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【値上げ!?】火災保険の選び方と注意したいポイント

火災保険は、建物や家財に対する損害を補償する保険です。
火災保険という名称ですが、補償の範囲は火災だけでなく
落雷や水害などの自然災害や盗難・事故まで幅広く対応しています。
ただし、その補償範囲をどのように設定するかで
実際に損害をうけたときの保険料の支払い可否が変わります。

今回は、お住まいの環境などに照らし合わせて
最適な火災保険を選べるよう
注意したいポイントなどをお伝えします。


■2022年10月から火災保険料が値上げされます

近年、大規模な自然災害の発生が相次いでいるため、
火災保険料が徐々に値上げされていました。
そんな中、2022年10月から火災保険料の大幅な値上げた発表されました。

火災保険料算出の目安となる「参考純率」が
全国平均を10.9%引き上げられます。
各保険会社ではこれに事業費などを上乗せするため
11~13%の値上げになる見込みです。

これは2000年以降、最大の値上げ率となっています。

また、これまで10年だった最長契約期間が5年に短縮されます。
長期契約による割引率が低くなり、
保険料の改訂の影響も受けやすくなります。

今回の改訂は、2022年10月1日以降に
補償開始日を迎える火災保険が対象です。

火災保険の加入や見直しを検討している方は
早めのご契約をおすすめします。


■ポイント1:火災保険で補償される対象

火災保険を契約するにあたり、
まず決めなければいけないのが
補償される対象をどうするかです。

補償の対象は以下の3パターンから選択します。
①建物のみ
建物、門や塀、物置、車庫など
②家財のみ
テレビ、冷蔵庫、パソコン、テーブルなど
③建物+家財

建物に含まれる範囲、家財に含まれる範囲については
保険によって違いがあるため詳しくは保険の詳細を確認しましょう。

賃貸物件の場合、建物部分は持ち主(貸主)が火災保険に加入しています。
そのため家財のみを選択してください。

持ち家の場合は補償と支払いのバランスなどを考えて
上記の①~③のどれかを選択します。

分譲マンションの場合はマンション共用部分は管理組合などで火災保険に加入します。
個人は自身が専有する部分に火災保険をかけます。
具体的にどの部分が対象になるのかを確認しておきましょう。


■ポイント2:建物の構造級別の確認

火災保険は、建物の構造によって保険料が違います。
例えば、耐火性の高い建物は保険料が安くなり、
耐火性の低い建物は保険料が高くなります。

構造級別は、木造や鉄骨造などの建物の種類と
法令上定められている建物の性能によって判断され、
「M構造」「T構造」「H構造」で等級分けされます。

マンションなどは「M構造」です。
一戸建ては「T構造」「H構造」に分類され、
「T構造」はコンクリート造や鉄骨造など耐火性能の高い建物です。
上記以外の建物が「H構造」に分類されます。
※木造建築でも準耐火建築物等、一定の耐火基準を満たしている場合は
「T構造」に分類されます。

建物がどの等級になるのかは
不動産取引書類や建築確認申請書類、設計仕様書
メーカーの証明書類などを参照して確認してください。


■ポイント3:補償の範囲

火災保険の補償は基本補償とオプション補償で成り立ちます。
まずは基本補償に何が含まれているかを確認し、
不足しているものについてオプション補償をプラスします。

幅広い補償をつければいざというときに安心ですが、
その分保険料は高くなります。

また建物がある場所の地形などの環境によって
リスクの高い損害とリスクの低い損害が考えられます。
例えば河川が近い立地の場合は水災のリスクが高いと考えられます。

ハザードマップを活用することで、
立地条件におけるリスクに合わせて補償範囲を選択する指針になります。

●地震保険の付帯について

火災保険では地震や津波による損害は補償されません。
この地震や津波による損害を補償するのが地震保険です。

地震保険は火災保険に付帯する形で契約するため
地震保険単体で加入することはできません。
そのため、補償の範囲を検討する際、
地震保険の付帯についても検討してください。

地震保険は民間の保険会社と国が共同で運営しています。
大規模な地震により、保険会社だけでは補償しきれない場合は
国が保険金を支払う仕組みになっています。
ただし、建物や家財の損害額をすべて補償はできません。
地震保険は被災した際に生活を立て直すための資金
のような位置づけになっています。

年々地震保険を付帯する件数が増加しており、
2020年度は地震保険の付帯率が68.3%となっています。
(参考:損害保険料算出機構
https://www.giroj.or.jp/databank/earthquake.html#horizontalTab1)


■ポイント4:保険金額の決め方

①建物の保険金額
建物の保険金額を決めるためには、
まず建物の価値を評価しなければいけません。
その評価の基準は「新価(しんか)」と「時価(じか)」があります。

新価…今と同じ建物を新たに購入するために必要な金額(再調達価格)
時価…新価から経年劣化などによる価値の減少を差し引いた価格

保険金額を時価で設定した場合は、新価で設定するよりも
保険料が低くなります。
しかし、万一の損害が発生して
建物の建て替えや買い替えをしようと思ったとき
補償の金額では足りなくなる可能性が高くなります。
そのため、新価での保険料の設定がおすすめです。

②家財の保険金額
家財は建物の中や敷地内にある、移動させられるもの(動産)です。
テレビや冷蔵庫、パソコン、テーブル、ソファーなど
生活に必要なモノが家財と言われます。

これらの生活に必要なモノをすべて買い替えた場合
どれくらいの費用がかかるかを計算して保険金額を設定しましょう。
ただし、保険金額が高くなれば支払う保険料も高くなるので
バランスを考えて設定してください。

また、高額な貴金属や美術品なども家財の補償対象になります。
ただし1点または1組30万円を超えるものは「明記物件」として
申請しなければ補償されないケースがありますので注意してください。


■ポイント5:保険期間を決める

火災保険の保険期間は1~10年の間で設定することができます。
※2022年10月からは1~5年に変更されます。

契約期間が長いほど割引率が高くなるので保険料が長くなります。
1年ごとに更新するよりも、複数年で契約した方がお値打ちになります。

引っ越しをする可能性がない場合は長期契約も検討してみてください。
支払い方法は月払い、年払い、一括払いがあります。
一括払いの場合は保険料が安くなりますが、
初期の支払金額が大きくなるので注意してください。

引っ越しの予定がある場合や賃貸物件
定期的に補償内容を見直したいという場合には
短期の契約にしましょう。


■まとめ

火災保険を検討するためには、
補償の範囲や保険料金など考えるべきことがたくさんあります。

しかし、万一のときにご自身やご家族の生活を守るために
とても大切な保険です。

基本的な条件が決まったら複数の保険会社を比較して検討してみてください。

検討することが多すぎてわからない
どんな補償や保険料が適しているのかわからない
今の保険を見直したいけど判断が難しい
などと火災保険について不明な点や不安がある場合は
ぜひ担当者にご相談ください。