【老後】安心して暮らせる老後のための資産形成とは?
現在は「人生100年時代」と言われていますが、
老後にどれくらいのお金が必要になるか考えたことはあるでしょうか?
令和元年に発表された"金融審議会市場ワーキング・グループ「高齢社会における資産形成・管理」報告書(案)"において、
・公的年金だけでは満足な生活水準に届かない可能性がある。
・就労継続の模索、自らの出資の再検討・削減、そして保有する資産を活用した資産形成・運用といった「自助」の充実を行っていく必要があるといえる。
とう発表がありました。
つまり、「公的年金だけでは老後の生活が厳しいかもしれないので働いて稼ぐ、節約する、資産運用するなどの方法で自分たちで老後の生活をまかなっていこう」という意味です。
今回は、『老後』にスポットを当てて安心して暮らすための貯蓄や資産運用などについてお伝えします。
■老後に必要となる金額と年金
総務省統計局『平成27年家計調査年報』によると、
高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上)の家計支出は約27.7万円でした。
一方で受け取れる年金の平均額は19.5万円です。
つまり、月々8.2万円が不足している状況です。
これを65歳から85歳までの20年間にすると約1,968万円が不足する計算になります。
この不足分を退職金や貯蓄でカバーしていく必要性があると考えられます。
ただしこれは、自営業なのか会社勤めなのか夫婦共働きなのか配偶者が専業主婦(主夫)なのか、などによって変動します。
たとえば自営業者やフリーランスなどの国民年金加入者は、基礎年金が約6万円です。
こうした背景をもとに、老後に必要な資産を構築することが必要となります。
■貯蓄の期間
貯蓄の黄金式は『時間×利率×金額』です。
たとえば、働ける年数が短い方は利率や月々の金額で調整する必要があります。
月々の金額をあまり貯蓄できない方は時間や利率で調整することになります。
それぞれのライフプランに合わせて
・どのような金融商品が適しているのか?
・どのようなリスクをとり、どのようなリターンを目指すのか?
といったことを検討して将来に必要な資金を準備しましょう。
●黄金式の『時間』
若い方はなかなか老後のことを考えられないかもしれませんが、老後の資金の準備は『時間』が長いほど負担を少なくできます。
仮に、65歳までに3,000万円貯めたいと考えている場合、
35歳の方はこのように月々の貯金額が計算できます。
3,000万円 ÷ (30年 × 12ヶ月) = 8.3円
つまり、月々8.3万円貯金をしなければ目標額を達成できません。
また、45歳からスタートした場合は、
3,000万円 ÷ (20年 × 12ヶ月) = 12.5円
月々12.5万円の貯金が必要になります。
このように、できるだけ早い時期にスタートすることで
貯金する時間を長くできるため、月々の負担を軽くして目標額を達成することができます。
●黄金式の『利率』
35歳から65歳までの30年間
毎月5万円を銀行で貯金した場合、
30年 × 12ヶ月 × 5万円 = 1,800万円
現在、銀行の金利はほぼゼロ%なので、ご自身が月々入金した金額を積み上げた額がそのまま貯蓄額になります。
積み立てた金額を運用して金利が得られる場合、
金利3%の場合は 約2,855万円
金利5%の場合は 約3,986万円
同じ30年間の積み立てでも、貯蓄の額が大きく変化します。
金利には「単利」と「複利」という言葉があります。
検討をする上でわかりづらく感じる言葉ですが、
「単利」とは、元本だけに利息がつくもの、
「複利」とは、元本だけでなく利息にも利息がつくものです。
元本100万円 金利10%の場合、
「単利」 1年後 110万円 2年後 120万円 3年後 130万円
「複利」 1年後 110万円 2年後 121万円 3年後 133.1万円
このように少しずつ複利の方が増えていきます。
そして30年後には
「単利」約400万円 「複利」約1,746万円
このように大きな差ができます。
■投資とはどういうものか?
積み立てた金額を増やすためには利率が重要になることはおわかりいただけたと思います。
しかし、現在の普通預金の金利は0.001%です。
できるだけ高い金利で積み立てをするための有効な手段が『投資』です。
しかし、「投資は怖い」「まとまったお金がない」「どうすれば良いかわからない」などの言葉をよく聞きます。
まずは投資とはどんなものかを理解しましょう。
『預貯金』 銀行などに貯めるお金で使うことができるお金です。
『投資』 コツコツと時間をかけてお金を育てていくものです。
『投機』 株式短期売買やFXなどで、運用に知識が必要でリスクも大きくなります。
投資に怖いというイメージをお持ちの方は、実は『投機』のことをイメージしている場合が多いのです。
■投資をするためのルール
投資は比較的リスクが少ないものですがまったくリスクがないわけではありません。そのため、まずは基本的なルールを理解しておく必要があります。
①長期投資 じっくり
外国株式の保有期間ごとのリターンを比較すると1年間保有した場合、
最も高いリターン率は66%でしたが
最も低いリターン率は-53%でした。
一方で、30年間保有した場合は
最も高いリターン率は11%
最も低いリターン率は7%でした。
66%と比較すると小さいリターンに感じるかもしれませんが、銀行金利が0.001%であることを考えると7%でもかなり良い利率であることがわかります。
また、最も低いケースでもマイナスになっていないことがわかります。
このように、短期の場合はハイリターンを期待できるもののリスクも大きくなります。
投資は長期で考えることでリスクを減らして安全に資産を増やすことができます。
②資産分散 バラバラ
投資の格言のひとつに、「ひとつのカゴにすべての卵を盛るな」という言葉があります。
ひとつのカゴでは何かトラブルがあった場合、卵がすべて割れてしまいます。
しかし、卵ほ複数のカゴに入れていると、ひとつのカゴでトラブルがあった場合でも他のカゴの卵は守ることができます。
このようなイメージで投資をする場合も、投資先を分散することでリスクを減らすことができます。
個人で分散して投資をするのはなかなか大変ですが預かった資産を代行して分散投資してくれるファンドがあります。
そのようなファンドを活用することで気軽に分散投資をすることができます。
③時間分散 コツコツ
時間分散とは、1度に大きな金額を投資するのではなく、月々積み立て投資をしていくことです。
たとえば、1度に12万円投資する場合も月1万円を12ヶ月投資する場合も投資する総額は同じです。
しかし、1度に12万円投資した場合は、投資した時点の金融商品の価格が下がると損失になります。
10,000円の価格の商品を12口購入したなら1年後の価格が5,000円になっていたら保有している価格は6万円になります
スタート時:12万円÷1万円=12口
1年後:12口×5,000円=6万円
月々1万円ずつ購入する場合、
スタート時 1万円÷1万円=1口
2ヶ月目 1万円÷8,000円=1.25口
3ヶ月目 1万円÷7,000円=1.43口
というように、価格が下がった場合は購入できる数が増えます。
価格が下がったときに購入口数が増えるため、価格がそこから上昇すると利益率が高くなります。
価格は日々変動しますが、月々コツコツと投資をすることで価格変動によるリスクが減少するのです。
このように投資をする際には『長期投資』『資産分散』『時間分散』をすることでリスクを減らして資産を育てていくことが可能になります。
■まとめ
安心して暮らせる老後のために公的な年金以外にもお金が必要です。そのために早い段階で目標を設定して貯蓄をすること、投資によって効率よく資産を増やしていことを検討してみてください。
しかし家族構成やお仕事などで「将来どれくらいのお金が必要なのか?」
また、「無理なく貯蓄できる金額はどれくらいなのか?」を考えるのは難しいと思います。
投資に関しても、どのような投資が良いのかわからない点も多いと思います。老後のための資産形成についてわからないことがあればぜひ担当者にご相談ください。