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DX戦記~日本のIT文化における「保護主義」の問題
デジタル化の時代になって、ITシステムはみんなの仕事や競争力に大きく関わっています。でも、日本のIT文化には、デジタル化を邪魔している「保護主義」という問題があります。今回は、保護主義って何なのか、どんな悪影響があるのか、どうやって乗り越えるのか、についてお話しします。
保護主義って何?
保護主義とは、何かを変えるのがイヤで、今のままでいたいと思う気持ちのことです。日本のIT文化では、保護主義はこんなふうに現れています。
今の仕事を守りたいユーザー
今の仕事を守ってあげたいベンダー
今の仕事を守り、何一つ変えようとしないユーザー
ユーザーとは、ITシステムを使っている会社や部署のことです。ユーザーは、自分たちの仕事を変えるのが怖くて、新しい技術や方法に対して疑いの目を向けています。だから、ITシステムはユーザーの望みどおりに作られるだけで、仕事の効率や質にはあまり役に立っていません。
そんなユーザーにつけ込み、仕事を保護するベンダー
ベンダーとは、ITシステムを作ってくれる会社のことです。ベンダーは、ユーザーの今の仕事を守りたい。なぜなら、ユーザーの仕事が変わると、ベンダーの今のテクノロジーとビジネスモデルがいらなくなるかもしれないからです。だから、ベンダーは、ユーザーの保護主義につけ込んで、高いお金を取っています。
保護主義の悪影響
保護主義は、デジタル化を邪魔している大きな問題です。保護主義のせいで、こんなことが起こっています。
お金ばかりかかって、効果の無いITシステムができあがってしまう
仕事の変え方や新しいことを考えるのが苦手になる
他の会社や国に負けてしまう
今の仕事をそのまま再現するので微々たる効果しか生まれない
保護主義になると、ITシステムは、今の仕事をそのまま再現するだけのものになってしまいます。でも、それじゃあ、仕事の問題点やムダを解決できません。それに、新しい技術や方法を使うこともできません。結局、ITシステムは、高いお金を払っても、あまり役に立たないものになってしまいます。
変わることが出来ず、優位性を喪失するビジネス
保護主義になってしまうと、仕事の変え方や新しいことを考えるのが苦手になってしまいます。なぜなら、仕事を変えることに対して、ユーザーもベンダーもやる気がないからです。でも、それじゃあ、市場や環境の変化に対応できません。それに、他の会社や国との競争にも負けてしまいます。結局、仕事の競争力や生産性が下がってしまいます。
保護主義を乗り越えるには
保護主義を乗り越えるには、ユーザーとベンダーの両方が、新しい目線と気持ちを持つ必要があります。
ユーザーは、新しい技術を理解して、それを使って仕事を組み直すこと
仕事に耐えるシステムを提供できないベンダーとは付き合わない
ITを学ぼうとしない経営者、管理職は引退
ユーザーは、新しい技術を理解することが大事です。新しい技術とは、クラウドやAIなどの最新のIT技術のことです。これらの技術は、仕事の効率や質を高めることができます。でも、それを実現するには、ユーザーが、自分たちの仕事を新しい技術に合わせて変えることが必要です。そのためには、ユーザーは、新しい技術の特徴やメリットを理解し、それを使って仕事を組み直すことが求められます。それが理解できないユーザーの決裁者は排除されるべきです。
一言目には「カスタマイズ」というパッケージ/クラウドベンダーとは付き合わない
ベンダーは、仕事に合った技術を作り、提供することが仕事です。仕事の変化や成長に対応できるITシステムは、仕事の変え方や新しいことを考えるのを助けてくれます。でも、それを実現するには、ベンダーに業務に耐えうるITシステムを作れるだけの能力が備わっていなければなりません。
そのため、ユーザーは、オリジナル開発品はさておき、パッケージ/クラウドサービスなのに、一言目に「カスタマイズ」というようなベンダーとは付き合ってはいけません。そもそも、パッケージ/クラウドは、ターゲットユーザーの業務の最大公約数に向けた実装するというのがビジネスモデルです。それすらできないベンダーとは付き合っても徒労に終わるでしょう。