【医師論文まとめ】術後のせん妄のリスクを高める「血液脳関門」の機能不全
背景
術後せん妄は高齢者にとって深刻な合併症です。ICUに入院した状態で意識混濁や見当識障害が生じ、時に幻覚や妄想を伴う症状が次第に増悪します。せん妄は術後の回復を遅らせ、退院までの期間を延長させます。
デューク大学の研究者らは、血液脳関門の機能障害がせん妄発症リスクを高めることを明らかにしました。血液脳関門は脳血管の細胞間にあり、有害物質の浸透を防ぐバリアの役割があります。
方法
研究チームは207人の高齢手術患者を対象に、手術前後の血液と脳脊髄液のアルブミン濃度比を測定しました。この比率の上昇は血液脳関門の透過性亢進を反映します。
結果
ここから先は
416字
/
2画像
よろしければサポートをお願いいたします。 活動の充実にあなたの力をいただきたいのです。