DX戦記~DXが出来ない3つの要因(その2)
やぁ、みんな。
このDX戦記は「DX=今風の仕事のやり方をする」という定義で、なんで日本の組織がそれをできないか、いろいろな観点で語る試みをしているよ。
前回からは「3つの要因」として、DXが出来ない要因をシンプルに説明しようと試みているんだよ。
1つ目の要因は「業務を管理統制しない経営層」だったね。
DX戦記~DXが出来ない3つの要因(その1)|葛西 (note.com)
今日は、2つ目の要因について語るよ。
DX阻害要因その2
~低い「業務の」ITリテラシー~
これを言っちゃあ、おしまいなんだけど、日本の組織は総じて業務のITリテラシーが低いと思うんだ。
紙だらけのオフィスを見ても、それはよくわかるよね。
ITツールを便利に生活で使うスキルは高いけど「業務でITツールを便利に使う」スキルが無い
ここでは、スマホを使う事も出来ないヤバい「偉い人」たちみたいな、論外な人たちではなくて、現場で働く人たちの話だよ。
現場で働く人たちは、スマホは使えるし、SNSの投稿もできるんだ。もちろん、サイゼリヤでスマホ注文もできる。
よくDXを語る人たちは、サイゼリヤでスマホ注文ができる事をITリテラシーが高いみたいな事を言うけど、全然違うんだ。
例えば、タクシーに乗って移動する(消費)のと、トラックに荷物を載せて運転する(生産)のは全く違うよね。
同じように、生活の中でITツールを使ってサービスを受ける(消費者としてのITリテラシー)のと、仕事でITツールを使って稼ぐ(業務のITリテラシー)というのは、別次元の話なんだよ。
「業務のITを使う」という事の意味と、求められるITリテラシー
業務のITツールというのは何かというと、言葉どおり仕事の中で使うツールだよ。例えばLINE WORKSや、経費精算なんちゃらや、WORDやEXCEL、OUTLOOK、CAD、なんでもかんでもだよ。
これを漠然と、普段のYoutubeやNetflix、Instagramを使うように仕事をしていちゃあだめなんだよ。
仕事ってのは、与えられた道具を使ってどんだけ成果を効率的に生み出すかってのも、仕事のうちに含まれるんだよ。
つまり「業務のITを使う」ところで求められるITリテラシーってのは、この情報処理技術や、その構造(テクノロジーやアーキテクチャ)を使って、ビジネスの価値(システムの効用)を高めるかって考えて、実行できることなんだ。
ちなみに、ここで言う「技術(テクノロジー)」「アーキテクチャ(構造)」「ビジネス(システム)」というのが難しかったら、以下の記事を参考にしてね!
業務のITリテラシーを高める方法
じゃあ、どうやって業務のITリテラシーを高めるかって話について、説明するね。
自分の業務がビジネス・システムの中でどのような機能を担うか把握する
ようするに、自分の業務って、価値を生み出すシステムの全体から見て、どのような機能を果たしているか(※1)を理解するんだ。
なぜなら、IT(情報技術)は、資源(ヒト・モノ・カネ)の持つ能力の実行力を底上げする技術(※2)なので、自分が担う機能をどう利用すれば、全体的な価値創造を実現できるか、という観点に基づいて利用されないと、意味がないんだ。
使うITツールを知る
自分の担う業務が、全体の中でどう機能を果たしているか、全体の能力を上げていくにはどんな動き方をすれば良いかを理解したら、それを実行するためには、ITツールをどう使ったらいいかを考える事になるよ。
そのためには、ITツールの事を知って、どう使うかを考えないといけないんだ。
その時、実際にできるかどうか、試験をしながらやるのが正解だよ。
あと、自分の既存の業務だけを見ていちゃだめで、全体の流れ自体を考えて、既存の仕事をどれだけ無くせるかとか、新しい・よりよい機能を作れるかどうか、という事を考えるんだ。
だから、前段にある「自分が何の機能を担っているか」というのが必要なスキルなんだ。
最後に
というわけで、日本の組織がDXできない理由の2つ目、「低い業務のITリテラシー」について、ちょっと長くなっちゃった(主に※の記述が)けど、分かってくれたかな。
そして、それを克服する方法として、(1)業務どのような機能を担うか把握すると(2)ITツールを知るという事を説明したんだけど、これは簡単そうに見えて、今の大人たちには難しいみたいなんんだ。
なぜなら、日本では学校でワーカーとしての教育がメインだったので、言われたことを正確にやるという事に価値観が置かれていたことと、ハードの上を流通する情報技術をとても軽視して(※3)教えていなかったからね。
だから、当面は難しくて、たぶん、君たちか、君たち世代が活躍する時代まで、日本の組織は「DX」と言い続けると思うよ。