しているように感じられて綺麗でした。
「飛べない鳥と獣の仔」では、ハイネの心の揺らぎを、「湖畔の王」には、ハルトと多くの登場人物達の感情の起伏を、流れる物語に刻々と楽しみながら、ファンタジー世界に誘われました。そうです、私はひとつ確信して、また好感を持てた点がありますが、それはファンタジーです。ファンタジー色を色濃く芯に持たれているという点です。それは時に短編ではありながらも、劇団_四季に演じてもらいたいような壮大さを持つ物語であり、ディズニー映画にある魔法のようなお話であるのです。特に本の中では最も長編である「湖畔の王」は、アニメか演劇で上演して欲しいと思いましたね。この路線好きな人には、ぜったい喜ばれる作品なのだろうと感じます。
そして私がもっとも素晴らしいと感じた、私の中でのお気に入りは「地の果ての音楽」でした。これはラストのネタバレはしませんが、(ああ美しい! こういうお話を私も書きたい! うーん、良かった)という感想です。ファンタジー色は勿論ありますが、幻想的で、スノードームを揺らしたような甘美な読了感に満たされました。
終わりよければ、では無いですが、とても良い全作品たちの総合的な好感度が確固たるものになりました。
仕事の傍ら、数日ほどで読ませていただきましたが、とても有意義な時間でした。
私の感想です。
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作者の草群 鶏さんのサイトをいくつか見つけました。リンクさせていただきました。是非、見てみてください。
最後まで、読んでくださりありがとうございます。✨
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