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【資格】貸金業務取扱主任者 その1 資格概要


1 どんな資格か

貸金業法の改正により貸金業を営む者は一定人数ごとに1人の有資格者を置くことになった。いわゆる必置の国家資格である。不動産業の宅建と同様の制度だ。この背景には、一部消費者金融の行き過ぎた債権回収などの社会問題があった。国家資格制度構築にあたっては「貸金業制度等に関する懇談会」が設けられたところ、第6回会議議事録は伝説となっている。すなわち、「貸金業を営もうとする者に対し、…充分な法令知識とその遵法意識を求めるべき。…悪質行為を行う若者の最大のウィークポイントは資格試験のため…統一の資格試験を実施すべき。」と。忌憚なさにおいて歴史に炎でその名を刻みつける議論である(→議事録)。

2 自治体との関係

貸金業法は金銭の貸付を行う者を対象としているところ、自治体も貸付を行う場合がある。奨学金や中小企業・農業者向けの融資などである。では、貸金業法は適用されるか?実は自治体は適用除外である。これは「自治体は行き過ぎた取り立てはしないから」と説明される。しかし実際は、「平等」の実現のため、民間なら費用対効果的に訴訟しないような案件でも回収するという特徴がある。「必ずしも損得で債権回収をしていない。正義のために回収する」というのは、ある意味では、結構シビアだ。

3 合格率と難易度

この試験の合格率はおおむね30%で安定している。資格サイトでは偏差値53とかされるが、これは正規分布で偏差値55が上位約30.8%であることからの算出だろう。
さて、直近5年の合格点が32、29、33、31、28(R4)と、あからさまに調整している資格である。そうすると、この資格は相対評価の競争試験であって、その年の受験者の上位30%以内の得点を取る必要があるということだ。さほど難しい訳でもない。が、受験者の多くは貸金業務に携わる皆さんである。この中にあって、民事債権をあまり扱わず、貸金業法の実務を知らない公務員が上位30%に入るというのは、なかなか難しいのかもしれない。『アカギ』でいうところの「異物アリ・・・』というやつだ。

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