見出し画像

【医療保険】入院保障は必要?入院保障の特徴と注意ポイント

「入院保障はいらないと聞いたことがあるけれど…」と、入院保障が必要なのか?仮に必要ならば、どれくらいの保障が良いのか?

入院保障に関して疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

これは、日本の公的な健康保険制度が充実しているからこその疑問ですね。

今回は医療保険の一部である『入院保障』について特徴や注意ポイントなどをお伝えします。


■入院保障ってどんな保障?

入院保障は、医療保険の一部で、病気やケガの治療で入院することになった際に給付金が支給されるものです。

そして入院給付金と手術給付金が主な保障内容となっているものがほとんどです。

入院給付金は、入院日数×1日あたりの給付金で給付金額が決まる日額タイプが主流です。その他に、一時金が支払われるタイプや日額と一時金が支払われるタイプがあります。

日額タイプの場合、1日あたり5,000円や10,000円など給付金額が設定されています。

手術給付金は対象となる手術を受けた際に支払われる給付金です。


■入院しても給付金が支払われないケース

入院保障は、ケガや病気の治療を目的とした入院や手術に対して支払われます。

そのため、
・人間ドックや健康診断などの検査目的の入院
・美容整形などの治療を目的としない入院・手術
については給付を受けられません。

また、自然分娩での出産のための入院も治療目的に当たらないため給付を受けられません。ただし、切迫早産で入院した場合や帝王切開での出産だった場合は給付されることもあります
こちらに関しては保険会社によっても違うため、給付の条件を確認しておくようにしましょう。


■公的医療保険の保障範囲

入院保障の必要性を考える前に、公的な医療保険でどのような保障があるのかを確認しておきましょう。

公的な医療保険では、健康保険証を提示することで自己負担額は原則3割(小学生~70歳未満)です。これは入院や手術においても同じです。

また、医療費が高額になった場合は高額療養費制度が利用できます。1ヶ月の医療費の自己負担額が定められており、それを越えた金額が払い戻しされる仕組みになっています。

ただし、注意点として同じ月の1日~末日において支払う医療費が月をまたいだ入院の場合、高額療養費の上限がリセットされてしまうため、支払った医療費の払い戻し金額が低くなる場合もあります。

公的な医療保険が適用されるのは保険適用の医療費のみなので、先進医療などの適用外の医療費や差額ベッド代、入院中の食事代、衣類などは自己負担です。

その他、ご家族のお見舞いにかかる交通費や入院による減収も公的医療保険では対応することができません。


■平均的な入院日数や入院費用は?

それでは、実際に入院した場合どれくらい費用がかかるのかを見ていきましょう。

公益財団法人生命保険文化センター
令和元年度「生活保障に関する調査」によると
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r1/2019honshi_all.pdf

過去5年で入院した経験のある人の割合 13.7%
上記、入院経験がある方の平均入院日数は15.7日でした。
また年齢別で見ると、高年齢層ほど入院日数が長くなる傾向にあります。

入院で自己負担した金額について治療費の自己負担額、食事代、差額ベッド代、見舞いも含む交通費、衣類、日用品などを含めた額でさらに高額療養費制度を利用した場合は利用後の金額に対する回答は、平均20.8万円でした。

公的医療保険・高額療養費制度を利用しても20.8万円の出費が必要になるということです。

また、入院日数が長くなるほど自己負担費用が高くなり、61日以上の場合は60.9万円となりました。

この自己負担費用の総額を入院1日あたりで計算すると平均で1日あたり23,000円でした。ただし、費用分布で見ると、15,000円未満が全体の53.5%となっています。

どのようなケガや病気なのかどのような治療をするかで状況は人それぞれですが、しかし平均値を保険の検討をする材料として利用するのは有効です。

■入院保障の必要性は高い

上記の通り、公的な医療保険や高額療養費制度を利用しても一定の自己負担が必要となります。

また、入院により逸失収入(怪我や入院をしなければ本来もらえるはずであった収入)があった割合は21.6%となっており、その平均額は32.0%となっています。

また、入院時の自己負担費用や逸失収入の充当手段としてもっも多かったのが保険による充当で63.4%。次いで、預貯金による充当が38.2%でした。
https://www.jili.or.jp/files/research/chousa/pdf/r1/2019honshi_all.pdf

これらのデータから、万一のための入院保障の必要性は高いと考えられます。

■入院保障の種類や特約について

入院保障には大きく2つの種類があります。

1)定期型
保険期間が一定期間で終了する保険契約です。
期間終了時に継続する場合は更新をおこないます。
更新のたびに支払う保険料が高くなっていきます。その理由としては、年齢により病気になるリスクが上がるためです。
定期的に保険を見直したい方は定期型が良いでしょう。

2)終身型
一生涯保障が続く保険です。
終身型の場合は支払う保険料が一定です。
終身型には一定の払込期間を定める短期払いと死亡するまで払込をする終身払い、仕事が定年になるタイミング前後の55歳払い、60歳払い、65歳払いなどがあります。こちらに関しては保険会社にもよります。
月々の保険料は短期払いよりも終身払いの方が安くなります。


■入院保障のチェックポイント

入院保障では、入院日数によって給付金額を算出する日額タイプが主流となっています。

しかし、契約する内容により違いがあるのでご自身の希望する保障と照らし合わせて必要な条件を検討してください。


◆給付の開始

入院に対して給付金が支給される保険でも給付対象となる開始日がそれぞれ設定さられています。

近年は入院日数が短くなっているため、日帰り入院でも給付される保険もあります。入院〇日目以降から給付対象となっている保険では設定日数に満たない入院の場合は給付金が支給されません。

たとえば、入院4日目以降と設定されている場合は入院1日ですと給付金はありません。

◆支払限度日数

1回の入院での日数が60日までや120日までなど給付金が支給される限度日数が設定されています。

支払限度日数を越えたものは保障されないので注意が必要です。

この1回の入院日数は、2回以上入院した場合でも原因が同じ場合は退院日の翌日から180日以内の入院は1回目の入院とみなされます。

たとえば、支払い限度日数が60日だった場合、1回目の入院で40日で同じ原因で90日後に2回目の入院が30日必要だった場合は、40日+30日=70日ですが、1回の入院とみなされるため、10日分の給付金は支給されません。


■まとめ

入院でかかる自己負担額や保障の種類や内容についてみてきました。

会社員や公務員の方は、入院によって仕事ができなかった場合、傷病手当金を受け取れるため、休職中も一定の収入を得ることができます。

しかし自営業の方など国民健康保険の場合は傷病手当金がないため、入院期間中の逸失収入(働くことができていれば得られていた収入)を考慮する必要があるでしょう。

ご自身のライフスタイル等に併せて保障範囲や支払う保険料を検討する必要があります。

ご自身に合った入院保障を検討したい方や現在の保険プランについて見直したい方はぜひ担当者に相談をしてみてください。