【学位】放送大学エキスパート その1「公務員のためのリベラル・アーツ」のために
1 リベラル・アーツ
公務員が資格を取得する場合のメリット、経験上のポイントなどを書き連ねてきた。手持ちの資格ネタはまだあるが飽きてきたので、ここで目先を変える話題を1つ書こう。つねづね考えてきたことなのだが、僕は「公務員のためのリベラル・アーツ」とでもいうべき学問があるのではないかと思っている。
若い頃は受験法学に時間を費やしてきた。法学の資格や知識は役に立つ場面が多かったが、同時にエクセルやワードの前に立ち竦んだこともあった。単純なパソコン操作の話だけではない。アンケートの集計については統計学、外国籍住民との話では語学などの必要性を感じるのだ。
かつて中世ヨーロッパでは「リベラル・アーツ(自由七科)」というものがあった。古代ギリシアの「自由人としての教養」という考え方まで遡るものだ。具体的には、文法・修辞学・論理学・算術・幾何学・音楽・天文学の7科目をいい、実利的な学問と対置されるようなものだったという。これに準えるなら、現代の公務員として生きていくため必要な学問は、おおむね次のようなものではなかろうか。
語学(英・中・ポ)
論理学
統計学
情報科学
法学(コモンセンスレベルのもの)
政治学(公共哲学/思想)
心理学(仮)
僕はこれを「公務員のためのリベラル・アーツ」といってもいいのではないかと思う。
2 放送大学エキスパート
さて。これらについては、それぞれ専門の資格試験がある。が、実務では全てに専門的な知識まで必要ではない。原則を知っていれば十分だ。という訳で、
これらの科目について、無理なくゆっくり学び、
できるなら学んだ経過を対外的に記載でき、資格試験みたいに合格/不合格のゼロサムゲームではないものはないか
と考えたとき、標記の「放送大学エキスパート」という制度を利用したい(おすすめしたい)のだ。長くなったので、この制度概要は次回に記載しよう。
なお、1つ注意しておくと、僕は「公務員のためのリベラル・アーツ」しか仕事で役立たないと言っている訳ではない。法学でも経済学でも何か1つ自分に「売り」を作るのは大事だが、それだけでは足りないと言っているのだ。逆に言うと、核になる専門がないと、結局のところ色んな戦線に送り込まれる汎用ユニットになるのがオチである。